仁寺洞スキャンダル~神の手を持つ男~/인사동 스캔들
|
神の手をもっと見たかった |
あらすじ・作品情報へ
←みなさんの応援クリックに感謝デス

予告編を観た時から楽しみにしていた作品。そもそも美術関係の漫画は好きで、ちょっと前までなら小池一夫と叶精作の「オークションハウス」に夢中になり、今はスーパージャンプ連載中の愛英史と里美桂の「ゼロ THE MAN OF THE CREATION」は欠かさず読んでいます。私にとってはサブタイトルの“神の手を持つ男”と聞いた瞬間に思い浮かぶのはゼロなんですね。(漫画を読んでない方スイマセン。)…っと思ったら、予告編の最後に愛英史さんのコメントが出ていました。ともあれそのぐらい興味をそそられた作品だったということです。ただし、主人公イ・ガンジュンを演じるキム・レウォンに関しては例によって全く知りません。何でもかなり人気の韓流スターで、今は丁度兵役中なんだとか。


兵役前の最後の作品が本作で、それも相まって120万人動員の大ヒットとなったそうです。話の展開は中々凝ったものでした。日本の京都で朝鮮王朝期を代表する水墨画家・安堅(アンギョン)の幻の名画“碧眼図(ビョガンド)”が見つかり、仁寺洞を牛じるギャラリーのオーナー、ペ・テジン(オム・ジョンファ)がそれを30億ウォンで買い付けることに成功します。上手く修復して売れば400億ウォンになるこの絵の修復を依頼されたのが“神の手を持つ男”と呼ばれる天才修復士ガンジュンという訳。修復を成功させるには、絵の描き手になり切ることだという彼のスタンスは、前述したゼロのスタンスと全く同じで彼の設定はこの漫画をオマージュしたものかもしれません。


いずれにしても彼は仕事を引き受け、ギャラリーに専用の修復室を作り作業にはいるのでした。かかる時間は1年。そして、当然ここで映画的に色んな人間の思惑や動きが絡んでくるわけです。面白いのは、それが1年という長期のスパンにわたる計画になっているところ。一つ一つ表に表れる、即ちスクリーンに映し出される事象は、1年に渡って描かれていく大きな計略の中のパーツに過ぎないんですね。ですから、一見すると何してんの?なんてこともあったりします。例えばガンジュンが私設オークション会場に刑事に化けて乗り込んで行ったりするシーンなどは、彼が何を考えていてそれが読めないもどかしさと、この先の展開への期待が入り混じった不思議な気持ちになります。


ただ表面上の流れからすると、どうやらテジンは手に入れた碧眼図の本物を日本の黒田(白竜)に売るつもりらしい…。ちなみに白竜は日本人ですが、周りの人間は韓国人故に日本語でのセリフにハングルの字幕がつきます。しかし彼らの日本語が聞き取れないというのは頂けない…。あとどうせ彼らは真っ当に描くつもりなど無いのかもしれませんが、せめて隣の国なんですから、訳の解らない茶室の作りとかは止めて欲しかったなぁと。様々な点が徐々に線になって行くのは良いのですが、結局「碧眼図」を盗み出すのに壁を爆破するとかは、自分たちで言っていたようにアメリカン過ぎる嫌いがあります。というか「オーシャンズ」シリーズへのオマージュか何かでしょうか?


事ほど左様に、後半に向けて荒っぽくなっては行くのですが、実はこの一連の事態全てが文字通りガンジュンの書いた絵図通りだったと解った時は成る程納得という感じでした。ガンジュンの仲間たちも含め人間関係についていくのにちょっと苦労したのと、ガンジュンの神の手と呼ばれる技をもう少し観たかったという点はありましたが総じて観れば成る程こんな感じかなという出来栄え。個人的にはラストに彼らが歩いていたのが中国は北京の王府井だったところがおかしかったです。何故かって?北京でパチモン買おうと思ったら王府井ですもん。(笑)
個人的おススメ度3.0
今日の一言:オム・ジョンファよりホン・スヒョンが好みです。
総合評価:62点
↑いつも応援して頂き感謝です!
今後ともポチッとご協力頂けると嬉しいです♪
『仁寺洞スキャンダル~神の手を持つ男~』予告編
| 固定リンク
最近のコメント