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2010年4月 6日 (火)

誘拐ラプソディー

Photo_3 押尾学被告が作品に出演していたためにあわやお蔵入りの危機となった作品。荻原浩の同名小説を映画化したクライムムービーだ。主演は『特命係長 只野仁』の高橋克典。共演に船越英一郎、哀川翔、YOU、笹野高史、そして押尾被告の役の代役として榊英雄監督も出演している。家出少年の誘拐を企てた主人公が少年との心の絆を育んでいく様子を描いている。
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サラリーマンから誘拐犯へ!

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誘拐犯と誘拐された子供の間に奇妙な友情の絆が生まれる…、そう珍しいパターンではなく、だからこの作品にはサスペンス的な要素は少ないといって良いと思う。でも軽快なテンポで描かれていく無邪気な子供と、見るからに根は善人な男の心の交流は観ている側をとても暖かい気持ちにさせてくれるものだった。そういう意味で、私はこの作品の持つ雰囲気そのものがとても気に入ったのでした。もっともそうは言っても序盤の主人公・伊達秀吉(高橋克典)と篠宮伝助(林遼威)の2人だけのシーンの時には、そのあまりの寒さにどうなってしまうのかと心配になったのですが…。

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とにかく元々刑務所に入っていたとは到底思えないほどの善人ぷりが出ている伊達。高橋克典といえば『サラリーマン金太郎』や『特命係長 只野仁』のイメージからして完全にヒーロー気質であり、また本人自身も昔はヤンチャしてたこともあって、とにかくこの役のイメージに違和感がありありです。そして伝助役の林遼威くんがまた私の嫌いな、いかにも演じてます風の子役。どうにも間延びした会話劇に飽きてきた頃に伝助の父親・ 篠宮智彦(哀川翔)たちヤクザの篠宮組が絡んできます。それほどの緊迫感はないものの、一応、追う者と追われる者という構図も出来上がり、ようやく話の進み具合にもテンポが出てくるのでした。

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さて、個人的に期待していたのが予告編やらチラシで見た船越英一郎。彼はいつ登場してくるのかと待っていたのですが、なんとも勿体無い中途半端な出演の仕方だったのが残念でした。役柄は刑事。ですが途中まではほんのチョイ役。話もいい加減終わりに近づいて、彼の息子も伊達様ご一行に加わってしまうのですが、そこからようやく船越英一郎扮する黒崎刑事も事件の当事者として絡むことになってきます。どうせなら最初から誘拐してしまえば、伊達だけが2人の子供の素性を知らずにヤクザと警察の両方から追われるという大騒動が面白かったんじゃないか、そんな風にも思います。

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篠宮組に追われつつ、伊達と伝助の逃亡劇が続くのですが、子供にとってはこれが結構な大冒険になっている…実際はともかくとして、少なくともそう見えるように演出しているおかげで、見ている私たちも気分はもう彼らの目線で冒険を楽しんでいます。伊達は5000万の身代金を篠宮に要求し、一度は金をゲットするものの、篠宮の子分の裏切りでその金を奪われてしまうのでした。さて、これは後から知ったのですが、その裏切った子分・岸田、この役は当初は逮捕された押尾被告が演じていたそうなのです。おかげで作品自体がお蔵入り寸前だったんだとか。

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ところがその彼の役を榊監督自らが代役として出演して撮り直し、公開に漕ぎ着けたのだそうです。親分の哀川翔がヤクザ役が上手いのはもう今更言うまでもないのですが、監督がまたこれがかなり上手いのには驚きです。先に書いたとおり、私は知らずに観ていました。しかし本職ではないとはよもや夢にも思わなかったです。決して派手な作品ではなくどちらかといえば地味な作品。しかしながら最後の伊達と伝助の別れは、2人の絆の深さが良く解る暖かい涙を誘うシーンでした。軽妙なテンポの逃亡劇シーンと併せて、正に「誘拐ラプソディー」な作品だったと思います。

個人的おススメ度3.0
今日の一言:林遼威くん、ラストの涙のシーンは良かった!
総合評価:59点

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受信: 2011年8月22日 (月) 10時31分

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