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2010年8月19日 (木)

お姉ちゃん、弟といく

Photo_2 2008年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭でオフシアター部門審査員特別賞を受賞した42分の中編作品。監督は『ユリ子のアロマ』の吉田浩太。弟に惹かれて行く姉、その姉の事が好きな女友達、そこにある日弟が転がり込んできたせいで微妙なバランスが崩れ始める…。主演は『ユリ子のアロマ』の江口のりこ、共演に『無防備』の中村邦晃、『掌の小説』の菜葉菜。
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そこのけそこのけ変態が通る!

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姉と弟の禁断の愛?!っと簡単に言えるほど単純な物語ではなかった…。いやはや、相変わらずの寸止めエッチぶりが冴え渡る吉田監督の中編作品だ。江口のりこはここで吉田作品の主演をつとめ、それが『ユリ子のアロマ』へと続いていくという流れだ。それにしても倒錯的なエロというか、感情を映像化するのに長けた監督だと思う。主人公なお(江口のりこ)はジーンズが似合うスレンダーな女性でカラッとした性格。その同居人・沙希(菜葉菜)は反対に見るからに可愛らしい女の子。もうオープニングで2人を見た瞬間から沙希がなおのことを好きだというのは明らかで、ここに更に姉と妹の愛が加わったら、“禁断の愛”の二重奏じゃないか。それだけに期待に胸が膨らんでしまう。

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なおの誕生日、突然弟の康太郎(中村邦晃)が家出して彼女たちのアパートに転がり込んでくる。2人きりでなおの誕生日を祝えると思っていた沙希は不満顔だ。酔いつぶれて寝てしまった康太郎を居間に寝かせたその夜、物音で目覚めたなおが居間を覗くと、何と洗濯物で干してあった自分のパンツの匂いをかいで興奮しながら自慰をする弟の姿が目に飛び込んでくる。この時からなおの心に変化が現れるのだった。なおが家出をした理由を聞くと「どうしてもやらなければならないことがあったから。」という意味深な答え。ベタな表現をすれば「え?そんな!だめよ、あなたと私は姉と弟…」「いいじゃないかそれでも男と女には変わりないだろ。」ってなところだろう。

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この後3人で出かけるのだが、何故か先頭を行くなお、続いて沙希、最後尾が康太郎の順で歩いて行く。なおをみつめる4つの瞳とそれを意識するなおという妙なシチュエーションがこれから起こる展開の期待を煽るのだ。トイレでパンツを脱ぐともう既に濡れているのが解る。康太郎の鞄に隠しカメラを発見し、わざとその前で足を組み替えたり、広げたりする彼女はノーパンだ。そこには物語冒頭にいたカラッと男性的な彼女はもういなかった。いるのは禁断の愛に導かれ、弟を一人の男としてみるタダの女がいるだけだった。江口のりこはどちらかというと能面のような表情で演じ続けていて、それは実は彼女の持ち味でもあるのだけれど、この場合は自分の気持ちを沙希や康太郎に知られないように装っている表情として見事にはまっている。

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(ココから核心部分含む。)
さて、しかしこのままだと本当の意味でのタダの倒錯した愛情表現だけが突出した物語になってしまう。いや、それでも別に構わないのだが、吉田監督の脚本の上手さはここからだった。なおの態度に不審を抱いた沙希が、康太郎の鞄を奪って開けると中からパンツが…。逃げ出す康太郎、そして弟が好きであることを告白するなお。普通の三角関係でも修羅場だが、この場合は輪をかけての修羅場だ。観ている方としては野次馬根性丸出しでどうなるのかドキドキの展開。……と思ったら……やられた。康太郎が言う「やらなければいけないこと」それは沙希に告白することだったのだ!早い話、康太郎が好きなのは沙希だったのだ。これはもう大どんでん返し、完璧に裏をかかれた。

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確かに康太郎は一度だってなおが好きだとは言っていない。っていうか、そんなのは当たり前だ、姉弟なんだから。しかし見事なまでに自然にそれを覆い尽くす登場人物たちの自然な態度に完全に騙されてしまった。しかしこうなるとこっ恥ずかしいのはなおだ。「この変態が!変態!変態!」と泣きながら康太郎を蹴り飛ばすのだけど、冷静にみたらなおの方が変態な訳で…。ちなみに康太郎が隠し撮りしていたのは沙希の下半身だった。(といっても普通に歩いているだけだが。)それを見てしまった沙希がまるでなおがそうしたのと同じように「お前みたいな変態私が好きになるわけないだろっ!変態!」と康太郎を蹴りとばすのだが、女2人の破綻気味な理屈に見ているほうは苦笑いだ。

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何故なら隠し撮りが変態だというならそうかもしれないが、恋愛の形としては弟への愛や同性愛よりよっぽど普通なのだから。少なくとも康太郎が変態なら彼女たち2人も変態だ。(笑)で、文字通りそのまま変態街道まっしぐらなエンディングを迎えてしまうのは、どういうことなのか。そこだけはいま一つ理解しにくかったのだが、もともと康太郎にもその気はあったということなのか。

個人的おススメ度4.0
今日の一言:吉田監督のエロティシズムって好きだ
総合評価:79点

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『お姉ちゃん、弟といく』予告編

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