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2010年7月26日 (月)

遠い空の向こうに

Photo ホーマー・H・ヒッカム・Jr.の自伝小説『ロケット・ボーイズ』の映画化。田舎の炭鉱町でロケット打ち上げに夢をかけた若者たちの青春ドラマだ。主演は今をときめくジェイク・ギレンホールで当時19歳、本作が映画初主演だった。共演はこの年『アメリカン・ビューティー』でアカデミー助演男優賞を獲ったクリス・クーパー。監督は『ウルフマン』が記憶に新しいジョー・ジョンストン。
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夢にまい進する若者の姿は輝いてるネ!

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NASAのロケットエンジニアになったホーマー・ヒッカム、といっても私は初耳ですが、彼の自伝を元にした青春ドラマ。夢をかなえた男を描いたオーソドックスな作品ですが、それだけにとても解りやすく感動を呼ぶ物語でした。何しろ今既にハリウッドの演技派人気俳優、ジェイク・ギレンホールの初主演作品です。まだティーンズだっただけに、若干あどけなさが残るその表情で、ロケット製作という当時としては文字通りの夢物語を実現使用とする若者ホーマー役を等身大に演じていました。にしてもこの当時から上手いです、初主演とは思えないですし、やはり才能があったんですね。そのホーマーの父親・ジョン役がベテラン、クリス・クーパー。同年公開された『アメリカンビューティー』でアカデミー賞助演男優賞を獲得していますから、むしろ知名度的には彼の方が当然上だったでしょう。

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この父と息子の間のぶつかり合いは単純にロケット製作の夢を叶えるという夢物語により深みと感動を与えていました。彼らが住むのはウェスト・ヴァージニア州の炭鉱町コールウッド。早い話が親子代々石炭を掘り続ける人たちが集まっているところで、ジョンは会社の責任者。兄はフットボールの名プレイヤーで高校卒業後は奨学金で大学に進むことが決まっているものの、これといった取り得もないホーマーは卒業後は炭鉱で働いてジョンのような人生を歩む…、若者なら誰でも抱くこの将来への不安と不満。ところがあることを境にホーマーは夢を見つけます。それがソ連の打ち上げた人工衛星スプートニク。夜空を横切る光点に心を奪われたホーマーは自分もロケットを打ち上げようと決めます。若者が夢を抱いた時の活き活きとした表情は傍で観ている私たちに自分が若かった頃の懐かしい感覚を思い起こさせてくれました。

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早速悪友2人と数学の天才だけれどもクラスの嫌われ者クエンティンを誘って行動を起すのでした。まあはっきり言って最初のうちは子供の遊びレベルで、ロケット花火の火薬を詰めすぎて庭の柵を爆破しちゃったり。でもロケットを飛ばそうと思ったら、子供なら普通に考え付く範囲のことですよね。(笑)飛ぶどころかひたすら爆発しまくって、やっと打ちあがったはいいけれど、炭鉱の工場にかっとんで行って大混乱を招いたりと中々上手く行きません。しかし4人で工夫しながら改良を重ねていくというこのシークエンスが私はとても気に入っています。成功するかしないかが問題ではなくて、友人たちと共通の目的に向かって悪さも含めていろんな活動をすること自体が素敵ですし、それを観ているのも実に楽しいのです。

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最初は誰も相手にしなかったものの、炭鉱の工場の人の協力や、学校のライリー先生などの協力もあってようやくまともに打ち上げられるようになるのですが好事魔多し。警察に山火事の原因をホーマーのロケットのせいにされ、かつ坑道の事故でジョンが暫く働けなくなってしまいます。大学進学が決まっているために、ホーマーは学校を辞めて一家のために炭鉱で働き始めるのでした。それでなくとも元々ロケットなんて夢にうつつを抜かしている息子が気に入らなかったのに、山火事まで起したとあってはジョンも苦々しいことこの上なかったのですが、ホーマーが働き始めると打って変わって実に嬉しそうな表情に…。親としては夢見がちな子供を現実に引き戻すのも仕事の一つだってなところなんでしょう。ステレオタイプではあるものの頑固オヤジ、それも相当な頑固親父です。

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クリス・クーパーのちょっと気難しい顔立ちはこの頑固オヤジにあまりにもピッタリ。最初に書いたとおりジェイクはまだあどけなさが残るぐらいですから、この2人の対立はまさに本当の父子の対立を思わせます。ひょんなことから山火事が自分たちのロケットのせいじゃないと証明することが出来たホーマーは復学し、悪友たちと共に自分たちのロケットで全米科学コンテストを目指すことになります。それは彼らの才能の芽を摘まないようにと、ライリー先生が提案したものでした。ココまで来るとロケットも相当に本格的なもので、噴射ノズルも複雑な計算に基づいて設計されています。でもそれを作る協力をしてくれたのは相変わらず工場の人たちだったりと、ロケットはもはや彼ら4人だけでなく、町の多くの人の夢を乗せる象徴になっているんですね。

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しかし唯一ジョンだけは相変わらずホーマーを無視し続けます。いや、もちろん心の中で彼らの活躍を喜んでいないはずがありません。しかし、炭鉱に人生を捧げてきた彼としては、息子に「炭鉱は僕の人生じゃない」と言われたことは少なからずショックだった訳で。自分の人生をも否定されたかのようなわだかまりもあったのかもしれません。結局全米科学コンテストで優勝したホーマーたち。自分たちの、町の人たちの協力で、自らの未来への扉をこじ開けた瞬間の歓びは強烈に私たちの心を打ちます。町での最後のロケット打ち上げの日、ギリギリになってホーマーたちの前にジョンは現れるのでした…。10月の空に飛び立つロケットを見つめるホーマー、ジョン、炭鉱で働く人々、リリー先生。アメリカらしい夢の実現物語は心地よい感動に包まれたラストでした。

個人的おススメ度4.0
今日の一言:昔ながらの青春ドラマっていいです
総合評価:75点

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『遠い空の向こうに』予告編

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