劇場版 怪談レストラン
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闇のギャルソンと愉快なお化けたちがイイ |
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原作もアニメ版もそもそもその存在すら知しません。ならば何故鑑賞したのかといえば、たった一度観た予告編でお化けギャルソン始めとするシュールなアニメキャラクターたちに惹かれてしまったから。さらに言えば実写版になった闇のギャルソンを演じる白塗り七三分けの西村雅彦があまりにもハマっていてスルーするには惜し過ぎるキャラクターだったから。とはいえ、元々は児童小説。お話そのものは完全に子供向けで、実際私が鑑賞した際も平日夜18時台でお母さんと子供たちという家族が……3組ほど…。久々に劇場に上映をしてもらうのが申し訳ないほどガラガラ状態でした。それはさて置きこの作品、実に親切設計で、本編の事件の発端となる死神メールに関してアニメーションによるプロローグが別枠で用意してあります。


次々と失踪してしまう人々。その人々には死神からのメールが送られてきていた。「564219」(意味は考えてみて!)というメールが送られてくるのだけども、4回目に送られてくるとその場から忽然と姿を消してしまう。それを防ぐには3度目のメールまでに「967」と返信しなくてはいけない。要は口裂け女に対するポマード(他にも説はあるけど。)のようないわゆる都市伝説のような趣ですね。そしてどうやらこの死神メールには不気味な洋館「怪談レストラン」が関係しているらしい…。レストランの中に登場する闇のギャルソンが途中から西村雅彦演じる実写版闇のギャルソンに乗り変わっていよいよ本編スタートとなります。西村雅彦の台詞回しが醸し出す雰囲気が素晴らしく、お陰で全く無理なく実写版本編へと移行できるのがありがたいところ。


消えてしまった妹マイ(さくらまや)を探すハル(工藤綾乃)、同じく消えた親友リュウ(冨田佳輔)を探すことにしたカオル(森崎ウィン)、さらにはカオルを好きな女の子ジュン(剛力彩芽)の3人は怪談レストランへと向かうことにします。工藤綾乃は国民的美少女コンテストのグランプリだそうですが演技に関してはハッキリ言って下手くそ。というより若者&子役では森崎ウィンと冨田佳輔以外みな素人同然。しかしそもそもが子供向け映画だという前提で観ているとそれほど気にならないのと、むしろ下手くそさが子供っぽさに通じてしまうという逆接的な効果すら表れていたように思います。一応ハルは怪奇探偵ということらしいけれど、あんまりその設定は活きていませんでした。持っているスポーツバッグから繰り出すまるで役立たずの道具はそれはそれで観ていて面白いけど。


このあたりは原作やアニメを観ていたらもう少し楽しめたのかもしれないと思いました。死神メールで姿を消した人々が、実は死神にケータイで写真を撮られて、メールであの世に送られているというのはいかにも今っぽくて上手い設定です。いずれにしてもハルたちはあの世に送られてしまった妹やリュウたちを救うために自らもあの世へ向かうことにするのでした。実は本作で最も楽しいのはこのあの世のシークエンスだと思う。着いてすぐに妹は見つかるのだけれど、何故か市松人形のようになっていたり、怪談レストランで死神に捕まり一足先にあの世に送られていたジュンはペラペラの幽霊になっていたりと、要は死神にあの世に送られるとお化けに変わってしまうというのがミソ。一瞬にして伸びてくる髪の毛を切りながら話すマイは一々面白い。


あの世から脱出しようとするハルたちにアンガールズ扮する解剖模型やら占いガラス、長友光弘扮するのエンマ大王らが襲い掛かるシーンは余りに下らないのだけれど、観たそのままが笑えるネタはストレートに面白いのでした。もともとアンガールズはキモさが売りな訳で、お化け役に何の違和感もないというのがある意味凄いです。結局あの世は脱出するものの、死神の正体が判明し、さらにその裏に潜む化け物との戦いに発展、しかしそこは大味すぎてちょっと脱力。なるほどキャラクター勝負としては面白い作品なのだけれど、やっぱり話しそのものは子供向けすぎて個別の行動原理が極限まで単純化されているだけに、実写で表現するには圧倒的に情報量が足りなすぎる気がします。……っと、そんなところに突っ込むのは野暮なんでしょうね。
個人的おススメ度2.5
今日の一言:闇のギャルソン主人公でドラマが見たい
総合評価:56点
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『劇場版 怪談レストラン』予告編
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