« クレイジー・ハート/Crazy Heart | トップページ | ケンタとジュンとカヨちゃんの国 »

2010年6月 9日 (水)

殺人犯

Photo 『英雄 HERO』や『SPRIT スピリット』の撮影現場に参加し、アン・リー監督の下で働いたロイ・チョウ監督のデビュー作。猟奇殺人事件を捜査する刑事が、捜査の過程で次々と自分が犯人である証拠を見つけてしまい、狂気に取り付かれていく様子を描いたサスペンス・スリラーだ。主演は香港のトップアイドル、アーロン・クォック。製作を『グリーン・デスティニー』のビル・コンが務める。
>>公式サイト

/

アーロン・クォックが実に上手い!けど…

book あらすじ・作品情報へ book

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへみなさんの応援クリックに感謝デスsunshine

01

いやはや何なんでしょう、この後味の悪さは。99%救いがないラストで、本音を言えばこの記事を書くために思い出すのもちょっと苦痛なくらい。『チェイサー』のように衝撃に当てられて呆然、というより、もう心がどんどん鬱になっていく感じとでもいうのでしょうか。映画としての質は別にして、大変申し訳ないけれど、タダでももう一度は観たくない作品でした。鑑賞後の電車の中で、誰かと何か別の話をしたくて仕方なかったです。(苦笑)次々と起こる猟奇殺人事、主人公のレン刑事(アーロン・クォック)は親友でもあるクァイ刑事とともにその捜査にあたっています。ところが捜査の過程で何故かレン刑事が犯人であるという証拠がボロボロ出てくる…。え?じゃあ一体犯人は誰なの?っというのが本作の大きな流れです。

02 03

予備知識は映画サイトでのあらすじ解説ぐらい。故にオープニングの衝撃カットでいきなり目が点状態です。アパートから落ちてくる人間、飛び散る血飛沫、のっけからビビリまくりですが更にその後…、ネタバレなので書きませんが、もう生理的に受け付けない映像で気持ち悪くて泣きそうなしたよ。こんなシーンが頭からあるなら事前に警告しといてくれよ…と言いたいぐらい。元々グロいホラーが大の苦手ですが、「ソウ」シリーズなどでかなり免疫がついてきたと思っていたのですが、人間は想定の範囲外からの事態にはこんなにももろいものなのですね。血まみれで倒れていたのは、レン刑事の先輩でタイ刑事といいます。タイ刑事の背中には、他の被害者たちと同様にドリルで開けられた穴が何箇所にも残されていました。

04 05

どうもこのアパートで2人は会っていたらしい…。しかしレン刑事は別の階の廊下で気を失って倒れていたのを同僚に発見されます。しかも彼は殴り倒された後遺症で直近の記憶を失っている状態。うーん、既にこの段階でまずレン刑事に疑惑の眼差しが…。この後彼は親友のクァン刑事とともに捜査を開始するのですが、これがまた彼が犯人であると思わせるような証拠が出る出る!自宅の倉庫にドリルで穿った穴があいていたり、血のついた手のあとがついていたり、実は被害者とレン刑事が子供の頃友達だったことが解る写真が出てきたり、とどめは倉庫から電動ドリルが無くなっていたり…。ただ、これだけあからさまかつわざとらしいまでに証拠(といっても状況証拠ですが)が出てくると、彼は陥れられたんじゃないの?と勘ぐりたくもなります。

06 07

しかし、それをやっぱりレン刑事がやったのかな?と思わせてしまうのがアーロン・クォックの演技力でした。証拠が出るたびに自分自身を疑い、次第に狂気が彼を支配していくのですが、この加減の演じ方が実に良い塩梅なんですね。最初はもちろん「俺じゃない!」だったのが傍目に観ても「俺がやったのか?」に変わっていき、結局また「俺は嵌められたんだ!」に戻るのですが、細かいことはこの後下の方で。とにかく、異常な精神状態でいる割合をラストに向かって徐々に増やしているのがよく解るのです。故に彼の演技だけ見ているとついつい「ひょっとして二重人格?」だとか、「また『シェルター』ネタか?」とか思ってしまうのでした。さて、そうはいいつつもここで冷静に考えてみると、案外オチは想像がついてしまったのでした。

