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2010年11月28日 (日)

Ricky リッキー

Ricky 『スイミング・プール』そして間もなく公開のカトリーヌ・ドヌーブの新作『しあわせの雨傘』の監督フランソワ・オゾンが送るとある家族の物語。平凡な一家に生まれた赤ん坊にある日羽が生えてきた!リッキーと名づけられ赤ん坊を中心に家族の微妙な心理を描き出していく。出演はアレクサンドラ・ミラー、『ナイト・トーキョー・デイ』のセルジ・ロペス、メリュジーヌ・マヤンス。
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リアルな心の距離感に共感

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予告編を観た時から羽の生えた赤ちゃん・リッキーの可愛らしさもさることながら娘のリザを演じるメリュジーヌ・マヤンスちゃんの可愛らしさに惹かれて楽しみにしていた作品です。それにしても『ユキとニナ』のノエ・サンピちゃんや、アリエル・ムーテムちゃんといい、フランス人のこのぐらいの歳の少女の可愛らしさはそれこそ天使のようですね。リッキーの父親役を演じるのは『ナイト・トーキョー・デイ』で殺し屋役の菊地凛子と恋に落ちるセルジ・ロペス。この人は元々スペイン出身だけに今回も外国人の男という設定。スペイン語訛りのフランス語を自嘲するようなセリフもありますが、どっちにしろ日本人の私には全く解らないから関係ナシ(笑)物語はここに母親カティを演じるアレクサンドラ・ラミーを加えた3人がリッキーを中心に変わっていく様子を描いています。

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元々父親に逃げられカティとリザは2人暮らし。カティは詳しくは解らないけれど何かの薬品工場で働いている模様…。そしてカティが働いているラインに偶然視察か何かでやってきたのがパコでした。出会った瞬間恋に落ちたのはいいとしても、そのまま工場のトイレでメイクラブとは両者共にちと飢え過ぎなんじゃないのか?といいつつも、そこでの結果がリッキーだったりします…。もしかしてリッキーに羽が生えるのが薬品による突然変異を暗示しているのか?なんて思ったりもしましたが、その辺は全く触れられていません。もっとも、本作で描きたいのは羽が生えた理由ではないので当然といえば当然なのですが。ともあれ、それからパコはカティたち母娘と一緒に暮らし始めます。これは母との2人暮らしに満足していたリザにしてみたら迷惑千万な話。

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ここらへんは少女というより、突然母親に恋人が出来た娘の不機嫌さと言うのは理解できます。面白いのはそんな状況でリッキーが家族に加わること。これまた当然ながら母親リザはリッキーにかかりきりになる訳で、今度はリザだけでなくパコも面白くない。面白くないと言ったって、それが父親ってもんでしょうという話なんですが、カティが大好きなのに距離感が離れてしまった者同士、今度はパコとリザの心の距離感が近くなるのです。家族が加わることによる連鎖反応、微妙な心の距離感の変化が鮮やかに描かれていて、しかもそれが観ている方にも感じられる。一家には申し訳ないけれどこれは観ていてちょっと楽しかったりします。家族の中心となったリッキーくん、ある日肩甲骨にあざができているのをカティが発見します。なるほど羽って生えるものなんだ…。

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もっとも最初から生えてたら病院で大騒ぎですから当たり前ですね。いずれにしても、事前に物語を知っている私たちは良いけれど、カティにしてみたら不安で仕方がありません。育児疲れによるパコとの気持ちのすれ違いがここで悪い方に作用します。即ち彼が虐待しているのだと思い込んでしまうのです。怒って出て行くパコ。結局は羽が生えてくるわけで、パコへの誤解は解けるのですが、携帯の番号を消してしまって連絡がつかない…。ちょっとこの辺の流れには無理があるかも。本気で彼の行き先を知りたければ、いくらでも調べる方法はあるでしょうに。一方のリザ。パコがいなくなったこと、更にはカティとともにリッキーの羽という秘密を共有することは彼女にとってママとの距離感が縮まるにはうってつけの事態です。1度学校にパコが現れたときにも冷たくあしらう始末。

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部屋の中でヘルメットを被りキャッキャッと喜びながらパタパタ飛び回るリッキーはとてもキュートで純粋で愛らしいのですが、何だか似たような光景を観たような…。そう、かの鳥山明先生の超名作『Dr.スランプ』のガッちゃんのイメージにだぶるのでした。もっともペンギン村では目立たなくてもカティとパコの住む町ではそうは行きません。ある日連れて行ったスーパーでリッキーは住民の目の前を飛び回ってしまいます。町は大騒ぎになり、カティたちのアパートの前には大勢のマスコミが。テレビでこの事態をしったパコも帰って来るのでした。内心心細かったカティはパコの帰宅を心から喜びますが、今度はリザがまた微妙な気持ちに。全く人の気持ちの移り変わりとはかくも繊細で、移ろいやすいのでしょうか。特に子供の気持ちは難しい。

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ドキッとさせられたのは、リザがハサミでリッキーの羽を切り落とそうとしたこと。リッキーに羽さえ生えていなければママがこんなに苦しむことも無かったハズだし、パコがまた戻ってくることも無かったハズ。幸いにしてそれは失敗しますが、子供なりの一途な想いが切ないワンシーンです。さて、ここまでは良かったのですが、結局リッキーをどうするのか、出した結論が何故かマスコミにお金を貰って彼をお披露目するということに。しかもリッキーのあしに結び付けておいた紐をカティが離してしまって、リッキーはどこかに飛び去ってしまう……。は?要は家族からリッキーの存在を消すということなのだけれど、いくらなんでも無理があり過ぎな展開でしょう。おかげでラストで再生したカティと家族の気持ちが一つになった良いシーンもどうも釈然としない気持ちのままでした。

確かにリッキーの存在はファンタジーなんですが、物語で描かれる事象や家族の心情はリアルなのが本作の良いところ。最後の最後に結論ありきに走ってしまったのが悔やまれます。

個人的おススメ度3.0
今日の一言:リッキーってうちの猫の名前なんです…
総合評価:67点

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『Ricky リッキー』予告編

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