華麗なるアリバイ
アガサ・クリスティの推理小説「ホロー荘の殺人」を映画化。フランスのとある田舎にある屋敷、そこであるひ一人の男が殺された。その時屋敷に滞在した9人の容疑者の男女たちの愛憎劇だ。監督は『ランジェ公爵夫人』のパスカル・ボニゼール。出演は『潜水服は蝶の夢を見る』のアンヌ・コンシニ、『プロヴァンスの贈りもの』のヴァレリア・ブルーニ・テデスキを始め、豪華な女優が名を連ねる。 >>公式サイト
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アガサ・クリスティ生誕120年と銘打たれたこの作品、原作は読んだことが無い私でも、その名前は当然知っています。しかし…まさか原作がそんなにつまらないはずがないでしょうし、これは多分この作品が失敗しているだけなんでしょう。観終わって「は?まさかこれだけ?」と愕然としてしまいました。本来であれば原作未読の分、結末を知らないのですから楽しめるハズが、犯人が解っても何の驚きも無い、むしろその人じゃないと考えるほうが難しくないかという代物です。予告編は何度もみて期待していたのですが、これは完全にきたいを裏切られることとなってしまいました。
フランスの片田舎にあるお屋敷、ここに上院議員のアンリ・パジェス(ピエール・アルディティ)とその妻エリアーヌ(ミュウ=ミュウ)が親しい友人7人を集めてパーティーを開いたのがそもそもの発端。この最初の部分、次々集まってくる人々が抱える個別の事情を考えながら、事件の起こるのを待つというワクワク感はあります。とりあえずこの内の誰かが殺されることで物語りはスタートするのですから。フランスの片田舎の風景、屋敷の中の調度品、これ見よがしに怪しげなプールなど、雰囲気を醸し出す条件はそろっていました。ただ、余りに人数が多いため、人の名前とそれぞれの関係を覚えるのは一苦労。
というか、とてもじゃないですがこのシーンだけでは覚えきれません。しかし重要なのは精神科医のピエール・コリエ(ランベール・ウィルソン)はココに登場するマルト(セリーヌ・サレット)を除く3人の若い女性たち、エステル・バシュマン(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)、エリアーヌ、レア・マントヴァニ(カテリーナ・ムリーノ)と何れも関係をもっている、あるいは持ったことがあるということ。ほら、書いてあるのを読んだだけでもう良く解らなくなってきませんか?(笑)要はピエール、こいつが素晴らしくオンナったらしだってことです。
で、殺されるのはこのピエールなんですね。当然ながらこの場合真っ先に疑われるのはピエールの妻クレール(アンヌ・コンシニ)。で、当然警察は調べるのだけどもそもそもこの8人の容疑者の中から犯人を見つけ出すことがそんなに大変なこととは到底思えないのです。随所に登場人物が怪しげな行動をとったりはします。エステルが銃をポケットに隠したり、フィリップ・レジェ(マチュー・ドゥミ)が酒で記憶が飛んで第二の殺人の時のアリバイが無かったり…。しかしながら根本手的にピエールを殺す動機がクレールにしかないのです。少なくとも観ている限りでは。
ピエールと関係があった女たちはむしろ彼を殺したくない動機ならある人たちばかりですし、ピエールに嫉妬する男どもも、彼を殺すほど思いつめているとは到底見えません。とりあえず、フィリップが途中から謎解きに走り、最終的には彼がそれを解くのですが、動き出すまでの準備段階ですでにあくびの嵐でした。俳優の演技云々を言う前に、ミステリー映画なのですからもう少し工夫を凝らした脚本を書いて欲しいものです。正直言って船越栄一郎の2時間ドラマの方が10倍面白いですから。これはとにかく一度原作を読んでみる必要がありそうですね。
個人的おススメ度
2.0
今日の一言:日本の2時間推理ドラマってよく出来てるよ
総合評価:43点

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» 華麗なるアリバイ [象のロケット]
