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2010年10月17日 (日)

シネマ歌舞伎 大江戸りびんぐでっど

Photo 人気脚本家であり人気俳優であり人気映画監督でもある宮藤官九郎が演出をつとめた新作歌舞伎。2009年12月の歌舞伎座さよなら公演がシネマ歌舞伎として甦った。江戸時代に突如として現れた“ぞんび”たちが人材派遣会社に属して人間たちと仕事の奪い合いが発生してしまう。早々たる歌舞伎役者たちのコミカルなダンスシーンに注目。
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歌舞伎俳優の芝居は流石でした

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本作は「歌舞伎芝居の持つ本来の面白さ、美しさ、そして心を打つ感動の場面の数々を分かりやすく、身近に感じて頂けないかとの願いを込めて(公式サイトより)」作られたシネマ歌舞伎の第12弾。HDカメラで舞台芝居を撮影し、それを映画にして発表するという意味では「ゲキ×シネ」と同じ意味合いを持っています。とはいいつつも、今回は2009年12月に行われた「歌舞伎座さよなら公演」で発表された新作歌舞伎。しかも作・演出を宮藤官九郎が務めたということでの鑑賞。まあある意味これの企画者の意図にずっぽりと乗っかった訳です。とはいえ本格的な歌舞伎は1度しか観た事がない初心者の私にとっては、有名歌舞伎役者が沢山観られるだけでも儲けモノでしたが。

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ただどうしても頭によぎってしまうのは「ゲキ×シネ」。結論から言うとあそこまでの迫力や熱は今回は感じることが出来ませんでした。というか脚本自体も今ひとつでしたが。ただこれは多分に映画としての演出の問題もあるように思います。簡単に言えば、本作はあくまでも舞台芝居であり、それをテレビ中継したかのようでした。「ゲキ×シネ」の程までには一つのエンタテインメント作品としての完成度はなかったです。とはいえ、予告編で錚々たる歌舞伎役者たちが「りびんぐでっど いん えど~~♪」なんてふざけた歌にのってダンスしてる姿を見たら嫌でも興味をひかれるというもの。つまり、個人的にはこれだけの名優がコミカルな演技をどう見せてくれるかがポイントといえます。

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もっとも始った瞬間ビックリしたのは、いきなり市川染五郎と片岡亀蔵が被り物で登場してきたこと。うーん、私でも少々引き気味なのですから、実際に歌舞伎が好きな方はドン引きしたんじゃないでしょうか…。染五郎はテレビドラマでもお馴染みなだけに、ギリギリセーフ…いや微妙。で、要はその被り物はくさやの被り物で、秘伝のくさや汁につけると生き返るということを言いたいらしい。何のためにそんな振りが必要かと言えば、本作に登場する“ぞんび”の祖となる人間がそれで生き返っているから。“ぞんび”に噛まれたら“ぞんび”になるという約束はその通りで、やがて花のお江戸は“ぞんび”だらけになってしまう…。前半はその過程を見せられるのだけれども、コレが案外笑えない。

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笑えないと言うのはストーリーとして笑えない。一番期待してた“ぞんび”ダンスも思った程ではなかったのが残念でした。当然マイケルの「スリラー」のパクリなのはミエミエなんですが、こういうのはどうせやらせるならそれに迫るぐらいもっとキチッとやらせないと…。あと、それをどれだけしっかり撮影して編集するかなのですが、何だか引きの絵ばかり。予告編の短いシーンは良かったんですが。個々の俳優に関しては流石はプロ中のプロだけあって全く文句などつけようもなく素晴らしかったです。歌舞伎と言えば伝統的な堅苦しいイメージが強い私にしてみれば、坂東三津五郎のおちゃめな剣客・四十郎などはイメージとのギャップがとても楽しかったりするのです。

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後半はその“ぞんび”たちに襲われないで操る方法を見つけた半助が派遣会社を設立し、人間の職場を奪っていくことから争いが生じるという、派遣と正社員という社会問題を盛り込んだ内容に踏み込んでいきます。しかしながら、そうなると益々苦しくなっていくことに。前半で見えたおおよそ歌舞伎らしくない笑いは影を潜め、半助と中村勘三郎演じる新吉との諍いの話や、“ぞんび”の秘密が明らかになっていくのだけれど、それじゃそれがテーマの社会問題とどう繋がるのかと言えば別に繋がらなかったり…。結末に至っては何が言いたいのか良くわかりませんでした。結局この作品、シネマ歌舞伎ではありますが“歌舞伎”なんでしょうか?クドカンの舞台を歌舞伎俳優がやっただけじゃなくて?

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シネマ歌舞伎そのもののあり方も、少なくとも本作では疑問です。とにかく基本的にカメラの台数が少なすぎるように思うのは私だけでしょうか。舞台芝居の良さはそのままに、映像作品としての映画の良さをプラスしてあげるべきなのに、そういった部分が殆ど観られなかったのが残念です。

個人的おススメ度2.5
今日の一言:これで2000円は高過ぎる。
総合評価:55点

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『シネマ歌舞伎 大江戸りびんぐでっど』予告編

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