ソフトボーイ
カラッと晴れた青空のような青春ドラマ |
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殆ど期待していなかったものの、意外に楽しめた作品でした。今更ソフトボールという完全に時流に乗り遅れているところが逆に面白いのかもしれません。主演の2人、永山絢斗は『ソラニン』に出演していたそうですが、個人的には『罪とか罰とか』のおかしな刑事役のほうが印象に残っています。一方の賀来賢人は『銀色の雨』ほか最近では『海の金魚』などが記憶に新しいところ。いずれにしても女子マネージャー役の波瑠を含めかなりフレッシュな俳優による青春ドラマでした。一見タイトルを観る限りでは、スポコンモノを想像するのですが、実はソフトボールは切り口程度で、コメディの要素のほうが多い作品だったりします。なにしろいくらドラマとはいえ、そう簡単に上手くなるはずがありませんから。


事の発端はオニツカ(永山絢斗)の思いつきからでした。これが本当の意味で全くの思いつき。早い話が、自分がヒーローになるにはどうしたらいいか、それには全国大会に出ればいい。それじゃ全国大会に出るにはどうしたらいいか、男子ソフトボール部が1校もない佐賀ならそれを作れば即全国大会だ!という呆れた論法。(笑)劇中でもノグチ(賀来賢人)に、普通は思考が逆だろと突っ込まれる始末です。ところが彼らの通う牛津高校は女子高から共学になったばかりで、男子生徒は全校生徒400人のうち30人のみ。という訳で序盤は教頭先生に創部の許可をもらい、部員集めをするところが描かれます。ある意味このシークエンスが一番面白いかも。


嘘のように都合よくサクサクと集まる部員たち。しかしそれが単純に集まる訳ではなく、全てのメンバーに必ず笑いのネタが仕込んであるんですね。一応、あと少しで9人というところで若干のハードルがあるのですが、それとてもネタのための前フリのようなもの。オニツカの凄く自分勝手だけれども、やたらと明るくポジティブな思考で全て良いほうに転がる描き方は、予定調和であっても観ていて実に心地良いのです。で、あっという間に9人の選手+女子マネージャー3人、更に監督として高校野球甲子園大会予選決勝まで行ったことが誇りの澤山先生(大倉孝二)という陣容が整うのでした。初練習のシーンでサプライズ出演したのがソフトボール北京五輪金メダリストの上野由岐子投手。


もちろん全員かすりもしないのですが、そりゃ初心者じゃなくたって当然ですよね。(笑)それにしても無理矢理集めただけあって全員が全員、全くスポーツ選手の体じゃない。つまり見た目からもど素人集団。というかキャッチボールもまともに出来ない、いわゆる女の子投げしてる選手もいる…この時点でいくらなんでもこの連中が猛練習で上手くなって試合に勝つというスポコン本道の流れにするのは不可能なことには誰でも気付くでしょう。しかしそれでも全く飽きずに楽しめてしまう不思議。笑いのネタもそうですが、やはり個々のキャラクター設定が上手いんです。劇中何度か選手たちのモチベーションを失わせる事件が起こりますが、その度にオニツカの口からでまかせの言葉で復活。


何故かオニツカの言葉には人を引き込む魔力があるようで、それは観ている私たちにも作用してしまうようでした。青春ドラマに欠かせない恋愛模様も、クサナギに対するノグチの気持ちでさらりとフォロー。もっとも女子マネージャーが3人いる時点で、何となく先は見えるようには描かれているのですが。全国大会1回戦、驚異的な点差をつけられる牛津高校ナイン…。落ち込み俯く部員たちに「顔を上げろ!」と激を入れるオニツカ。彼の言葉の魔力に息を吹き返し、自分たちに出来るベストを尽くす部員たち。ひたすらベタベタな展開だけれども、こういうのってやっぱり気持ちイイのです。胸に迫る感動なんかありません。でも気楽に若いエネルギーを楽しく感じられる作品だと思います。
個人的おススメ度3.0
今日の一言:波瑠ちゃんやっぱり美人です!
総合評価:60点
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『ソフトボーイ』予告編
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