フランスの小さな村ヴェトゥイユで暮らす上院議員アンリ・パジェスと妻のエリアーヌは、週末になると大邸宅で友人たちをもてなす。 しかし、この週末、館は緊張感に包まれていた。 精神分析医のピエールと彼の妻クレール、ピエールの現在の愛人や元愛人までもが、ディナーを共にすることになったのだ。 翌朝プールサイドでピエールの遺体が発見される…。 ミステリー。... [続きを読む]
受信: 2010年7月 2日 (金) 19時14分
» 華麗なるアリバイ [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HP]
アガサ・クリスティーらしい華麗なムードのミステリーだが、謎解きの快感やスリルより、犯罪の裏側にある複雑な愛憎劇が主流の物語だ。フランスの小さな村にある上院議員夫妻の邸宅に9人の男女が集まる。そのパーティには、何人もの女性と関係を持つ精神分析医のピエールと....... [続きを読む]
受信: 2010年7月22日 (木) 00時14分
» 華麗なるアリバイ [小泉寝具 ☆ Cosmic Thing]
フランス
ミステリー
監督:パスカル・ボニゼール
出演:ミュウ=ミュウ
ランベール・ウィルソン
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
ピエール・アルディティ
【物語】
上院議員のアンリとその妻は、週末には田舎にある屋敷に客たち....... [続きを読む]
受信: 2010年7月25日 (日) 14時10分
» 『華麗なるアリバイ』... ※ネタバレ含 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2007年:フランス映画、パスカル・ボニゼール監督、アガサ・クリスティー原作(『ホロー荘の殺人』)、ミュウ=ミュウ、ランベール・ウィルソン、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ出演。... [続きを読む]
受信: 2010年7月26日 (月) 01時32分
» 「華麗なるアリバイ」 [お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法]
2008年 フランス/配給:アルバトロス・フィルム原題:LE GRAND ALIBI監督:パスカル・ボニゼール 原作:アガサ・クリスティー「ホロー荘の殺人」脚本:パスカル・ボニゼール、ジェローム・ボジ... [続きを読む]
受信: 2010年7月30日 (金) 00時24分
» 華麗なるアリバイ [映画的・絵画的・音楽的]
あるフランス映画を見ようと思って出かけたところが、狙った時間帯には上映されていないことがわかり、それなら別のフランス映画を見ようということになって、『華麗なるアリバイ』を渋谷のル・シネマで見てきました。
(1)邦題を見て、この映画はいわゆる“アリバイ崩し”物かもしれないと思い、それも「華麗なる(grand)」というわけですから、ポアロ探偵も酷くてこずるのではと大層期待させます(アガサ・クリスティの原作によっていることが前もってわかりましたから)。
ですが、実はそんなことは全然ありません。まず... [続きを読む]
受信: 2010年8月 1日 (日) 06時18分
» 華麗なるアリバイ [Art-Millー2]
タイトルと物語とがどう結びつくのかよくわからない作品。
でも確かにゴージャス感はたっぷりである。
それがクリスティー。
アガサ・クリスティの世界は色彩鮮やかで、ファッショナブルで、そしてゴージャス。富裕層がわんさか出て来て、愛憎劇を繰り返す。生活に余裕があるんだから、そこまでガツガツ漁らなくてもいいのにと思うくらい、女アサリ、金アサリ、地位あさりなどなどととにかく浅ましい。これは持たざる者のひがみかとも思うが、金持ち人間の愛と欲望を題材にしたサスペンスがクリスティーの世界である。それを映画... [続きを読む]
受信: 2010年8月 2日 (月) 23時46分
» 『華麗なるアリバイ』(2007)/フランス [NiceOne!!]
