コップ・アウト 刑事（デカ）した奴ら

ニューヨーク市警の２人のデカたちが停職中にも関わらず、事件に巻き込まれギャングと対決するハメになってしまうというアクションコメディだ。主演は「ダイ・ハード」シリーズのブルース・ウィリス、共演にコメディ俳優トレイシー・モーガン。監督は『ファンボーイズ』ほか俳優としても活躍しているケヴィン・スミスが務める。バディを組んだ２人のドタバタ劇が楽しい。
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先ず最初に。いくら内容がドタバタコメディとはいえ“刑事（デカ）した奴ら”は無いだろう。単なる駄洒落タイトル、つけた本人、或いはＯＫをだした人間はもう一度自分のセンスを疑ってみたほうが良いと思う。はっきり言ってありえない。この邦題で間違いなく「ＤＶＤでいいや。」と思った人間が結構いるはずです。そもそも東京のカルトムービーのメッカ・銀座シネパトスで上映、あとは殆ど全国的にも配給元のワーナーのお抱えシネコンでしか上映していないのだから、余計なことをせずとも誰も過度の期待なんか抱かないから…。という訳で、台風による豪雨で銀座の歩道が冠水しそうな中をわざわざ劇場に足を運ぶ私みたいな奇特な客の鑑賞意欲を奪うような邦題は厳に謹んで欲しい。

で作品。間抜けな邦題だけれどそこそこに面白いコメディ映画でした。興行収入的にも５千万ドルを越えていて製作費を考えたら十分にペイして余りあるし、ヒットと言ってもよいでしょう。コップアウトの原題通り、ニューヨーク市警を停職になってしまったジム（ブルース・ウィリス）とポール（トレイシー・モーガン）のコンビが事件に巻き込まれていくお話です。３０日間の無給停職を喰らったジムは、娘の結婚式の費用を給料で支払おうとしていたらしいがそれが出来なくなって真っ青に。そこで超レアモノのベースボールカードを売ることにするのだけれど、売りに行った店で強盗に遭い、カードを強奪されてしまうという物凄く強引な事件が事の発端です。

かくして停職中ということもあり、相棒ポールとカードを奪った強盗犯を追うことに…。それにしても取り返す対象がベースボールカードってところがこの作品全体のチープさを象徴しています。ちなみにジム曰くカードは最低８万ドルはするらしい。んでもって娘の結婚式の費用は４万８千ドル。ここで思ったのが、最初は給料で負担するつもりだったらしいけれど４万８千ドルって約４００万円ですよ？ニューヨーク市警の一刑事の月給が４００万円もあるはずないと思うのだけど…。コメディ俳優トレイシー・モーガンのお陰でネタ全開の作りなので細かいこと気にしても仕方ないのですけどね。ちなみにモーガン演じるポールは美人の奥さんがいるのだけれど浮気をしているのではと不安で仕方が無い。

ジムと二人で張り込み中にも携帯で電話をかけてばかりか「出ない！」と焦りまくるのだけれど、朝の３時とか４時に電話かけたら普通出ないし（苦笑）さて、結局ベースボールカードはギャングが持っていることが解り何とか取り戻そうとするも、別に事件に巻き込まれていってしまうというのが話の流れ。ラストのギャングとの対決シーンまでテンポ良く観られるし、ポールの軽妙なボケも楽しいのだけれど、いかんせんインパクトが薄いのは否めないのです。ブルース・ウィリスにしてからもいつもの毒は全く無く、むしろ真っ当な刑事役なんですね。人間的にも友達想いで、ポールが寝室に仕掛けた隠しカメラの映像を代わりに見て、浮気現場が映っていても「異状なし！」なんていってあげちゃう程。

良い人ブルースとボケまくりポールの会話劇は確かに楽しいけれど、後半に行くにつれて観ている側も慣れてきてしまう…。そうすると徐々にネタも滑り気味に聞こえてしまうんですね。とにかく一本調子でひたすらポールがボケてますから。もっとも劇中のジムですら呆れていたけれど…。最終的にこの作品、悪党は全面的に殺されますが、善き人間は誰も死にません。それどころか、ポールの奥さんの浮気疑惑も最終的には晴れるし、ジムは結婚式では娘をエスコートするし、でもお金は今の父親が負担するし、オマケに事件解決で表彰までされる。コレでもかというほどのスーパーハッピーエンドは、観ている分には非常に気分が良いのだけれど、多分１ヶ月後には内容の殆どを忘れているでしょう。

個人的おススメ度2.0
今日の一言：久々にブルースの顔がブルースっぽかった
総合評価：49点

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『コップ・アウト　刑事（デカ）した奴ら』予告編