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2010年11月19日 (金)

ゲゲゲの女房

Photo 「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる漫画家・水木しげるの妻、布枝夫人の同名の自伝を、NHKの朝の連続ドラマに続いて今度は映画化。お見合い後僅か5日後に結婚し、漫画が売れ始めるまでの極貧生活を描いている。主人公・布枝夫人を演じるのは『さらば愛しの大統領』の吹石一恵。水木しげるは監督・脚本家でも活躍する宮藤官九郎が演じる。監督は『私は猫ストーカー』の鈴木卓爾。
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映画には向いていないのかも

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わが街・調布市は水木しげる先生が住んでいるだけあってNHKの「ゲゲゲの女房」ではそりゃもう大盛り上がり!という程でもなかったり…。しかしドラマの方は大ヒットで、何やら国民的ブームになっていたようです。ようですというのは、私はドラマを一度も見たことがないので正確には解らないということ。むろん原作も未読です。ただ一つ言えるのはどう考えたって格好良すぎる向井理の水木しげるより、宮藤官九郎の水木しげるのほうがソックリだということ。実際若い頃の写真をみると良く似ています。といいつつも主人公はそちらではなくあくまでも布枝婦人の方。これはドラマの松下奈緒も映画の吹石一恵も甲乙つけがたいところではありますが、個人的に儚げな美貌が好みということで吹石一恵に軍配を上げさせてもらいます。

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さて、お話は至極簡単。時は昭和36年、出雲の安来に育った布枝は東京の売れない漫画家・武良茂(水木しげるの本名)とお見合い後僅か5日で結婚します。幸せな新婚生活……どころか漫画はさっぱり売れず、宛てにしていた軍人恩給は茂の母が受け取っている始末。で、最終的に週刊少年マガジンに執筆が決まり茂が漫画家として売れ始めるまでの超極貧生活時代を描いたのが本作でした。で、それはすぐ解るのだけれど、どうも物語の細部の描写が甘い気がします。例えば5日後に結婚したというけれど、別に見合いの様子が描かれるわけでもなくいきなり結婚写真の撮影風景。いくら当時とはいえ見合い後5日と言うのは異常な訳で、だからこそキャッチフレーズにまで使われているはずなのに、そこはさらっと触れずに流すのはいかがなものか。

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そしてここから漫画が売れ始めるまで物語の根底にあるのは茂の言うこの言葉が全てでした。「貧乏は全然平気です。命までは取られませんけ。」この言葉に沿って布枝が極貧の中でも工夫して食べ物を調達したり、出版社に原稿を届けたりする様子が描かれます。昭和30年代のボロい一軒家、服装や自転車、掛け時計、ちゃぶ台、タンスといった美術系はとても良く再現されていましたし、何より宮藤官九郎と吹石一恵が案外良く当時の雰囲気に馴染んでいます。街の様子でいうと、ちょっと嬉しかったのは一応舞台が調布市ということで、ちゃんと地元が使われていたこと。例えば布枝が始めて原稿を出版社に届けるために自転車を引っ張って歩いていくシーンは調布駅前のものです。奥に見える白い大きなビルは調布パルコだったり。(笑)

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極貧生活の中、耐えに耐えて時々は爆発する布枝。観ていてそれはもう同情を禁じ得ません。むしろ布枝の姉・初枝(坂井真紀)の方は割りと裕福な生活を送っているだけに、妹が不憫で仕方が無い。しかしこれが不思議なもので、外からでは窺い知れないのが夫婦の間の気持ちで、真っ黒になったバナナを食べて美味しい!と喜んだり、お金が入ったら中村屋のチキンカレーを食べようと言い合ったりする、そんな時の2人の様子はとても幸せそうで観ているコチラの気持ちも和らぎます。そうは言っても相変わらずサッパリ売れない漫画、子供が産まれて益々貧乏に拍車がかかるのに、茂は苦手な仕事は、というより妖怪を描かせてもらえない仕事は原稿料が良くても断る始末。余りに収入が少ないため、申告が少なすぎると税務署が調べに来るという笑えないエピソードまであったり。

