« ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 | トップページ | 黒く濁る村/이끼 »

2010年11月21日 (日)

ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人

Photo_2 コレクションのルールは2つ「自分たちの収入で買える値段であること」「小さなアパートに収まるサイズであること」。大好きな現代アートをコツコツ買い集め、気がついたらその道の大家になってしまっていたハーブ&ドロシー夫妻。本作は彼らとアーティストやアートに関わる人々の温かい交流に密着したドキュメンタリーだ。監督はニューヨーク在住でこれがデビュー作となる佐々木芽生。
>>公式サイト

流石のハーブもPCは興味なし?!

book あらすじ・作品情報へ book

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへみなさんの応援クリックに感謝デスsunshine

01_2

シアターイメージフォーラムの13時の回、15分ほど前に到着してみると黒山の人だかり。一体何事かと思いつつチケットを購入しようとすると何と既に立ち見だというではないですか。立ち見で映画鑑賞なんて何十年ぶりだろう20年以上記憶にない…。で、観終わって次のスケジュールが詰まっていたのでそそくさと劇場を後にする。確かに良い作品だけど、人が溢れるほどか?と思っていたら何のことはない、後でネットを調べていたら監督の佐々木芽生さんの舞台挨拶があったというじゃないですか!監督すいません。気付かずにスルーして帰ってしまいました…。久々の立ち見と同時に久々の不覚、普段ニューヨーク在住の監督のお話などそうは聞けるものではないのに。

02_2 03_2

さて、私は現代アートへの造詣は全くありませんし、興味もありません。従ってハーブ&ドロシー夫妻が現代アートのコレクションに賭ける情熱や想いは、いわゆる一般的なコレクターの心理という意味でしか理解出来ていないでしょう。しかし本作を観ていると、別にそれでも構わないのではないかと思えます。ご主人がハーバート・ヴォーゲル、ご夫人がドロシー・ヴォーゲル、生粋のニューヨーカーであるこの2人は1922年と1935年生まれで現在88歳と75歳。ハーブは高校を中退した後、郵便局員として働きながら独学で美術を学び、ドロシーは大学院卒業後、ブルックリン公立図書館の司書として働きはじめます。つまり、簡単に言えば2人とも特別アーティスティックな才能を磨く環境で育ってきた訳ではないということです。

04_2 05_2

これに関して登場するアーティストの1人ローレンス・ウィナーは「2人には審美眼があったんだ。それは訓練でどうにかなるもんじゃない。」そう語っていますが、それは正鵠を射ていたのです。2人がコレクションするルールはたったの2つ。「自分たちの収入で買える値段であること」、「小さなアパートに収まるサイズであること」これだけで、後は作品に込められた想いとかは関係ないのだそう。見た目重視なのだと言っていましたが、ごめんなさい、審美眼のない私には彼らが素晴らしいという作品のどこが良いのかサッパリでした。(笑)それにしても若い頃はともかく、このお年でなんと元気なことか。そしてとても仲が良い。どこへ行くにも2人揃って手を繋ぎ、一心不乱に現代アートをを観て回る。ドロシーの給料を生活費に、ハーブの給料は全てアートにつぎ込んだそうです。

06_2 07_2

そうして買いに買ったりその数4700点余り。後にアメリカ国立美術館ナショナルギャラリーが作品保護の観点から引取りを申し出た際に、何と1LDKのアパートにも関わらず引越し用トラック5台分にもなったというのですから、その数がどれほどのものなのかが解ろうというものですね。印象的だったのが、夫妻に作品を購入してもらったアーティストたちは一様に2人を人間的に気に入っているということ。画廊とアーティストと言った、ある種ビジネスで結ばれた関係ではなく、本当の意味で心から自分のアートを理解してくれる人とアーティストという稀有な関係が築けているからこそ、そこには人間的な温かみが感じられるのです。もっともそのせいでアーティストから直接作品を買われてしまう画廊は「正直面白くなかった。」と語っていましたが。(苦笑)

08_2 09_2

そのアーティストの作品を観る時、過去から現在に至る全ての作品を観たがるハーブ。細かい部分にまで立ち入って質問の鬼と化するドロシー。でもそうしている時が2人にとって至福の時間なのだろうなと、観ていれば自然に伝わってきます。既に現代アート界では生ける伝説と化しているハーブ&ドロシー。コレクション展も何度も開かれてはいますが、だからと言って彼ら自身は全く変わるところがありません。今日も2人でトコトコと出かけるのですが、向かった先はいつもと違ってPCショップ。前々からの懸案だったパソコンを買いに来たのです。ノートPCを見ながらいつものように質問魔となっているドロシーをよそ目に、すっかり飽きてベンチに腰を下ろしているハーブは日本でも良く見かける買い物途中のお父さんのよう。流石のハーブもパソコンには興味がなかったようで…(笑)

個人的おススメ度3.5
今日の一言:いつまでもお元気でいて欲しい!
総合評価:70点

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ
↑いつも応援して頂き感謝です!
今後ともポチッとご協力頂けると嬉しいです♪

『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』予告編

|

« ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 | トップページ | 黒く濁る村/이끼 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/197507/37686028

この記事へのトラックバック一覧です: ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人:

» 映画:ハーブ&ドロシー Herb and Dorothy 「プロ」と「アマチュア」の際(キワ)が溶けていく境地 [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
概要をぱっと聞いただけで、「これは絶対みたい」と思っていた映画。 それは、なんとも粋なニューヨーカーの話。 “Herb and Dorothy”とは、ヴォーゲル(Vogel)夫妻(写真)のこと。 夫ハーバート・ヴォーゲル(Herbert Vogel)と妻ドロシー・ヴォーゲル(Dor...... [続きを読む]

