怪談新耳袋 怪奇
正直者はバカをみる |
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「怪談新耳袋」は初期のBS放送で観ていましたが劇場版は初鑑賞。残暑厳しき折には怪談で涼しくなろうなどという個人企画でしたが、シアターN渋谷の空調が効き過ぎで本気で寒いのには正直ちょっと参った!「ツキモノ」と「ノゾミ」という二部構成のオムニバス仕立てで両作品ともに主演を務めるのがハロプロの真野恵里菜。ハロプロが解らない方、要はアイドル集団だと思ってください。「怪談新耳袋」シリーズは日本各地から実話の怪談を集めてきてドラマ化したというのが売りで、ということは今回の「ツキモノ」と「ノゾミ」も当然どこかでこんな事件があったのでしょう。もっとも「ツキモノ」などは事件の大きさの割りに聞いたことも無いですが…。まずは「ツキモノ」から。結論から言うと恐ろしくツマラナイです。
主人公・あゆみが大学へ向かうバスに変な女性乗って来ます。俯いて顔が見えず長い黒髪にブツブツ何かをつぶやきながらしゃっくりを繰り返す…。ある意味このバスのシーンが一番怖かった。ジャパニーズホラーの定番として長い黒髪は必須要件ですね。あゆみが降りる間際に「大丈夫ですか?」と聞くと「背負えるのか?」と逆に問い返される…。ここから事件は始まるのでした。が、あゆみが授業を受けている時に堂々と登場し、教師を殺害してしまうあたりから意味不明モード突入です。いわゆる日本式の霊的な存在というより、むしろアメリカ式のフレディとかジェイソン的な存在なあ部分で先ず引いてしまいました。「見ざる、言わざる、聞かざる」とブツブツ言いながら、出会う人間の目を焼いてしまう…。
そりゃいいけれど「言わざる、聞かざる」はどこいっちゃったんだ?途中あゆみの友達に乗り移り次々人を殺していくけれど、ヤツの目的が何なのかサッパリ。そもそも何ものなのかも不明。人ならざる者に明確な説明を求めても仕方ないけれど、基本的にドラマですからそこは説明がないと意味が解りません。更にあまりにクリアなその顔面特殊メイク…。戦隊モノの悪役じゃないんだからもうちょっと頑張ろうよと励ましたくなるレベルです。しかも見せ方もモロって、人の心の虚を突く見せ方とかあるでしょうに本気で怖がらせる気があるのか…。最後はヤツに「偽善者」と言われてしまうあゆみだけれども、要は触らぬ神に祟りなし、正直者はバカを見るってことなのか。全く何が言いたいのか解らない作品でした。
で、お次が「ノゾミ」。こっちも何とか見られるストーリー。主人公はめぐみ。11歳の誕生日に母と妹とで出かけたキャンプで、妹が沼に落ちて溺死してしまうのだけれど、それで自分を責めているという設定。確かにホラーなんだけれど、人間ドラマの仕立てにもなっていました。彼女の目には赤いレインコートの妹・のぞみが現れるのだけど、そもそも6年前の出来事なのに何故に今更?まあそれでも「ツキモノ」よりましなのはめぐみが見ているモノの説明がきちんとあり、クライマックスまでに一通り筋の通った話にはなっている点。ただ、母親の同級生が霊能者だったってのはあまりにも都合よすぎじゃなかろうか…。挙句に、散々めぐみを悩ませていたのぞみの霊と思わしき存在が実は妹じゃなかったって…。そこまで前提としてきた部分を壊してしまうというのも疑問に思います。
結局ここでも、めぐみが優しいから、だから霊のほうもそういう人に寄って行くのだってことに結論付けられます。結局またしても正直者がバカをみたってことなのでしょうか。ラストシーン、ノゾミが無くなった沼に花束を浮かべると、それがスーッと動き沼に沈んで行きます。不思議な現象をみるめぐみと母は「やっぱりノゾミはいたんだ、ノゾミさようなら…」的な表情をしているのですが、ちょっと待て。それじゃノゾミは成仏してないってことじゃないですか…。結局両作品ともお手軽に作ったライトホラーならぬ手抜きホラーとでも言うべき作品。ちなみに真野恵里菜の演技はまさに素人レベルで、一本調子な悲鳴の上げ方にちょっとイラッっとしたり。まあ、彼女に多くを求めること自体無謀ですが。どうせ作るならまともな俳優ときちっとホラーが撮れる監督で作って欲しいものです。
個人的おススメ度2.0
今日の一言:所詮は低予算BSドラマレベルということか
総合評価:45点
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『怪談新耳袋 怪奇』予告編
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