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2010年5月13日 (木)

ソウ5/SAW5

Photo ジグソウ亡き後も彼の死のゲームは終わらない!?大ヒットした「ソウ」シリーズ第5弾。ジグソウの協力者ホフマンの謎、彼を疑うFBI捜査官ストラム、そして新たにジグソウの死のゲームに選ばれた5人の男女…。ジェームズ・ワンとリー・ワネルが製作総指揮として復活、監督は第2作からプロダクションでザ人を務めてきたデヴィッド・ハックル。シリーズ全てのなぞが今明かされる…。
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ちょっとチープでテレビ的な作品に…

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監督が変わったせいでしょうか、シリーズ5作目にして何やら雰囲気が変わったように感じた本作。第1作のあの衝撃から徐々に一般的なホラー映画風に、良く言えばマイルドに、悪く言えば個性が薄くなっていましたけども、本作は観ていてテレビドラマチックな空気を感じました。即ち陰鬱として暗く、闇の中に何かが潜んでいるような恐ろしさというよりも、もっと即物的な見たままの恐ろしさとでもいうか…。デヴィッド・ハックル監督はこれがデビュー作ということですから演出的には仕方の無いことなのかもしれません。しかしながらその分、ジェームッズ・ワンとリー・ワネルコンビの復活で脚本の妙は前作よりもあったのではないかと思います。

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そのストーリー、今回は3つの流れがありました。一つはジグソウの協力者であるホフマン刑事(コスタス・マンディロア)の動き、もう一つは彼を疑うFBI捜査官ストラム(スコット・パターソン)の動き、そして三つ目はまたしてもジグソウ(ホフマン)の死のゲームに選ばれた5人の男女の話。この3つが実に上手く絡み合っているのです。まずはホフマン刑事の話。そもそも彼が何故ジグソウの協力者となったのかの理由が明かされると同時に、彼が協力者としてどのようにジグソウのゲームを動かしてきたのかが描かれるのです。それは例えば1作目に登場した金網の中で死んでいた肥満体の男であったり、2作目の家に閉じ込めた時の仕掛けだったり、3作目のジグソウが横たわる病室のシーンだったり。

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これはファン的にはこれまでのシリーズの舞台裏を見せられているようで「なるほどそういうことだったのか!」という感じ。そしてここで重要なのが今書いたとおりそれらが“舞台裏”だということなのです。さて、それがどういうことかを説明する前にストラム捜査官。彼は前作ラストでジグソウのいた病室に閉じ込められますが、隠し扉と共にメッセージを見つけます。「死にたくなければこれ以上先に進むな。」当然無視して進むストラム。この時点で彼の死亡フラグ確定です。何故ならジグソウ(ホフマン)の言葉を無視して生き残ったものはいないから。ところが…。ストラムは例によって死の装置に繋がれるハメになりますが、必ず生と死の選択権を本人に与えるジグソウ流ではなく、それはあくまでも殺すためだけの装置。

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シリーズを観て来た方ならここで「何かおかしい」と気付くハズ。案の定ストラムは自力で生き残ってしまうのでした。つまりジグソウの言葉に逆らったら死しかありえないけれど、ホフマンの言葉に逆らう分には生の可能性があるということ。現実にジグソウが死んでいる今、ホフマンがジグソウであるのか彼自身であるのかは実に重要なポイントだったりします。こんな2人のストーリーが展開されていく中で、新たな死のゲームが行われているのですが、実はこれが全然面白くない。緊張感のかけらも伝わってこないというか、余りに見え透いた展開過ぎるのです。ルールは簡単で「5人の力を合わせろ」というもの。しかし初っ端から仲間割れ。最初の罠で一人を犠牲にした段階で「あーあ、こりゃ全滅だな。」と先が見えてしまったのでした。

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おまけに何故かゲームに参加している5人がジグソウの存在に慣らされ過ぎなのも気になるところ。「ジグソウのゲームなのよ!」的な慣れ、こういう部分が一番最初に書いた何やらテレビチックな部分であり、訳も解らず巻き込まれる不条理さ(と本人は思っている)が生み出す恐怖心をスポイルしているように思えてなりませんでした。っと思っていたら、この死のゲームにも実はちゃんと意味があったのです。ホフマンはこのゲームを行っている、即ちジグソウの協力者はストラムであるかのように見せかける工作をします。最初は何故そんな姑息でつまらない、およそジグソウの思考らしくないことをするのか疑問だったのですが、ここでシリーズ3作目の舞台裏のシーンが活きてくるのでした。それはアマンダの存在はホフマンを裏に隠すためだというジグソウのセリフ。

