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2010年11月18日 (木)

行きずりの街

Photo 志水辰夫の同名ベストセラーを映画化。上京した教え子の行方が解らなくなり心配した塾講師が12年ぶりに東京に足を踏み入れ元妻と再会を果たす。そして男はかつて教鞭を振るった名門高校を巡るスキャンダルに巻き込まれるのだった…。主演はTVドラマ版『チーム・バチスタの栄光』の仲村トオル、共演に『のんちゃんのり弁』の小西真奈美。監督を『座頭市 THE LAST』の阪本順治が務める。
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郷里の丹波篠山で塾の講師をしている波多野和郎(仲村トオル)は、教え子の広瀬ゆかり(南沢奈央)が東京で消息が解らなくなっているのを心配し、12年ぶりに上京するのでした。どうもゆかりは何かの事件に巻き込まれて姿を消しているらしい…。ゆかりを捜し歩くうちに彼は12年前離婚した元妻・手塚雅子(小西真奈美)と再会します。何を隠そう雅子は和郎がもと教師をしていた敬愛女学園の生徒、つまり教師と生徒という禁断の恋愛だったのでした。スキャンダルとなった2人の結婚に疲れ果てた和郎は離婚して郷里に帰ったと言う訳。2人を糾弾した急先鋒だった池辺忠賢(石橋蓮司)は今では学園の理事。ゆかりの失踪はどうもこの池辺を中心とした敬愛女学園に渦巻く陰謀に巻き込まれたからのようだった…。っとまあ、話の流れを大まかに言うとこんなところです。

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和郎の12年越しの恋愛と、現在のゆかりの失踪、しかもそれも12年前の和郎の過去とつながる…何やら『瞳の奥の秘密』を思わせるようなラブストーリーと、ミステリーの並列した作品ですが、残念ながらどちらも中途半端。更に見せ方や衣装を含むしつらえにやけに古臭さが目立ちます。と思ったら原作は18年前なんですね。未読なので比べることは出来ませんが、やけにあっさりとよりを戻す安い恋愛に、何の驚きもないミステリーではオスカー外国語映画賞作品と比べること自体間違いか…。そもそも話の中心軸をどちらに置いたら良いのでしょうか。失踪したゆかりを捜しに上京してきたことを考えると、あくまでミステリーがベースのはず。実際問題登場人物も雅子も含めて事件にまつわる人物なのですから。ところがとうしても雅子と和郎を重く描くと他がお留守になる。

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現在の敬愛女学園の情報をは木村美紀(佐藤江梨子)から、ゆかりの失踪に関する情報は元ルームメイトの藤本江理(谷村美月)から、池辺に関する情報は退職した元同僚の園部(杉本哲太)から。ゆかりの失踪の鍵を握る中込(窪塚洋介)と池辺を例外として、それぞれ必要な情報をもたらすためだけの存在でしかありません。和郎は彼らのところをまるでドラクエかFFで話を先に進めるかのように情報を得て回ります。確かに集めた情報で事件の全容は見えてきますが、それぞれ何の障害も無く会っては話を聞きの繰り返しではあまりにレールの上を走りすぎ。せっかく素晴らしい俳優がキャスティングされているのですから、彼らがもっと事件に関わってこなければ勿体無さすぎというモノです。とはいえこの喰い散らかし状態は和郎と雅子の恋愛面でもそうでした。

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母・映子(江波杏子)や、現在つきあっている神山(ARATA)にも1シーンでお役ご免。ハッキリ言って神山など後半では既に和郎に心が戻っている雅子に電話にすら出てもらえません。それどころか名前すら口にしてもらえない…。ともあれゆかり捜しの過程で雅子に再会した和郎、早い話が2人とも別れてもお互いに愛し合っていたということで、あっという間に元ザヤに…。うーん、12年は一体何だったのか。いくらなんでもお手軽すぎる展開です。和郎が集めた情報によるとゆかりはとある男と一緒に住んでいたらしく、その男が事件の鍵を握っているらしい。でその男は敬愛女学園に経理担当として勤務していたというのです。あっさりと因縁の男池辺と結びつく事件。あとはクリア目指して一直線。ピンチに陥ってもレールの上に乗っかっているから何も心配なし。何とも薄い…。

