ACACIA-アカシア-
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持田香織の主題歌が素晴らしい! |
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プレミア試写会での鑑賞でした。この日は『セックス・アンド・ザ・シティ』のプレミア試写会でサラ・ジェシカパーカーら4人が来日していることもあってか、主演のアントニオ猪木、監督の辻仁成だけでなく、メインキャストのタクロウ役の林凌雅、更には主題歌「アカシヤ」を唄う持田香織までが登場し、おまけに生で熱唱するというおまけつき。例によってアントニオ猪木の「元気ですかーーっ!」で始まり「1、2、3、ダーーッ!」で終わる挨拶はお約束としても、持田香織の生唄は正に超感動でした!おかげで作品自体は何やら幻想的な表現部分もあったりと、いま一つ感情移入ができませんでしたが、エンドロールの主題歌も普段より聴き入ってしまったぐらい。


アントニオ猪木は引退した覆面レスラー大魔神の役。ある日いじめられていたタクロウを助け、彼にプロレスを教えてあげるのでした。はっきり言ってしまうと猪木に演技力を求めるほうが無理というもの。時おり良いシーンもあるものの、殆どは素人芝居の域を出てはいません。挨拶で辻監督は、東京国際映画祭で本作が上映されたあと、友人のフランス人映画監督が猪木を高く評価していたと話していましたが、それは日本語が解らないからでしょう。事実監督自身が「(タクロウ役の)林凌雅くんが猪木さんを引っ張っていました」と話していましたから。私は基本的に日本人の子役は殆ど全て評価していませんが、林くんの子供らしい素直で等身大の演技には好感がもてました。


ある日、大魔神は突然タクロウの母(坂井真紀)に夏休みの間だけ彼を預かってくれるように頼まれます。しかもタクロウには死んだと言っていた父親の住所のメモまで預けて…。戸惑いながらも孤独な老人と少年の奇妙な共同生活が始まるのでした。タクロウもまた、自分を捨てた父が実は生きていることに驚き、更に母親は自分を放り出して新しい男と楽しんでいることに反発を覚えつつ諦めと孤独を感じています。そんな2人がお互いを理解しあうのにそう時間はかかりませんでした。ここからしばらくの間この2人の中睦まじいシークエンスが続きます。プロレスを教えたり、人食いザメ退治ごっこをしたり、宇宙人に会いに行ったり…。それにしてもここでの林君の演技が実に上手い。


例えば、家でDSで遊んでいる時は今風で、妙に大人びた口調で話したりする訳です。しかし大魔神と○○ごっこをして遊ぶ時はとたんに目をキラキラと輝かせ、昔の子供のように無邪気な少年らしさを見せてくれるのでした。タクロウの姿に、幼い頃に亡くした息子エイジの面影をみる大魔神にとっては、そんな無邪気な彼は正に息子同然です。しかし、大魔神はタクロウの本当の父親(北村一輝)を尋ね、父子を引き合わせるのでした。ちょっとこのあたりの心境の移り変わりは猪木の演技からは感じ取りにくいところではあります。このままじゃいけないと思ったのか、タクロウが本当は父親に会いたいと思っているのだと思ったのか…。息子の死で大魔神の心が閉ざされているという設定だけに、余計何を考えているのかが解りにくいんですね。


エイジの命日に離婚した妻・芳子(石田えり)が大魔神の家を訪ねてきますが、留守番をしていたタクロウと先に出会います。当然ながら彼女もまたタクロウにエイジの面影を見ることになるのでした。要はこの後、息子の死を受け入れられないままに時を過ごしてしまったこの夫婦が、タクロウの存在でそれを受け入れ新たな一歩を歩み始めるという流れなわけです。しかしどうしてそういう心境になったのかがいま一つハッキリしません。思うに、一つのキーとなるシーンは大魔神と芳子のケンカの場面かと。大魔神を責める芳子に突然タクロウは言います。「ママもういいよ。パパだって十分苦しんだんだから。」どうも唐突で心に響かないこのセリフ回しは辻仁成ならではなのでしょうか。最終的にタクロウもまた、母や父の想いを理解し大団円となるのですが…。


ラストに延々展開されるリングの上での大魔神のたった独りの戦い、リング上にはエイジとおぼしき少年が立っていますが、彼はその少年を捕まえようとしても捕まえられません。しかしそのシーンをラストに持ってきた意味が良く解らない。何ともスッキリしない終わり方の中で唯一タクロウだけが、母とも、別れた父とも和解していたのが救いでした。
個人的おススメ度2.5
今日の一言:1,2,3,ダー!って叫んだら周りが引いた。
総合評価:55点
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『ACACIA-アカシア-』予告編
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