受信: 2010年11月21日 (日) 16時17分

» 『ハーブ&ドロシー』(2008)/アメリカ [NiceOne!!]
原題:HERB&DOROTHY監督:佐々木芽生出演:クリスト&ジャンヌ=クロード、リチャード・タトル、チャック・クロース、ロバート・マンゴールド鑑賞劇場 : シアターイメージフォーラム... [続きを読む]

受信: 2010年11月28日 (日) 21時47分

» *『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』* ※ネタバレ有 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2008年:アメリカ映画、佐々木芽生監督、クリスト&ジャンヌ=クロード、リチャード・タトル、チャック・クロース、ロバート・マンゴールド出演。 [続きを読む]

受信: 2010年12月12日 (日) 16時24分

» http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post.html [大江戸時夫の東京温度]
[続きを読む]

受信: 2010年12月12日 (日) 21時14分

» 映画:ハーブ&ドロシー初日に行ってみたら....  [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
概要をぱっと聞いただけで、「これは絶対みたい」と思っていたドキュメンタリー映画「ハーブ&ドロシー」 それは、なんとも粋なニューヨーカーの話。 ブログアップしたように、昨日はサッカーに行ったのだけれど、その前にここに行っていた。 (公開初日...... [続きを読む]

受信: 2010年12月13日 (月) 18時56分

» ハーブ&ドロシー  アートの森の小さな巨人 [映画の話でコーヒーブレイク]
先週横浜ジャック&ベティで見た本作。 今朝(1月13日)のNHKニュース「おはよう日本」で紹介されました。 昨年12月、マイミクさんが渋谷イメージフォーラムに2回行って2回とも満席で断念と 書いておられたのを見てすごい人気であることを知り私も断念。 年明け...... [続きを読む]

受信: 2011年1月15日 (土) 00時32分

» 『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』 [シネマな時間に考察を。]
2人の部屋にひしめくアートたちは、世界一の幸せ者だ。 まるで親の愛情をたっぷり受けて育った幸福な子供たちのように。 『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』 HERB DOROTHY 2008年/アメリカ/87min 監督・プロデューサー:佐々木芽生 出演:ハーバー... [続きを読む]

受信: 2011年1月27日 (木) 11時47分

» 「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」 [みんなシネマいいのに!]
 普通、美術品のコレクターというと、「エロイカより愛をこめて」のドリアン・レッド [続きを読む]

受信: 2011年1月30日 (日) 08時27分

» ハーブ&ドロシー [迷宮映画館]
実に面白かった。 [続きを読む]

受信: 2011年2月 4日 (金) 23時02分

» ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人♪(2009) [銅版画制作の日々]
 原題:Herb&Dorothy 京都シネマにて鑑賞。 アーティストの才能には恵まれなかったようですが、アーティストへの理解は凄く深かったハーブことハ―バ―ト・ヴォ―ゲル。彼は独学で美術を勉強。妻のドロシ―はまったく美術には興味がなかったが、実務面で夫ハ―ブをサポート...... [続きを読む]

受信: 2011年2月25日 (金) 10時31分

» ハーブ&ドロシー [C'est joli〜ここちいい毎日を〜]
ハーブ&ドロシー'11:日本◆原題:HERB & DOROTHY◆監督:佐々木芽生◆出演:ハーバート・ヴォーケル、ドロシー・ヴォーケル、チャック・クロース、ロバート・マンゴールド、リンダ・ベング ... [続きを読む]

受信: 2011年4月27日 (水) 16時58分

» ハーブ&ドロシー■豊かな人生とは? [映画と出会う・世界が変わる]
これは実に面白い題材の作品である。ニューヨークで暮らす郵便局員のハーブと図書館司書のドロシーの夫婦2人の共通の楽しみは、現代アートのコレクション。その基準は「自分たちの... [続きを読む]

受信: 2011年5月15日 (日) 20時46分

» 『ハーブ&ドロシー』『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』をキネカ大森1で観て、まずまずよしよしな男ふじき☆☆☆,☆☆☆ [ふじき78の死屍累々映画日記]
キネカ大森でアート・ドキュメンタリー二本立て。 キネカ大森さん。いつからなったのか、 券売り場のスペースが閉鎖されて、もぎり売店で入場券を売ってた。 うんまあ正しい合 ... [続きを読む]

受信: 2011年5月22日 (日) 03時49分

» ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人 [ダイターンクラッシュ!!]
2011年5月21日(土) 15:10~ キネカ大森1 料金:1000円(Club-C会員料金) パンフレット:未確認 「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」公式サイト キネカ大森 名画座 美術関係のドキュメンタリー特集。 ニューヨーク在住の普通の夫婦。 普通の給与の中から、コンテンポラリー・アートの作品を、買い集めていく。 隠居して老人になった今、著名なコレクターとなり、コレクションの数々を美術館に寄贈している。 優しくて可愛いドキュメンタリーだ。 ハーブが、アーティストのスケッチ... [続きを読む]

受信: 2011年5月22日 (日) 12時41分

» 映画評「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」 [プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]]
☆☆☆★(7点/10点満点中) 2008年アメリカ映画 監督・佐々木芽生 ネタバレあり [続きを読む]

受信: 2011年11月14日 (月) 10時41分

» ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人 [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評]
ハーブ&ドロシー [DVD]クチコミを見るNYに住む、現代アートのコレクターの、ハーブ&ドロシーのヴァンゲル夫婦を追ったドキュメンタリー。慎ましい暮らしの中でアートを愛し続け ... [続きを読む]

受信: 2012年6月20日 (水) 08時44分

« ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 | トップページ | 黒く濁る村/이끼 »