特攻野郎Aチーム THE MOVIE

１９８０年代に大人気だった同名ドラマの映画版。元レンジャー部隊の４人“Ａチーム”が常識外れの大暴れをする痛快アクションムービーだ。出演は『９６時間』のリーアム・ニーソン、『ハングオーバー！』のブラッドリー・クーパー、『第９地区』のシャールト・コプリー、格闘家のクイントン・“ランペイジ”・ジャクソンら。監督は『フォース・カインド』の製作を務めたジョー・カーナハン。
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キャラの魅力とぶっ飛びアクション

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実にアメリカらしい痛快アクションエンタテインメントムービーでした。テレビドラマは当時深夜に放送していたのを覚えてはいるけれど、内容は殆ど覚えていないから、事実上映画は映画としてだけ純粋に楽しませてもらった感じ。とにかくＡチームの４人のやることといったら派手・破天荒・規格外。余りにバカバカし過ぎる行動に半ば呆れつつも、ここまでやってくれたら何も文句無しです。要は元レンジャー部隊のＡチームの４人が、とある作戦に失敗して軍法会議→投獄→脱獄→リベンジという流れ。もっとも伝説的とも言われるＡチームが失敗するにはそれ相当の理由があるわけで、一応は彼らに作戦を命じたモリソン将軍の裏切りということになっているけれど、実はアメリカ国内の政府組織をも関わっていたのでした。

オープニングはハンニバル（ジョン・スミス大佐：リーアム・ニーソン）、フェイス（ブラッドリー・クーパー）、Ｂ．Ａ．（クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン）、マードック（シャールト・コプリー）の４人がＡチームとなるまでの流れを駆け足で描いていますが、既にこの段階でそれぞれのキャラクターの個性をビシッと見せ付けてくれるのがありがたいところ。正直言ってこの４人の個性でこの作品はもってるようなものですから。（笑）百戦錬磨の戦略家・ハンニバルは常に何かをやってくれそうな雰囲気がプンプン。「作戦は奇をもってよしとすべし」という彼のモットーは本作のモットーでもあります。葉巻を咥えた笑顔のリーアム・ニーソンはこれがまた頼もしいやらカッコいいやら。この人は骨の髄からアクション俳優なんだなと思います。

Ａチーム随一の色男でネジの飛んだ切れっぷりを見せてくれるフェイスはチームのムードメーカー。めっちゃ逞しい肉体も披露しつつ、刑務所の中で何故か日焼けマシーンに入ったままそれごと脱獄させられたりと何故かお笑い担当でもあったり。まあブラッドリー・クーパーがコメディに合うのは『ハングオーバー！』で実証済みなんですけどね。怪力自慢のＢ．Ａ．は愛車を傷つけられると怒り狂うという案外マトモな？一面を見せてくれる。演じているクイントンは実は本物の総合格闘家。日本のＰＲＩＤＥにも参戦していたことがあるほどで、クライマックスでは実際にも彼が得意にしているボディスラムなんぞを披露してくれたり。刑務所で改心して人を殺さないと言い始めた姿は、『メジャーリーグ２』で闘争心を無くしたペドロ・セラノを思い出してしまった…。（解らないか…）

そして精神病院にいた狂人？変人？マードックは何でも運転できてしまうスーパーパイロット。この人は正真正銘ヤバイ。しかし何故かスワヒリ語がペラペラ？だったりともしかしたら天才なのかも。『第９地区』でエイリアンに変貌を遂げてしまうヴィカスと同じ人物とは思えないけれど、そもそもシャールト・コプリーって監督だったはずじゃ？監督としてより先に俳優としてメジャーになってますね。っとまあかくも魅力的かつ超一流のＡチームは、自身の汚名返上のために盗まれたドル紙幣の原盤奪還と、それを手引きしたと見られる民間人の傭兵パイクを捕えるために戦うのでした。しかし、今回はかなりの難敵で行く手を阻むのは国防犯罪調査局（国防総省）でフェイスの元恋人ソーサ大尉（ジェシカ・ビール）とＣＩＡのリンチ（パトリック・ウィルソン）。

要はこの三者が壮大なる原盤争奪戦を繰り広げるという訳。しかし！国防総省とＣＩＡをもってしても規格外のＡチームはとめられないというのが最高に面白く痛快！！そりゃそうだろう、撃墜された輸送機から戦車で飛び出し空を飛び、挙句に無人攻撃機２機を撃墜した上に無事着陸するなんて、もはや笑うしかないじゃないですか！ＬＡど真ん中のビルの窓ガラスをぶち破って突入するわ、ロープがあるとはいえ高層ビルの壁をすべるように降りていくわともう何でもアリ。クライマックスの壮大なシーンは、よくもまああんなこと考えるものです。一つ残念に思うのはこのクライマックスシーン以外のアクションシーンを予告編で見せ過ぎてしまったこと。というより、今回の予告編はラストの見所以外の殆どを見せてしまっているといっても良いのです。

もちろん、期待のシーンがいつ来るのかをワクワクして待つという楽しみ方はありますが、何も知らずに見せ付けられたほうが何倍もインパクトがあるのは言うまでも無いこと。ハッキリ言って本作の最大の魅力のその１はキャストの個性、そして次がぶっ飛んだアクションシーンで、ストーリーそのものは別にそう特筆したものがあるわけじゃありません。唯一の謎というか、事件の黒幕や全体像もあっさりオープンにされますし。だから後に何かが残るということもないでしょう。しかしながら見ているその時にコリャ楽しいと心浮き立つ作品なのは間違いないところ。続編を期待させるラストだったけれど、エンドロール後のあれは一体なんだったんだろう？ちょっと意味が解らなかった…。（後日追記：オリジナルのメンバーだったとは！ともやさんありがとう。）

個人的おススメ度3.5
今日の一言：続編作って欲しいなぁ…
総合評価：70点

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『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』予告編