原題:LEGRANDALIBI監督:パスカル・ボニゼール原作:アガサ・クリスティー出演:ミュウ=ミュウ、ランベール・ウィルソン、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ鑑賞劇場 : ル・シネマ公... [続きを読む]
受信: 2010年8月 9日 (月) 14時54分
» 華麗なるアリバイ [★試写会中毒★]
満 足 度:★★★★★★★☆☆☆
(★×10=満点)
東商ホールにて鑑賞
2010年07日17日 公開
監 督:パスカル・ボニゼール
キャスト:ミュウ=ミュウ
ランベール・ウィルソン
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ... [続きを読む]
受信: 2010年8月29日 (日) 21時48分
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今の子供はどうなっているかは知らないが、自分らの子供の頃はポプラ社のホームズや [続きを読む]
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今年は、アガサ・クリスティ生誕120年。ミステリーの女王といわれるクリスティの名著「ホロー荘の殺人」が原作を映画化。物語は男女9人が集まったパーティーで、容疑者全員にアリバイがある殺人事件が発生する。「美しき諍い女」、「ランジェ公爵夫人」などジャック・リヴェ...... [続きを読む]
受信: 2010年9月27日 (月) 22時29分
» 【華麗なるアリバイ】 [日々のつぶやき]
監督:パスカル・ボニゼール
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誰にも解けない、愛の謎
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受信: 2010年9月28日 (火) 11時41分
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豪華なメンバーの軽い一本・・・かな。 [続きを読む]
受信: 2010年10月19日 (火) 07時55分
» 『クレイジー・ハート』『華麗なるアリバイ』をギンレイホールで観て、酒を抜く男ふじき☆☆☆,☆ [ふじき78の死屍累々映画日記]
主人公が両方ともアル中の2本立てを
前日のアルコールを抜きながら。
◆『クレイジー・ハート』
五つ星評価で【☆☆☆ほっこり】
わたし、呉石はあと、少女歌手。
わたしに全てを教えて通り過ぎていったあいつを
前座に使ってやるまで、わたしの旅は...... [続きを読む]
受信: 2010年11月21日 (日) 01時00分
» 華麗なるアリバイ [ダイターンクラッシュ!!]
2011年1月8日(土) 19:35~ キネカ大森1 料金:0円(二本立ての二本目) パンフレット:未確認 アガサ・クリスティー 華麗なるアリバイ [DVD]出版社/メーカー: アルバトロスメディア: DVD 『華麗なるアリバイ』公式サイト アガサ・クリスティのポアロものが原作だそうだが、ポアロは出てこない。 何故かモテモテの精神科医の教授を巡る、中年の痴情もの。 アリバイを崩す謎解きがある訳でなく、自らゲロっている。 安っぽいサスペンス・ドラマののり。 お勧め度:☆☆ 華麗度:★ ... [続きを読む]
受信: 2011年1月 9日 (日) 04時45分
» 華麗なるアリバイ [いやいやえん]
アガサ・クリスティ原作の推理小説「ホロー荘の殺人」を映画化。ポアロものだがポアロは出てこない愛憎劇ですね。
ちょっと火サスみたいな感じです。男女9人の愛情や嫉妬、憎しみなどの感情が渦巻く心理劇。
題名からアリバイが重要視されているようにみえますが、全然そんなことはありませんでした^;
フランスの田舎で上院議員アンリの大邸宅。メンバーはアンリ夫妻の親戚や、精神分析医のピエールとその妻、彫刻家、作家、女優たち。それぞれが、親しい関係にある…というかピエールは節操がない医者で女に手が早い。それぞ... [続きを読む]
受信: 2011年1月26日 (水) 09時52分
» 映画「華麗なるアリバイ」 [Andre's Review]
le grand alibi フランス 2008 2010年7月公開 DVD鑑賞 このところ、「奥さまは名探偵」、「ゼロ時間の謎」とフレンチなアガサ・クリスティ映画が色々と作られていますよね。ミステリとしてはどうかな、と思うことも多いんですが、英国的な重厚さが抜けてどこかホンワカした感じになっているのが面白くて毎回楽しんで観てます。 舞台はフランスの田舎町。上院議員夫妻宅が親戚や親しい友人を招いてパーティを開く。ゲストの1人で医師のピエールは妻と共に招待されていたが、パーティには彫刻家をしている... [続きを読む]
受信: 2011年4月25日 (月) 22時20分
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