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本来、中込などは最初に登場したときに一瞬刑事かと思わせる行動をとっているのですから、もう少し謎の行動で和郎を翻弄するなりして欲しかったところ。もっとも窪塚洋介の演技は相変わらず個性派路線まっしぐらで、どんな役でもエキセントリックなキャラクターになってしまう嫌いはあるものの、今回はそれもOKでした。さて、結局どういうことかといえば、ゆかりと住んでいた男、池辺がらみのとある事件の証拠を握っているために、本人はもとよりゆかりまでもが狙われたということなのでした。大人の男性を本気で愛したゆかりに、12年前自分の事を愛してくれた雅子を重ね、あの時スキャンダルから守れなかった代わりに今ゆかりを守る。ラストこそ綺麗にまとまった感がありますが、もうちょっと過程を大切にしないと和郎の独りよがりに見えてしまいます。

個人的おススメ度2.5
今日の一言:相変わらず下手くそな南沢奈央
総合評価:53点

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『行きずりの街』予告編

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□作品オフィシャルサイト 「行きずりの街」□監督 阪本順治□脚本 丸山昇一□原作 志水辰夫 □キャスト 仲村トオル、小西真奈美、南沢奈央、窪塚洋介、菅田俊、佐藤江梨子、谷村美月、杉本哲太、ARATA、石橋蓮司、江波杏子■鑑賞日 11月22日(月)■劇場 チネグランデ■cyazの満足度 ★★★(5★満点、☆は0.5)<感想>□作品オフィシャルサイト 「行きずりの街」□監督 阪本順治□脚本 丸山昇一□原作 志水辰夫 □キャスト 仲村トオル、小西真奈美、南沢奈央、窪塚洋介、菅田俊、佐藤... [続きを読む]

受信: 2010年11月29日 (月) 08時16分

» 行きずりの街 STRANGER IN THE CITY [『映画評価”お前、僕に釣られてみる?”』七海見理オフィシャルブログ Powered by Ameba]
出逢ったのは、絶望か、愛か。 消えた少女。人生を狂わせた場所。12年の空白。 決着をつける。すべてを取り戻すために。 1992年度の「このミステリーがすごい!」で第1位に選出され、2000年にテレビドラマ化もされた志水辰... [続きを読む]

受信: 2010年12月 1日 (水) 01時29分

» 行きずりの街 [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
1992年に「このミステリーがすごい!」で1位を獲得し、映像化が望まれていた志水辰夫のサスペンスを映画化。失踪した教え子を追って東京にやって来た塾講師の男が、かつて教鞭をとっ ... [続きを読む]

受信: 2010年12月 1日 (水) 16時58分

» 映画『行きずりの街』を観て [KINTYRE’SDIARY]
10-73.行きずりの街■配給:東映■製作年・国:2010年、日本■上映時間:101分■鑑賞日:11月20日、バルト9(新宿三丁目)■入場料:1,800円スタッフ・キャスト(役... [続きを読む]

受信: 2010年12月 5日 (日) 21時38分

» 行きずりの街 [映画的・絵画的・音楽的]
 『行きずリの街』を丸の内TOEIで見てきました。 (1)この映画を制作した阪本順治監督については、佐藤浩市が出演... [続きを読む]

受信: 2010年12月 8日 (水) 05時47分

» 行きずりの街@恋愛ミステリー [*HappyDiary*ココロノハナ]
只今、公開中の映画。下書きのまま忘れていたのですが11月20日から上映されています。志水辰夫氏の小説が原作の映画『行きずりの街』数年前にTVドラマ化もしていました。小説は読ん ... [続きを読む]

受信: 2010年12月21日 (火) 00時30分

» 行きずりの街 [to Heart]
上映時間 123分 原作 志水辰夫 監督 阪本順治 出演 仲村トオル/小西真奈美/南沢奈央/窪塚洋介/菅田俊/佐藤江梨子/谷村美月/杉本哲太/ARATA/石橋蓮司/江波杏子 1992年に「このミステリーがすごい!」で1位を獲得し、映像化が望まれていた志水...... [続きを読む]

受信: 2011年1月 7日 (金) 00時13分

» 映画評「行きずりの街」 [プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]]
☆☆★(5点/10点満点中) 2010年日本映画 監督・阪本順治 ネタバレあり [続きを読む]

受信: 2012年7月 4日 (水) 10時24分

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