08 09

途中何度も「全てはレン刑事の狂気がなせる業」という方向に引き戻されかけましたが、流石に彼の演技だけでそう思い込ませるのには無理があったと思います。この点、もう少し演出でフォローを入れてあげれば、もっと謎は深まったでしょう。しかし!これだけなら別にそこまで後味が悪いことなどないのです。この作品、オチをばらした後もかなり続きます。その部分がもう本当に最悪。要は犯人の方がレン刑事よりも一枚も二枚も上手で、彼の動きは全て見切られていたと言うことなのですが…。この時点で既に彼の精神はほぼ崩壊しているのに、とどめを指して彼を廃人にまで追い込むのです。その手段は書きません。思い出したくもないから…。ロイ・チョウ監督はある意味才能があるのだと思います。次回作はもうちょっと明るいヤツを観たいものです。

10 11

(ネタバレ)
ポイントは家の中にあった証拠。外から入れないのであれば家の中にいる人間が関わっていると言うのは自明の理というもの。しかも被害者の背中に着けられたドリルの穴のあとがウサギの絵だった。しかも息子の人形にドリルで穴が開いている理由をレン刑事が問うた時、「パパが開けたんだ。」と答えた事。そしてこれは演出上の失敗だと思うのですが、レン刑事の子供が養子であり、その顔つきがあからさまに変だということ。これらを考えた時に思い浮かんだのが昨年公開された『エスター』でした。エスターはホルモンの異常で33歳でも少女という設定。もし息子も同じ病だったら…そう考えると問題は一つだけになります。即ち、「彼では大人は殺せない。」ということ。ところが、おあつらえ向きというか、割と早いタイミングでレン刑事を付回す浮浪者の存在が浮き上がってきます。最初は彼の幻覚かとも思いましたが、2度目の登場でそうではないことが解り、同時に彼が共犯であるという結論に落ち着きました。

個人的おススメ度2.5
今日の一言:早く忘れたい…
総合評価:53点

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ
↑いつも応援して頂き感謝です!
今後ともポチッとご協力頂けると嬉しいです♪

『殺人犯』予告編

|

« クレイジー・ハート/Crazy Heart | トップページ | ケンタとジュンとカヨちゃんの国 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/197507/35149878

この記事へのトラックバック一覧です: 殺人犯:

» 殺人犯/MURDERER [だらだら無気力ブログ]
連続殺人事件を担当する刑事が、捜査の過程で何者かに襲われ記憶を失い、 そして次第に発生した連続殺人事件の犯人が自分ではないかと疑いだし、 心身ともにやつれていく主人公が、やがて明らかになる驚愕の真相に 突き当たる様を描いたサイコサスペンススリラー。 主演は..... [続きを読む]

受信: 2010年6月 9日 (水) 01時57分

» 殺人犯/アーロン・クォック [カノンな日々]
殺人事件を捜査する刑事が、犯人が自分であることを示す証拠の数々を見つけ狂気に満ちていくというアーロン・クォック主演のサスペンス・スリラー。と、事前の知識はその程度で宣伝チラシの強烈な印象にそそられて観に行ってきちゃいました。 出演はその他に、チャン・チ....... [続きを読む]

受信: 2010年6月 9日 (水) 09時17分

» 殺人犯 [象のロケット]
香港警察の警部レン・クォンは何者かに襲われて気絶し、目覚めた時には事件前後の記憶を失っていた。 同僚のタイ警部は意識不明の重体。 2人は電気ドリルで被害者の背中にいくつもの穴を空ける残忍な連続殺人犯を追っていたが、事件当日に不審人物の目撃証言はなく、警察内部ではレンが犯人ではないかという声が上がり始める…。 サスペンス・スリラー。... [続きを読む]