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つまり、今回もホフマンは“舞台裏”にいるということ。そして“舞台表”を今は亡きアマンダに代わってストラムに演じさせようとしている…。うーん実に絶妙な構成です。そしてこの時点で本当の意味で裏の人間ではないストラムの運命は決定したといえるでしょう。いや、正確には全てを読みきっていたホフマンの計画通りということか。全て計算づくだったということは、最初に立ったストラムの死亡フラグは当然生きている訳で…。ラストシーンは見た目はともかく、想像するととてつもなく堪らない気持ちになる衝撃を与えてくれました。殆どの謎が解かれた今回、唯一積み残されたジグソウの元妻に渡された遺品の謎、これはどうやら次回作で明らかにされるようですので楽しみにしたいところです。

>>ソウ/SAW
>>ソウ2/SAW2
>>ソウ3/SAW3
>>ソウ4/SAW4
>>ソウ6/SAW6
>>ソウ ザ・ファイナル 3D/SAW 3D

個人的おススメ度3.0
今日の一言:ジグソウ先生の教えは生きてます!
総合評価:63点

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『ソウ5/SAW5』予告編

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» ソウ5 [☆彡映画鑑賞日記☆彡]
 『ジグソウが遺した【遺言と遺品】 真の後継者は誰なのか?』  ●関連作品レビュー● ・シリーズ第1弾「ソウ」 ・シリーズ第2弾「ソウ2」 ・シリーズ第3弾「ソウ3」 ・シリーズ第4弾「ソウ4」  コチラの「ソウ5」は、ソウ!1年ぶりのソウ祭!大開催ですよ〜♪O(≧...... [続きを読む]

受信: 2010年5月13日 (木) 16時36分

» 『SAW5』 [めでぃあみっくす]
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受信: 2010年5月13日 (木) 20時46分

» ソウ5/ SAW V [我想一個人映画美的女人blog]
もうシリーズ第5弾!! このシリーズ大ファンのわたくし、今年も当然のごとく観てきました{/m_0151/} 毎年11月の恒例映画となった「ソウ」 気がつけば、1作目から試写で観させてもらってるのだけど(1などは気に入ったのでその後劇場でも観た{/hikari_blue/}) 今回はいつも試写を提供してくださる「シネトレ」さんから頂きました〜。 最初に低予算でこの「ソウ」を生み出したコンビ、リーワネル(脚本&主演)と ジェームズ・ワン(監督)が関わっていたのは「ソウ3」までで、 2から4まで... [続きを読む]

受信: 2010年5月14日 (金) 09時26分

» 【映画】ソウ5 [★紅茶屋ロンド★]
<ソウ5 を観ました> 原題:Saw Ⅴ 製作:2008年アメリカ ←クリックしてね。ランキング参加中♪ こちらもついに5まで来ました。 続編物って、ただ名前だけ借りた続編(内容は繋がっていない)か、本当に前作の終わりから続く物語(内容が繋がっている)のどちらかになると思うけど、このソウシリーズは本当に前作から話が続いている続編物。 そういうのって、大抵回数を重ねるごとに人気が無くなっていくものなんだけど、皆好きね~。 痛い痛い言いながら、「1」が一番面白かった!!!!と言いながら、ただグロ... [続きを読む]

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» 映画『ソウ5』を観て [KINTYRE’SDIARY]
96.ソウ5■原題:SAW5■製作年・国:2008年、アメリカ■上映時間:93分■字幕:松浦美奈■鑑賞日:12月6日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)スタッフ・キャスト(... [続きを読む]

受信: 2010年12月19日 (日) 18時21分

» 『SAW V/ソウ5』 ('11初鑑賞171・WOWOW) [みはいる・BのB]
☆☆--- (10段階評価で 4) 12月7日(水) WOWOWシネマの放送を録画で鑑賞。 [続きを読む]

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