ウルトラ I LOVE YOU!/All About Steve
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ラジー賞は話題性のためだよ! |
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「何となく、誰もこの映画をちゃんと見ていない気がするの。だって、本当にしっかりと見てくれていたら、私はここにいないはず。だから、皆さんに1枚ずつ『オール・アバウト・スティーブ』のDVDを差し上げます。必ずこれを見て、そして本当に最低の演技だったかどうか再考すると約束してくれたら、私は来年またここに来ます。そして、ラジー賞を返却するわ」
主演女優でありながら本作のプロデューサーも務めるサンドラ・ブロックが、堂々とラジー賞の会場に現れて本作のDVDを片手に言った台詞です。いかにも彼女らしくて最高にいかしてますよね。もちろん会場も大喝采!実際私がみてもラジー賞を取るほど最低の演技ではなく、むしろお茶目なサンドラがとってもキュートな一作でした。


今回サンドラ演じるメアリーははローカル新聞のクロスワードパズル作家。そんな職業あるのかというのが正直なところだけれど、当然誰かが考えなきゃ問題は出来ないわけで。しかもクロスワードパズルっていうのは、ヒントをみて関連する単語を予想するゲームだから、必然的に幅広い知識を持っている必要がある。それだけなら別に構わないのだけれど、その知識を常にマシンガントークで披露するクセがあるのが彼女の悪いところなのでした。悪気はないんだろうけど変な女、それがメアリーに対する第一印象で、どうもそれはスティーブ(ブラッドリー・クーパー)も同じだったらしい。親の紹介でデートすることになった2人だけれど、イケメンスティーブに一目惚れしたメアリーは、車に乗った瞬間彼を押し倒し…。


サンドラ・ブロック46歳、ブラッドリー・クーパー35歳。この年の差が妙にリアルでガツガツしているところが怖い!ちなみに本作の原題は「ALL ABOUT STEVE」というのですが、これはメアリーがクロスワードのヒントを全てスティーブに関連することにしてしまい、一般読者には何がなんだかサッパリ解らなかったという事件から来ています。事件で仕事をクビになったメアリーは、ローカルテレビ局のカメラマンとして取材旅行をしているスティーブをストーキング追いかけることに。お世辞にも歳に合っているとは言えない微妙なファッションと、スティーブから借りた傘をもって前進前進また前進する彼女は、かなり気持ち悪い存在。あまりに空気を読めないのか読まないのか、ひょっとして彼女はアスペルガー症候群だっていうオチか?なんて思ったりもした位です。


ちなみにスティーブを追いかけるメアリーを軸に作品をみると、ちょっとしたロードムービー風でもありました。追いかける先々で色んな人と会い事件を経験することで、とかくクロスワードパズルの世界=自分の知識の世界に閉じこもりがちだった彼女が少しづつ変わって行きます。さて、かくも猪突猛進なメアリーをこれまたスティーブの同僚ハートマン(トーマス・ヘイデン・チャーチ)がやたらと炊きつける焚きつける。余談ですがこの人、日本でリメイクされた『サイドウェイ』の4人組の男女のうちの一人ジャックを演じた人。ただしジャックのようにやたらと女好きではなく、今回は何故だかスティーブとメアリーのキューピット状態です。もっともスティーブにしてみたらいい迷惑ですが、観客にして観たら面白いのでもっとやれ!ってなもんなんですけど。


ところが、ラストに向かえば向かうほど彼の存在感は増してきて、最終的なとある事件では完全にブラッドリーとどっちがメインの脇役だかわからない状態に…。そのとある事件というのが、地下坑の表面が地崩れを起し、聾唖の子供たちがそこに落ちてしまったというもの。何故か自ら崩れた穴に落っこちるメアリー、メアリーを助けようと自ら飛び込むハートマン、かなり危機的な状況なのに緊迫感などこれっぽっちもなく、2人が落ちる瞬間のスティーブのリアクションなどこれまた大笑い。ですがここからはコメディというより、ちょっぴりジーンと心にくるシークエンスが用意されていました。結局彼女の知識で脱出するんですが、地上に飛び出てピョンピョン飛び跳ねながら心配する友人の下に駆け寄るメアリーがなんだかとても愛おしくて。客観的に観たらDVDスルーもやむなしだとは思いますが、サンドラ好きには十分楽しめる作品です。
個人的おススメ度3.5
今日の一言:自分の胸を触らせたサンドラにドキッ
総合評価:68点
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『ウルトラ I LOVE YOU!』予告編
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