受信: 2010年6月10日 (木) 08時34分

» 殺人犯 [まてぃの徒然映画+雑記]
観終わった後は衝撃が強すぎて、しばらく立ち直れませんでした。ドリルで穴を開けて失血死させるという、連続猟奇殺人事件をおっていたクォン警部(郭富城:アーロン・クォック)は... [続きを読む]

受信: 2010年6月13日 (日) 22時12分

» 「殺人犯」 [てんびんthe LIFE]
「殺人犯」シネマート六本木で観賞  アーロン・クォックって何者か…。 って、実は最近何本か作品は見ているんです。 ところが、他の若手に木をとられ過ぎて気にしてなかったのです。 アーロン・クォックって実は香港四天王だって知ってますか? 私は知らなかったんです。 なんということ! 香港四天王 アンディー・ラウ レオン・ライ ジャッキー・チュン そしてアーロン・クォック。 顔を見てしまえばあ~、なるほど!って思うのですが。 それにしても整った美しいお顔立ち。 そして、この作品に関し... [続きを読む]

受信: 2010年6月17日 (木) 15時33分

» 殺人犯(2009)*MURDERER [銅版画制作の日々]
 容疑者は自分自身。 インセプションが観る予定でしたが、先行上映はポイントが使えないそうで、1800円で鑑賞することしかできないということです。したがって今回は断念、23日までお預けすることになりました(涙) ということで京都シネマにて本日から上映開始となった、「殺人犯」を鑑賞。香港映画は最近になって鑑賞するようになったので、主人公を演じるア―ロン・クォックが香港映画界の四天王の一人ということもまったく知りませんでした。どちらかと言えば、アジア系の俳優さんという感じではないような気もする方ですね... [続きを読む]

受信: 2010年7月18日 (日) 01時26分

» 殺人犯 [映画鑑賞★日記・・・]
【MURDERER】 2010/06/05公開 香港 121分監督:ロイ・チョウ出演:アーロン・クォック、チャン・チュンニン、チョン・シウファイ、チェン・カンタイ、チン・カーロッ、ジョシー・ホー容疑者は自分自身。連続猟奇殺人事件の捜査中に一部の記憶を失ったレン・クォンは、事件を....... [続きを読む]

受信: 2010年11月10日 (水) 12時51分

» mini review 10506「殺人犯」★★★★★★☆☆☆☆ [サーカスな日々]
殺人事件を捜査する刑事が、犯人が自分であることを示す証拠の数々を見つけ、心身を狂わされるサスペンス・スリラー。『グリーン・デスティニー』のプロデューサー、ウィリアム・コンが製作を手掛け...... [続きを読む]

受信: 2010年11月28日 (日) 08時47分

» 『殺人犯』 [cinema-days 映画な日々]
殺人犯 電気ドリルで血を抜く 猟奇殺人事件を追う警部が 頭を殴られ記憶を失う... 【個人評価:★★ (2.0P)】 (自宅鑑賞) 原題:Murderer [続きを読む]

受信: 2012年1月 1日 (日) 19時52分

» 殺人犯(DVD) [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
アジア各国で物議を醸したサスペンス・スリラー。記憶を失っている間に連続殺人の疑いをかけられた刑事が、自ら真相に迫る。監督は、本作が初監督となるロイ・チョウ。出演は、「 ... [続きを読む]

受信: 2012年2月12日 (日) 09時35分

» 殺人犯 [ダイターンクラッシュ!!]
2012年2月26日(日) レンタルDVD 殺人犯 [DVD]出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメントメディア: DVD 『殺人犯』公式サイト アーロン・クォックが「シャイニング」のようだ。 韓国の犯罪映画かよ!と言わんばかりのバイオレンスな香港の犯罪映画だ。 少々目を背けたくなる映像あり。釘が嫌だ。流石にオーブンは開かなかったが。 まるで「エスター」な犯人に唖然。その動機と執念に驚愕。 そして、アーロン・クォックは、証拠隠滅を図るなどド阿呆な行動ばかり。 かなり滅茶苦... [続きを読む]

受信: 2012年2月28日 (火) 14時48分

« クレイジー・ハート/Crazy Heart | トップページ | ケンタとジュンとカヨちゃんの国 »