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2010年10月 2日 (土)

美人図/미인도

Photo_2 18世紀末に実在した天才絵師シン・ユンボク、その代表作「美人図」を巡る愛の物語を官能的に描いた歴史ドラマ。ユンボクは女だったという大胆な仮説をもとに繰り広げられる愛憎劇は文字通りアーティスティックでエロティックだ。主演は『下流人生 ~愛こそすべて~』などのキム・ミンソン。共演にキム・ナムギル、キム・ヨンホ。監督は『食客』のチョン・ユンス。
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伝説の絵師が一女性になってしまった

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韓流の歴史モノは『霜花店 運命、その愛』以来の2本目。あの作品も大胆な濡れ場が話題になりましたが本作でも主演のキム・ミンソンが体を張った演技を見せてくれます。正にエロティックでアーティスティックな歴史絵巻でした。同じテーマを描いたテレビドラマ「風の絵師」と同様に今回も主人公ユンボクは女性だったという設定なのですが、本来男性であるものを女性と言う設定にすることにどういう意味があるのかはちょっと疑問。もちろん演出的な切り口としては面白いのかもしれませんが。韓国の歴史上において、女性絵師がどのぐらい異常なことなのかがいま一つ肌で感じ取ることが出来なかったのですが、映画としては男性として生きざるを得なかった彼女が女性としての幸せに目覚める過程に、絵師として彼女が描くテーマを重ね合わせて観ることが出来ると思います。

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事の起こりは兄シン・ユンボクの自殺から。子供の頃から天才的な絵の才能を発揮していたユンジュン(キム・ミンソン)は兄の代わりに絵を描いていたのだけれど、ある日お偉いさんたちの前で実際に絵を書くように言われたユンボクは何も出来ず失禁。父に大恥をかかせたこともあって自ら命を断ってしまうのでした。父はユンジュンに対して、これから先はユンボクとして生き、朝廷の名絵師キム・ホンド(キム・ヨンホ)に弟子入りし、やがては彼を超えるように命じます。幼くして兄の死、父の想いを背負わされた彼女の悲運のスタートと言えるでしょう。で、時代は一気に飛んで大人のユンボクが登場。もちろん男性として生きているのだけれど、これはまあどこからどう見ても女性ですよね…。美しくしなやかな指先、黒く大きく澄んだ瞳、ふっくらと丸みを帯びた女性的な顔立ち。

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これで女性だと気付かないならばむしろその方が問題かと。っとまあそこはぐっと飲み込んで観るしかありませんね。(笑)第二十二代王・正祖が庶民の生活を知るために、それを絵にするよう命じたことでユンボクは町にでて様々な様子を描き始めます。最初のうちこそ雑多な市井の様子を描いていた彼女に変化が訪れたのは鏡職人ガンム(キム・ナムギル)との出会いです。きっかけとなる事件はあるのですが、言ってみればいわゆる“運命の出会い”とでも言うんでしょうか。子供の頃から男性として生きてきた彼女の初恋、そう、ここで彼女は愛に目覚めます。ここから先彼女が書く絵は女性の裸であったり、僧侶と女のセックスシーンであったりと、いわゆる春画と呼ばれる傾向を強めていくのですが、彼女にしてみればそれは男女の愛の一つの形でしかなかったのでした。

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もちろんそこにどんな高尚な理由が存在しても、公式的な意味合いでは到底相応しいとは言えない訳で、師・ホンドや王からも叱責を受けます。ガンムに自分が女であることを知られてからの愛情の高まりは、本来彼女が描きたかった絵への想いと比例しているといえるでしょう。2人が倉庫でお互いを求め合うシーンは気持ちの高まりの頂点であり、2人が最も幸せだった時でした。話題のこのシーン、確かに過激と言えますけれど、『霜花店 運命、その愛』『渇き』など、韓流としてはこの程度は特筆するほどのものではありません。それでもキム・ミンソンのスレンダーなスタイルや小ぶりなバストにはそそられるものがありますが。彼女の明るく可愛らしい容姿からはあまり性的な連想をさせにくいだけにそのギャップに若干の戸惑いを覚えながらも、それがまた良かったりします。

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そして2人の情交をじっと物陰から見つめる師・ホンド。ユンボクの才能をこよなく愛していたが故に何があっても庇ってきたホンドですが、この瞬間から彼女の才能だけでなく、女としての彼女自身をも愛してしまう…。話としてはここから先は三角関係+1の愛憎劇に発展していきます。+1はホンドを愛する妓女のソルファ(チュ・ジャヒョン)。ただ確かにドラマとしては見応えアリなのですが、変にソルファが関わってくると、ホンドのユンボクの才能に対する愛よりも女としてのユンボクに対する愛が強く見えてしまい、単なる四角関係のドロドロ愛憎劇になってしまったように思えました。絵師である部分をもっと前面に押し立てた愛情表現は出来なかったものか…。個人的にはどのタイミングで「美人図」を出してくるのかが肝だと思い見守っていたのですが。

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つまり「美人図」自体に何らかの想いを乗せてユンボク自身の愛の表現とするのではないかと考えていたのです。単純にドラマとしてみるならばこれはこれで面白かったんですけどね。最後の最後にホンドが7歳の時のユンジュンに筆と画帳をあげるシーンが出てきます。もしかしてホンドは最初から彼女が女性だとうすうす気付いていたのかもしれません。しかし彼女が女を捨てているうちは、その才能のみを愛せば良かった。でも結局彼女自身を愛したせいで彼女の才能も彼女自身も失ってしまった訳ですが。ユンボクを女性の設定にしたが故に絵師としての生き方よりも、最終的には女としての生き方を描いた作品に代わってしまったようでちょっと残念な気がします。

個人的おススメ度3.0
今日の一言:個人的にはチュ・ジャヒョンがいいな。
総合評価:67点

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『美人図/미인도』予告編

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