ねこタクシー
2010年1月から放送された同名テレビドラマの劇場版。冴えないタクシードライバーと三毛猫の御子神さんの間の友情をテーマにしたヒューマンドラマだ。監督は『幼獣マメシバ』の亀井亨。主演は『守護天使』のカンニング竹山、共演に鶴田真由、山下リオ、室井滋らが出演している。NHK「龍馬伝」にも出演している売れっ子俳優で御子神さんを演じる猫のみーすけに癒されよう。 >>公式サイト
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なるほど「ねこカフェ」があるのだから、「ねこタクシー」があったっていいんじゃない?猫好きの私としては至極普通にそう思った作品です。が、まあ動物嫌い、まして猫嫌いな人も沢山いるでしょうし、そこを考えたら公共交通機関としてはそう簡単にナイスアイディア!とはいかないのでしょうね。亀井亨監督の前作『幼獣マメシバ』や『ネコナデ(TV版)』もとても気に入っている私ですが、この監督、何とまあ優しく人を癒すドラマが得意なようで。(笑)今回も、御子神さん(三毛猫)やコムギ(マンチカン)の愛らしい行動に劇中の間瀬垣勤(カンニング竹山)同様実に癒された2時間だったのでした。ちなみにこの御子神さんを演じたのは三毛猫のみーすけ(オス:8歳)。何と数々のCMやNHKの「龍馬伝」にも出演している売れっ子猫なんだそうです。おかげで演技もばっちりNGなしだったんだとか。
そんな愛らしさを振りまくねこたちとは対照的に、主人公の勤は人付き合いが極端に苦手。というよりもはや対人恐怖症のようです。そんな彼だけに売り上げはいつも最下位。ところが御子神さんたちのおかげで、人付き合いの距離感を覚えた彼は何とかタクシードライバーとしてやっていけるようになります。前作『守護天使』でもそうですが、カンニング竹山は煮え切らないイライラさせるキャラクターをやらせると実に上手い。いつもの切れキャラがどうしてもあるだけに、そのギャップ自体が面白かったりします。もっとも舞台挨拶の時はもうイケイケドンドン。隣の劇場で北野武監督『アウトレイジ』の舞台挨拶をやっていたこともあり、「皆さん何でこちらに来たんですか!僕なら間違いなく『アウトレイジ』行きますよ!」なんて言って会場の爆笑をとっていました。
そもそも勤と御子神さんの出会いは、いつも彼がお弁当を食べている公園。たまたまそこにきていた御子神さんが勝手に勤のタクシーに乗り込んでしまったのでした。実は御子神さんはスミエ(通称ネコババア:室井滋)に世話をされていた沢山の猫の中の一匹。室井滋といえば「やっぱり猫が好き」ですが、ご本人も本当に大の猫好きなのは有名です。それだけに、猫を可愛がる彼女の存在感はリアルに重く、猫と同じご飯を食べている姿は、実際の室井滋もそうすることがあるんじゃないか?なんて思ってしまったり。(笑)もっとも個人的にはちょっとそのシーンは引っかかったのですけども。本当ならばエサをあげるなら避妊まではして欲しいのです。でないと飼い主のいない不幸な猫は増える一方になってしまうので…。まあ現実的な話はさておき、ここで勤は御子神さんともう一匹・コムギを引取ることにするのでした。
猫がいる家というのは実に和みます。実際我が家でも2匹飼っているからこそ言えるのですが、何か嫌なことがあったり、妻とケンカしたりしても、猫たちを見て戯れているとスーッと心が穏やかになって行くのが解ります。間瀬垣家でもそれは同じで、年頃の娘の瑠璃(山下リオ)との関係も次第に良くなって行きます。さて、これで「ねこタクシー」がいつでも出来る…とは行かないところがミソ。保健所の宗形(内藤剛志)の立ち入り調査が入り、「ねこを狭い車内に閉じ込めて商売するなんぞまかりならん!」とのお達しを受けてしまうのでした。動物愛護の観点からを力説する宗形、しかしそこまで動物愛護を唱えるなら他に早急にやるべきことがいくらでもあるだろうが!なんて思ったりもするものの、こういうことは現場の役人に言っても仕方ないんですよね。彼らも仕事ですから。
タクシーに乗れなくなった御子神さんは次第に元気がなくなって行きます。もっとも15歳という設定上、明らかに寿命が近づいてきたんですが…。しかしここで勤は一大決心をするのでした。私も初めて知ったのですが、そもそも猫を使って商売するにはまずその事業所に愛玩動物飼養管理士なる資格をもった人間が必要であり、その上で会社として認可を求める必要があるのだそうな。調べてみると、その資格は1級と2級があるそうで、いずれにしても試験は年一回であることを考えるとかなり狭き門であると言えるでしょう。しかし勤は御子神さんをもう一度タクシーに乗せるためだけにこれに挑戦することにします。結果的に見事に合格するのですが、これは御子神さんのおかげでタクシー運転手としてやっていけるようになった勤の、鶴の恩返しならぬ間瀬垣の恩返しなのでした。
一匹の猫の存在に心癒されるだけでなく、その存在が人の心を支え、生き方を変えることすらある。勤の膝の上で目を閉じたまま眠るように逝ったのは、御子神さんがその役目を終えたからなのでしょうか…。
個人的おススメ度
3.5
今日の一言:実際に「ねこタクシー」は無理なのかな?