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っとまあ、こんな感じで夫妻の生活が描かれる中で時折挿入されるのが妖怪らしき存在。それはぬらりひょんだったり、小豆洗いだったり、南方の妖怪だったり、砂かけ婆のようだったり…。「誰も妖怪に見向きもせんなら、わしゃ妖怪と心中するけん。」そういう茂と布枝を妖怪たちが見守っている構図。明確にどういう意図があるのかは解りませんが、やたらと暗めな画面とこの妖怪で水木しげるワールドを表現しているのかもしれません。これは好みが分かれそうですけどね…。途中こうした妖怪以外に他にも茂の描いた漫画が線画アニメーションとなって動き出したりします。鬼太郎がのそりのそりと動き始め、目玉親父の誕生シーンまで披露してくれるのですが、これらは全て水木してるの作風と本作を重ねるための雰囲気を作る演出として、妖怪たちとワンセットで観るべきなのかもしれません。

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正直言って日常の生活を描いただけなんで、これを細かく丁寧に描写し始めるとやはり連続ドラマには敵わないと思います。観ているとどうしても「あぁ、あそこがもうちょっと詳しく観たいなぁ」と感じてしまう部分が多々ありました。個人的に作品のもつ優しい空気感や、登場人物たちは気に入っていますが、要はこの原作が映画には向かないということなのでしょう。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:地元映画だもの、おまけしちゃう♪
総合評価:68点

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『ゲゲゲの女房』予告編

目玉おやじ生誕の瞬間!

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受信: 2010年11月21日 (日) 22時55分

» ゲゲゲの女房 [象のロケット]
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受信: 2010年11月22日 (月) 01時10分

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受信: 2010年11月24日 (水) 15時13分

» ゲゲゲの女房 [シネマDVD・映画情報館]
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「ゲゲゲの女房」★★★ 吹石一恵、宮藤官九郎 出演 鈴木卓爾 監督、119分 、2010年11月20日順次公開、2010,日本,ファントムフィルム (原作:原題:ゲゲゲの女房)                     →  ★映画のブログ★                      どんなブログが人気なのか知りたい← 「今年の流行語大賞にもなったゲゲゲの映画版、 朝ドラを録画して見ていたので この映画に描かれていた部分で 何の映画的な見せ方というか 違いが感じられず、そのことに驚いた ... [続きを読む]

受信: 2010年12月20日 (月) 07時38分

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受信: 2010年12月28日 (火) 09時36分

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受信: 2011年1月 1日 (土) 00時22分

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 この映画はあらゆる意味で不利だ。 NHK朝の連続ドラマと同時に企画がスタートし [続きを読む]

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『ゲゲゲの鬼太郎』などの漫画家、水木しげるの妻による同名自伝エッセイを「私は猫ストーカー」の鈴木卓爾監督が映画化。昭和の貧しい時代に逞しく生きた夫婦の半生を綴る。出演 ... [続きを読む]

受信: 2011年1月14日 (金) 15時17分

» 映画『ゲゲゲの女房』 | 評価="ゲゲゲ"とまでは言わないが、"チュゲゲ"くらい。 [23:30の雑記帳]
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受信: 2011年1月25日 (火) 23時33分

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ゲゲゲの女房 [DVD](2011/04/27)吹石一恵/宮藤官九郎商品詳細を見る<<ストーリー>> 水木しげるの妻・武良布枝の自伝エッセイを、吹石一恵と宮藤官九郎共演で映画化。 昭和36年、お見合いから5日で結婚し...... [続きを読む]

受信: 2011年6月22日 (水) 02時09分

» ゲゲゲが踊る夏 [Akira's VOICE]
「映画 ゲゲゲの女房」 「君が踊る,夏」  [続きを読む]

受信: 2011年7月21日 (木) 10時44分

» 映画評「ゲゲゲの女房」 [プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]]
☆☆☆(6点/10点満点中) 2010年日本映画 監督・鈴木卓爾 ネタバレあり [続きを読む]

受信: 2011年11月17日 (木) 13時40分

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