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2010年8月29日 (日)

10億/10억

Photo_2 優勝したら10億ウォン、そんなゲームに招待された8人の男女と狂気に取り付かれた主催者生きるか死ぬかのゲームが始まった…。監督は『強敵』のチョ・ミノ。出演に『殺人の追憶』のパク・ヘイル、『作戦 The Scam』のパク・ヒスン、『ロマンチック・アイランド』のイ・ミンギとシン・ミナといった人気俳優が揃う。オーストラリアの厳しい自然環境を映し出した映像にも注目だ。
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不確定要素が多すぎる死

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何だかどこかで観たようなプロットだ。10億ウォンの賞金が懸かったゲームに突如招待された8人の男女。エリート証券マンや元海兵隊員からピザの配達員、糖尿病の引き篭もりまで様々な経歴をもつ彼らが集合したのはオーストラリアだ。テレビ番組の企画だとばかり思い込んでいたが、そんな彼らに突きつけられた現実はあまりに過酷だった。1日1回ゲームをし、負けた1人は脱落していくのだが、最初に脱落したエリート証券マンは謎の死を遂げたのだ…。しかもその様子はインターネットテレビでネット配信されている。っと書くとさもミステリアスに聞こえるが、実は謎の死を演出されたのは最初の1人だけ。2人目はなんと参加者の目の前で、主催者自らが額をボウガンで撃ち抜くという超荒業で殺してしまうという乱暴さだ。

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もちろん脱落=死という設定は悪くないが、何も2人目という早い時点からメインキャラが殺す行為を見せるのが果たして効果的なのか。しかもそれが一貫して後まで続くならともかく、明確な殺意のある死を与えられたのはそこまで。次の犠牲者からはボートの転覆死だったり、砂漠で力尽きての死だったりと不確定要素が余りにも多い死に方で、そんな死に方では謎が深まるどころか白けてしまう。何より“殺される”という恐怖が感じられないのだ。更に最初と2回目こそゲームの形にはなっていたが、主催者が直接殺してしまったが故に、次からはいわゆるゲームでもなんでもなくなってしまった。これは要するに“抜けることが許されないサバイバルゲーム”に強制参加させられたと言うことなのかもしれないが…。

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ここでふと気付く。「抜けられない」「強制参加」「死のゲーム」、これは「ソウ」シリーズと要素としては全く同じだ。もちろん舞台が家や部屋でこそないものの、逃げられない陸の孤島にいるという意味では文字通り広い意味でのワンシチュエーションスリラーと言える。劇中序盤に、集められた8人の中で何かの共通点があるのではないかという意見が出るのだが、結果的にはその通りであり、更にその共通点が最後に明かされると言う部分まで含めてそっくり「ソウ」シリーズの焼き直しとなっている。いやそれがいけないと言うのではない。むしろ優れた作品に対するオマージュは必要だ。ただし人を計算尽くで死に追い込むならば、それこそジグソウレベルの人間の心の動きを完璧に読みきった深い洞察力が主催者側に必要である。

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そしてそれを観ている側にわかるように描き出す必要があるだろう。結局本作におけるゲームの主催者は根本的にその部分が欠けているのだ。主催者にあったのは洞察力というより物理的な監視カメラだった。森中に仕掛けられたカメラで彼らの動きを監視し、その先回りをする。なるほど設定としてはありそうだが、どうあがいても抜けられないほどの広さの陸の孤島全部をカメラで監視するなど現実には不可能だろう。従ってそこには、先程の死の要因と同じく不確定要素が余りにも多く存在してしまう。結局、この話の設定ではゲーム参加者が釈迦の掌の上で弄ばれているとは思えないのだ。だからせっかく時間をかけて1人また1人と脱落して死んでいく様子を見せているのに、緊迫感のカケラもないダラダラとした展開になってしまう。

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最終的なオチは書かないが、しかしそれは劇中でシン・ミナ扮する女性が言う通りどう見ても主催者の“逆恨み”でしかない。そのシーンを見せられても、これで恨みを買っていたら現代人などやってられないと感じる。いずれにしても、逆恨みなら逆恨みするだけの心の苦しみを劇中で描かなければ、見ているほうはどっちらけだ。それでなくてもダラダラな展開だったのだが、このオチで完全に止めを刺された。最終的に賞金を受け取った彼女はこれからどうするのだろうか。これだけの逆恨みの代償として10億ウォンは安すぎると思うのだが…。結局本作の最大の見所は若手人気俳優が沢山出ていると言うことと、それとオーストラリアの砂漠であったり森であったり海岸であったりといった雄大な景色に尽きる。

個人的おススメ度2.5
今日の一言:シン・ミナさんは相変わらず不思議な魅力だ…
総合評価:52点

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『10億/10억』予告編

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