nude
惜しまれつつ引退した人気AV女優みひろの自伝小説「nude」の映画化。芸能界を夢見る少女が新潟から上京し、夢の為にAV出演するまでを描く。主演は『リアル鬼ごっこ2』、『アウトレイジ』の渡辺奈緒子。共演に『悪夢のエレベーター』の佐津川愛美、山本浩司、光石研。みひろ本人も事務所の先輩として出演している。監督は『童貞物語』の小沼雄一。過激なAVシーンに挑む渡辺の熱演に引き込まれる。 |
見えてこない真実のみひろ |
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惜しまれつつ引退した人気AV女優みひろが高校を卒業して上京し、芸能人になる夢を果たすためにヌードグラビア、そしてAV出演を決めるまでを描いた自伝映画です。元々同名の小説が原作とのことですが未読。渡辺奈緒子が主人公みひろこと山瀬ひろみ役を演じていますが、AV女優を扱う以上は当然そのシーンも避けては通れない訳で、その意味でも話題になっていました。個人的には今年公開された『リアル鬼ごっこ2』のヒロインの女の子としての認識が強かったので多少驚きはあったものの、胸を揉まれるシーンなど、かなり大胆なシーンに挑戦していたことは素直に評価できると思います。ここでお茶を濁してごまかすぐらいなら最初から作らない方がましですしね。
芸能人になりたい夢。素晴らしい夢です。しかしそれを叶える手段が何故ヌードグラビアであり、AV出演なのか。どうしてそこに行き着いてしまうのか。正直その部分をもっとキッチリ描いて欲しかったです。少なくとも劇中を観る限り、渋谷で待ち合わせしていた彼女は、スカウトされたくて自ら事務所の社長の前に通りかかって声をかけられようとしています。それは良いとしても、社長は最初に会ったときからAVの事務所だと言っている訳です。数多くの選択肢の中から選んだならともかく、一つ声をかけられたAV事務所に入ってしまう。しかもヌードグラビアですら最初からOKなのにAV出演はNGという契約。意味が解りません。そりゃ劇中のAVプロデューサーが中途半端だと言う訳です。
そこがキッチリ描かれない状態では、主人公みひろの生き方は到底理解はできないですし、はっきり言ってバカだなぁと思ってしまいます。あえて言いますが、今の日本では職業に貴賎はあります。そしてAV女優は賎とはいわないとしても決して褒められたものではありません。もしそうじゃないというのならば、自分の娘を率先してAV女優に出来るのか。愛する恋人や妻を喜んでAV女優に出来るのかということです。世の中に必要な職業であることは否定しないけれど。本人は「元AV女優と呼ばれるのは仕方ないと思ってる」と言っているようですが、本人は良くても周りは良くないと考える人の方が多いのは当たり前。自分が後悔しなければ良いなどというのは奢り以外のなにものでもありません。
という訳で、劇中のみひろが悩んだり葛藤したりする様子にはむしろ呆れるだけ。彼女の親友や恋人が、彼女に仕事を辞めるように促すも「好きでやっている」からと聞き入れません。結局人前で自分の裸身を晒して見てもらうことが好きと、そういうことなのでしょうか。だとしたらその時点で一般的な倫理観からずれてますね。親友が不特定多数の男とセックスをし、それを多くの人間に観られるという仕事を喜ぶならその時点で親友じゃないです。まして自分の恋人が自分以外の複数の男とセックスし、それを赤の他人に観られる事を喜べる男などいる訳がありません。彼ら親友や恋人の気持ち、特に彼氏のやりきれなさ、悲しさ、怒りの気持ちは非常に良く伝わってきます。
確かにAV女優になることは、地道に下積みをするより手っ取り早く名前も売れますけれど、一線を越えた時点で普通の芸能人として扱われることが無くなるというのが何故解らないのか。バラエティにドラマに、映画に活躍?類稀な演技力?それらの言葉の前には全て「AV女優としては」という枕詞が着いているのに。そしてそれはもう永久に消えません。少なくともこの作品からは、芸能人になりたいが為に誤った選択をした、そしてこれまでも数多いた勘違い女の一人としてのみひろしか見えませんでした。自伝を映画化する上で一番大切な部分が無い、その後の苦労話など多かれ少なかれ誰だってしているのですからどうでもいいんです。真実のみひろが何も見えてこない、単なるAV女優の自伝映画など別に見たくないのに。
個人的おススメ度2.5
今日の一言:渡辺奈緒子さんの熱演には頭が下がります。
総合評価:53点
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『nude』予告編
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