トロン
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今となっては懐かしいCG映像 |
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まもなく公開される『トロン:レガシー』を観る前に、先ずはオリジナルから観ておこうという訳で鑑賞。主演が若き日のジェフ・ブリッジスだったんですね。今の彼はオスカーを獲得とは関係なく重厚なベテラン俳優ですが、当時32歳のジェフはこれがスマートなイケメンじゃありませんか。公開は1982年。ちなみにその年のアメリカ興行収入1位はあの『E.T.』、日本ではニカウさんの『ミラクル・ワールド ブッシュマン』でした。他にも今も忘れられない名作がずらりとならんでいます。さて、この『トロン』。正直当時の記憶は全くないものの、観ていると今となってはレトロな設定や映像に引き込まれました。というのもこの年には富士通のFM-7やNECのPC9801といった日本のパソコン(当時はマイコン)文化を推し進める名機が発売されたから。


実際、フリン(ジェフ・ブリッジス)やアラン(ブルース・ボックスライトナー)たちがコンピュータに入力している様子を観ると、当時一般的だったBASICというコンピュータ言語を思い起こさせます。ところでタイトルの「トロン」ですが、これが実はコンピュータプログラムの名前だとは驚き。要は本作ではプログラムを擬人化して表現し、電脳世界で敵ボスキャラであるMCP(マスターコントロールプログラム)を倒すという物語なのです。プログラムに人間的な個性を持たせ、それを表現するために現実世界の人間と電脳世界のプログラムを同じ俳優が演じていると言うのが中々面白い所。例えばトロンとトロンをプログラミングしたアランの両方をブルース・ボックスライトナーが演じているといったように。そしてそのプログラムを作った人間を“ユーザー”と呼びます。


さて、元々フリンはアランとローラ(シンディー・モーガン)と同じ、巨大なネットワークを有するコンピュータ会社ENCOM社の社員でした。ある日彼の経営するゲームセンターにアランたちが訪ねてきます。実はフリンは自分が開発したゲームプログラムを当時同僚だったデリンジャー(デイヴィッド・ワーナー)に奪われたという過去がありました。そのゲームが大ヒットしたおかげでデリンジャーは今や社長。それが気に入らない彼は、デリンジャーがプログラムを盗んだ証拠を探すために夜な夜なENCOM社にハッキングを仕掛けていたのです。アランたちはそれがMCPにバレていると警告にやってきたのでした。そこでの話しの中で、アランはMCPをトロンというプログラムで監視しようとしているが、邪魔されていると打ち明けます。


っとまあ、物語のフリとしてはこんな所。MCPが人間の言うことを聞かずに勝手に個人の意思で暴走を始める、この設定は『2001年宇宙の旅』・『2010年宇宙の旅』のHAL9000、『ターミネーター』の人工知能スカイネットや、他にも例えば『マトリックス』にもみられるコンピュータと人間の争いを描いたもので、この世界観は先の作品にも影響を与えたといえます。電脳世界に閉じ込められたフリンのコスチュームは今となってはチープそのもの。ただ『トロン:レガシー』の予告編で見たコスチュームデザインはきちんとこのオリジナルを踏襲していて、ここに四半世紀の歳月の流れを感じることが出来ました。しかし、“門”の様な形をした監視船や、ボディ一体型のバイクなどはCGの質を別にすれば、メカニカルデザイン的には普通に現役で行けます。


見せ場であるバイクで敵から逃げ回るシーンは、直線的な動きですべる様なCGで表現されますが、むしろこの無機質な感覚が電脳世界のイメージにはよく合っていたと思います。もっともパッと思い浮かんだのは当時のパソコンでのゲーム画面でしたが。(笑)それだけにもう一工夫欲しかったのがMCPのグラフィック。敢えて人間の表情をCGで表現したのでしょうけども、むしろそこも人間の俳優に演じさせても良かったのではないでしょうか。そこだけが変にアニメチックに見えてしまいました。もっともプログラム同士がキスしてるくらいなんですから今更何をかいわんやなんですが…。最終的にフリンとトロンは協力してMCPを倒します。そして現実世界に戻ったフリンはゲームプログラムの権利を取り戻しENCOM社社長になってメデタシメデタシという訳。


まもなく公開の『トロン:レガシー』はフリンの息子サム(ギャレット・ヘドランド)が主人公の続編。もちろんジェフ・ブリッジスやブルース・ボックスライトナーも出演します。ただ当時としては斬新だった電脳世界の世界観も今では極ありきたり。そこを超えるだけの驚きを期待したいところです。
個人的おススメ度3.5
今日の一言:私はFM-7派でした
総合評価:68点
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TRON 1982 MODERN TRAILER
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