総合評価:70点

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『ねこタクシー』予告編
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『幼獣マメシバ』の亀井亨監督が猫と人間の友情をテーマに描くヒューマン&キャット・ドラマ。TVドラマ版をちょっとだけ見たことありますが、俳優・カンニング竹山さん、嫌いじゃないです。いい味のある俳優さんだと思います。ダメ親父なら先ずはカンニング竹山さんと言われ....... [続きを読む]
受信: 2010年6月16日 (水) 18時14分
» 【10-060】ねこタクシー ★★★☆☆ [燃える映画軍団【ブログ編】]
6/12の2本目はねこタクシーです。
人とうまくコミュニケーションがとれないタクシー運転手の間瀬垣勤(カンニング竹山)は、営業成績もいつも最下位で、妻(鶴田)や娘(山下)にもあきれられていた。
そんなある日、いつものように公園で弁当を広げる彼の前に“御子神”という名札を付けた三毛猫が姿を現す。
間瀬垣は、そのふてぶてしくも堂々とした猫の姿に心奪われていく。
ねこ好きの自分としては、前々から楽しみにしていた1本。
監督は「イヌゴエ」「ネコナデ」「幼獣マメシバ」を撮っているだけに得意分... [続きを読む]
受信: 2010年6月16日 (水) 23時20分
» ねこタクシー [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。亀井亨監督、カンニング竹山、鶴田真由、山下リオ、芦名星、室井滋、内藤剛志、高橋長英、甲本雅裕、草村礼子、田村泰二郎、根岸季衣、塚本高史、水木一郎。主人公の勤(カンニング竹山)は人付き合いが苦手という触れ込みだが、タクシー運転手も、その前にやって....... [続きを読む]
受信: 2010年6月18日 (金) 17時19分
» 「ねこタクシー」 [みんなシネマいいのに!]
そりゃあネコバスがあるくらいだから、タクシーがあってもいいかもしれない。 しか [続きを読む]
受信: 2010年6月22日 (火) 07時02分
» (映画)ねこタクシー [ゼロから]
TV版とはストーリーが違うのは、劇場版が原作を基に作られたからなのでしょうか。冴えないタクシー運転手の間瀬垣勤はひょんなことから、御子神さんとコムギを飼うことになる。 [続きを読む]
受信: 2010年6月22日 (火) 22時25分
» 『ねこタクシー』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「ねこタクシー」□監督 亀井亨 □原作・脚本 永森裕二 □脚本 イケタニマサオ □キャスト カンニング竹山、鶴田真由、山下リオ、芦名 星、室井 滋、内藤剛志、高橋長英、甲本雅裕、草村礼子、田村泰二郎、根岸季衣、塚本高史、水木一郎 ■鑑賞日 6月20日(日)■劇場 109CINEMAS川崎■cyazの満足度 ★★☆(5★満点、☆は0.5)<感想> 『マイブラザー』、『アウトレイジ』と来て、次が『ねこタクシー』ってどんな選択なんだ〜(笑) ほとんど予備知識... [続きを読む]
受信: 2010年6月27日 (日) 13時51分
» ねこタクシー [Peaceナ、ワタシ!]
