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2010年4月22日 (木)

インファナル・アフェア/無間道

Photo 2002年に公開された香港ノワールの傑作。警察とマフィアの対決、そしてそれぞれに潜入する2人の男の心の葛藤が描かれたサスペンスドラマだ。主演はアジアの二大俳優アンディ・ラウとトニー・レオン。共演に『エグザイル/絆』のアンソニー・ウォンが出演している。監督はアンドリュー・ラウとアラン・マック。ハリウッドリメイクされた『ディパーテッド』はオスカーを獲得した。
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香港3大スターに痺れる!

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今更言うまでもない香港ノワールの代表作。アンディ・ラウ、トニー・レオン、アンソニー・ウォンと、女性からだけではなく男性から見てもひたすらカッコいい俳優たちの渋い生き様に痺れる名作です。俳優陣の魅力はもとより、この脚本が非常に秀逸。警察に潜入を命じられたマフィアの一員、ラウ(アンディ・ラウ)とマフィアに潜入捜査を命じられたヤン(トニー・レオン)の2人。この2人の生き様はまるでDNAの二十螺旋の如く絡みつき、一つの作品を形作っているのでした。タイトル『インファナル・アフェアー』は直訳すると「地獄のような状態」。2人の男たちの置かれた状況は正に“インファナル・アフェア”であり、終わりの無い苦しみを意味する原題「無間道」とも合致します。

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実はラウもヤンも元々は警察学校の同期生。つまりスタートは同じでした。警察学校を退学を退学させられる形でヤンが潜入捜査を始めてから10年、今では彼の正体をしる警察側の人間はウォン警部(アンソニー・ウォン)だけとなっています。当然身分がばれることは即ち死を意味する状況。反対にラウはその10年間でそのウォン警部の信頼を勝ち取り、警察内部でも重要なポストを与えられていきます。物語の中でこの2人の人生の波形は何度か交差しては離れていく…。かくも鮮やかで線対称のような人生の描き方に感心せずにはいられません。しかもラウにもヤンにも、その過酷な使命と人生を癒してくれる女性がいるというところも同じ。

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ある日マフィアのボス・サム(エリック・ツァン)が大きな麻薬取引をたくらんでいるという情報を得たウォン警部は一斉摘発を計画します。この時、警察側、マフィア側ともに自身に裏切り者がいることに気付きますが、表面はあくまで冷静。裏でラウとヤンがそれぞれの立場で情報をウォン警部とボスに送るシーンは、スパイ戦ならではの緊張感が味わえます。この時はラウとヤン、それぞれの活躍で摘発は失敗するも、サムも麻薬を失うという両者痛み分けとなるのですが、これを期に双方で内通者探しが始まるのでした。皮肉にもヤンはボスに、ラウはウォン警部にと敵方のTOPの一番の信頼を勝ち取っています。こんなところまでも対称的に描かれているんですね。

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ところが。この波形がいつしかずれて来ることになります。正確にはラウの波形が徐々にヤンの波形に同期するようになってくるのでした。きっかけはウォン警部の死。ラウはボスによって殺されたウォン警部の死を見るとともに考えたのでした。つまりずっとボスの手下として生きてきたものの、自分自身の手で勝ち取った表の世界のステータスを大切にしたいと。それは警察での地位と名誉であり恋人でした。ヤンが10年間にわたる潜入捜査=“インファナル・アフェア”を抜け出したいと考えていたように、彼もまた逆な立場で同じ事を考えていたのですね。再び交差した2人の波形はマフィアのボス・サムの死という、これまたウォン警部の死に対する対称系な結果をもたらすこととなります。

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それはどういうことか―。正直言ってこの手の作品の場合、大抵はどちらかに肩入れしながら観てしまうものなのですが、何せ出演しているのがアンディ・ラウとトニー・レオン。しかもそれぞれの役柄もまた潜入捜査官で正義感に厚いヤンと、潜入マフィアでありながら切れ者なラウと非常に魅力的。演技だって甲乙つけがたいほどに素晴らしい。しいて言うならばすれ違ってしまった2人の運命を呪うしかない…。だからこそ互いの正体を知らずに2人が手を組んだこのシーンは、作品中唯一胸のすく想いで観ていられます。このあたりも脚本の上手さが光る見所といえるでしょう。

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(ここからネタバレ含む)
最終的にラウの正体を知ってしまったヤン、対称的人生を送ってきたヤンですが、善の道を選択して生きたいというラウの願いを拒絶します。それはあたかも彼が自分に重なるのを拒絶するかのようであり、それは即ち己のアイデンティティの死守のようでもありました。警察内部にもう一人潜んでいたサムの部下によりヤンが殺され、結果的には望んでいた通りとなったラウ。しかし、それは新たなる“インファナル・アフェア”の始まりであり、しかも今までと違って、もう絶対に逃れることの出来ない無間道の始まりでもありました。これからのラウの人生が気にならずにはいられないのですが、それは続編で明らかになるようです。

>>インファナル・アフェアII/無間序曲
>>インファナル・アフェアIII/終極無間

個人的おススメ度4.0
今日の一言:ケリー・チャンは綺麗だけと今回はね…
総合評価:79点

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