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2011年1月13日 (木)

デッドクリフ/Vertige

Photo_2 立ち入り禁止の山岳地帯でロッククライミングを楽しもうとした若者たちを襲う恐怖を描いた山岳ホラー。『モリエール 恋こそ喜劇』のファニー・ヴァレット、『アデル/ファラオと復活の秘薬』のニコラ・ジローらが見せるノースタントの山岳アクションシーンは、高所恐怖症の人は観ていられないかも。監督はこれが長編デビュー作となるアベル・フェリー。
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高所恐怖症の人はご注意を!

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これがまあかなり頻繁に崖下を覗き込むカットを使っていて、高所恐怖症の人はちょっと観てられないかも。山岳ホラーの場合、そもそも落ちたら死ぬというベースがあるんで、何も起こらなくても結構緊張感があるのですが、CGを一切使わず全てのアクションをノースタントで撮影した本作はその効果をとても上手く使っていた作品でした。ただし前半は。後半になると山岳ホラーというより、何故か突然『13日の金曜日』のような話へと変わってしまいます。「これ別に山関係なくないか?」ってな突っ込みを入れつつ、それでも85分間という短い時間のせいか、特にダレることもなく最後まで走り抜けてしまったという感じ。死のロッククライミングに挑む羽目になったのは5人の男女です。この5人のうちフレッド(ニコラ・ジロー)とカリーヌ(モード・ワイラー)は登山経験者。

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…ということは間違いなくフレッド→カリーヌの順に死亡フラグが立っているのは容易に想像がつきますね。登山の経験者がいなくなることはそれだけで、残されたメンバーの不安を誘い、彼らが生還できる確率を下げることになりますから。残りの3人は未経験者ですがクロエ(ファニー・ヴァレット)は患者を殺してしまったトラウマを抱えた医師、そしてその彼氏であるルイック(ジョアン・リベロー)はクロエの元彼ギョーム(ラファエル・ラングレ)に嫉妬しまくり。そもそもそんな精神状態でロッククライミングなんかしていいのか?!もっといえば街にでも出かけるようなカジュアルな服装で出かける事自体かなり酷いもの。まあそれはさておき、一体どんな恐怖が彼らを襲うのかに期待感が高まります。特に何も起こっていないときはカメラはルイックに密着。

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とにかく内心ビビリまくりなのに、クロエの前でカッコ悪い所は見せられない、まして元彼が全然平気なのに自分だけダメだ何て言ってられるか!そんな彼の男の意地はよく解るのだけれど、カメラはルイックの恐怖を映像にすべくやたらと崖下を映し出します。それもただ映し出すだけではなくて、ゆらゆら揺れたり回転したりと、実に嫌らしい。(笑)主観映像なので、人によってはこの後彼らを襲うアクシデントよりもこの映像の方が怖い人もいるんじゃないでしょうか。山岳シークエンスでのアクシデントは主に2つ。一つはカリーヌが渡り切っていない吊橋が落ちて彼女が危機一髪という事故。もう一つはルイックが崖から落ちて宙吊りになる事故。個人的には後者がかなり緊張しました。何しろルイックの怯えようが半端じゃなく凄いから…。

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結局彼らを救うためにフレッドとカリーヌの経験者組が崖上からロープを投げることに。ところが、投げる位置を捜しているうちに、何とフレッドが動物用の罠に足を挟まれてしまいます。結局残りの3人は無事引き上げられるものの、ここからは山岳ホラーではなくて、いわゆる謎の存在に怯えるタイプのホラーに早変わり。この後彼らはその謎の存在に怯えることになります。別にそれでも一向に構わないのだけれど、ただ謎の存在はもっとミステリアスに演出して欲しかった、というより本当の意味で謎の存在にして欲しかったというのが本音。見ていると意外なほど早く彼らを襲っているのが人間であることが解ってしまうのです。どうせ人間ならジェイソンぐらいの存在にして欲しいところですが、観る限りではただの狂人。しかしその狂人にフレッド&カリーヌは予定通り殺されます。

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多分肝はこの後に及んでクロエを中心とした三角関係が続いているということなんでしょう。恐らく3人がしっかり協力してことに当たれば勝てない相手ではないのに。それでも一応ギョームは最後までクロエを守ろうとしますが、最悪なのはルイック。嫉妬に狂ってギョームを襲うわ、クロエが狂人に襲われているのに自分だけ逃げるわ、その割りに森で迷ったら結局彼らのところに戻ってきたり。もう別な意味でこっちの気分が悪くなりました…。まあ結局ルイックは因果応報の最期を迎えるのですけども。ラストシーンははハッきりとした結末を見せないという余韻を残すパターンなのですが、エンドロールに入った瞬間、5人のその後や狂人に関する情報をスーパーで出してしまうので、その余韻も台無し。(苦笑)前半と後半の落差が大きい作品だったと思います。

個人的おススメ度3.0
今日の一言:嫉妬だけは一人前かいっ!
総合評価:65点

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『デッドクリフ』予告編

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