やっかいなこともあるけれど、
それでも人生はステキです
『ねこタクシー』を観ました!
昨年鑑賞した『幼獣マメシバ』と同様、ケーブルテレビの人気ドラマの映画化です。主演はカンニングの竹山さん! 「人とうまくコミュニケーションがとれないタクシー運転手」という設定なのだけれど、ホント、イメージぴったりでした!!
私はどちらかというと「犬派」なのですが、この映画の猫たちには癒されまくり…肉球に触りたい!という衝動…子供と動物にはかなわないよねぇ。
...... [続きを読む]
受信: 2010年7月 2日 (金) 00時37分
» 『ねこタクシー』をシネマスクエアとうきゅうで観る男ふじき [ふじき78の死屍累々映画日記]
カンニング竹山のダメ人間ぶりには説得力がある。
本当かどうかの問題ではなく、演技力の問題でもなく、
単に説得力の問題である。
これは、劇中、奥さんを演じる鶴田真由の堅実さも説得力ありきであるし、
劇中、娘を演じる山下リオの竹山とはカーストが違うとしか思....... [続きを読む]
受信: 2010年7月 7日 (水) 01時12分
» ねこタクシー [『映画評価”お前、僕に釣られてみる?”』七海見理オフィシャルブログ Powered by Ameba]
やっかいなこともあるけれど、
それでも人生はステキです
「ネコナデ」「幼獣マメシバ」と地方のUHF局、ローカル局8社により共同制作された犬猫テレビドラマシリーズ。2010年1月から放送された「ねこタクシー」の劇場版。
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受信: 2010年7月22日 (木) 23時27分
» ねこタクシー [ゴリラも寄り道]
映画版 ねこタクシー DVD(2010/11/05)カンニング竹山、鶴田真由 他商品詳細を見る<<ストーリー>>カンニング竹山主演、永森裕二原作「ねこタクシー」の映画化。
間瀬垣勤、40歳。元教師。現在タクシー運転...... [続きを読む]
受信: 2010年12月 2日 (木) 02時15分
» ねこタクシー [映画鑑賞★日記・・・]
2010/06/12公開 日本 106分監督:亀井亨出演:カンニング竹山、鶴田真由、山下リオ、芦名星、高橋長英、甲本雅裕、塚本高史、水木一郎、室井滋、内藤剛志あるタクシー運転手が御子 ... [続きを読む]
受信: 2010年12月10日 (金) 12時57分
» 《ねこタクシー》 [日々のつぶやき]
映画版 ねこタクシー DVD/カンニング竹山,鶴田真由,山下リオ
¥3,990
Amazon.co.jp
監督:亀井亨
出演:カンニング竹山、鶴田真由、山下リオ、芦名星
「教師を辞めてタクシーの運転手の仕事をしている間瀬垣勤は営業成績最下位、家では娘の瑠璃に疎まれている。... [続きを読む]
受信: 2011年1月18日 (火) 10時01分
» ねこタクシー []
「やっかいなこともあるけれど、それでも人生はステキです」
2010年 日本 公開日2010/06/12
映画版 ねこタクシー DVD/カンニング竹山,鶴田真由,山下リオ
監督 亀井亨
脚本 永森裕二
出演 カンニング竹山/鶴田真由/山下リオ/芦名星/高橋長英/甲本雅裕/草村... [続きを読む]
受信: 2011年2月12日 (土) 22時46分
» 『映画版 ねこタクシー』 [『映画な日々』 cinema-days]
映画版 ねこタクシー
人は良いが要領の悪いタクシー運転手が
自らの意思を貫き、猫を飼い始める...
【個人評価:★★☆ (2.5P)】 (自宅鑑賞)
原作:永森裕二 [続きを読む]
受信: 2011年5月14日 (土) 23時00分
» 『ねこタクシー』('11初鑑賞79・WOWOW) [みはいる・BのB]
☆☆☆☆- (10段階評価で 8)
6月8日(水) WOWOWのHV放送を録画で鑑賞。 [続きを読む]
受信: 2011年6月10日 (金) 21時38分
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