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2011年1月28日 (金)

ソウル・キッチン/Soul Kitchen

Photo_2 『ニューヨーク、アイラブユー』の監督の一人ファティ・アキン最新作。ハンブルクにある大衆レストランのオーナーと、その兄を中心とした仲間たちを描いたヒューマンコメディだ。主演に本作の脚本も務めるアダム・ボウスドウコス。共演に『es[エス]』のモーリッツ・ブライブトロイ。舞台となっているソウル・キチッンは実際に監督が通っていた店がモデルだという。
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ドイツのファンキー映画

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最近予備知識ナシで映画を観ることが多いのだけれど本作もその一つ。何しろ『ソウル・キッチン』というぐらいだから黒人の関わっている話かと思っていたぐらいです。ソウルフードなんて言葉があるぐらいですから、この食堂も何かしら持ってるのかなと思いきや…そういうの一切なし!というか、初っ端オーナーのジノスは(アダム・ボウスドウコス)登場してくるとキッチンではひたすら冷凍食品を調理する姿が。庶民的といえば聞こえは良いけれど、ぶっちゃけこれ素人以下?で、当然ながらそんな店が流行る訳もありません。ただ、倉庫を使ったこの店の雰囲気は実にスマートでCOOLなんです。失礼ながイメージとしてはドイツと言うよりアメリカっぽかったり。

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ちなみにこのレストラン、アダム・ボウスドウコスが実際にハンブルクで経営していたレストランをモデルにしているんだそうな。なるほど通りでジノスが店に馴染んでる訳です。そもそも店がCOOLでも例えばジノスの服装であるとか、そこに集う人々も含めたトータルがうまくコーディネート出来ていないと作品の舞台のもつ魅力は出てこないと思うのです。その点は流石にこだわりの美術と言うことなんでしょう。さて、そんなジノスにはハイソな恋人ナディーン(フェリーネ・ロッガン)がいました。彼女は自分の仕事のために上海に行くことになっているのだけども、どうやらジノスはジノスで店を捨ててまでは一緒に行きたくないらしい。

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ま、正直このパターンが判明した時点で2人の先は見えてしまうってのはあります。ところが面白いもので、ナディーンと別れた代わりといっちゃなんですが、訪れたレストランをクビになったシェフ・シェイン(ビロル・ユーネル)をゲット!このシェインがまた職人肌のシェフでして、飲んで酔っ払いながらも素晴らしい料理を作ってしまうのでした。この調理シーンは割とアバウトな雰囲気が漂う本作の中ではちょっと異質な程正統派でカッコよかったり。そしてシェインの料理のおかげで徐々に店が繁盛し始めたジノスの前に兄イリアス(モーリッツ・ブライブトロイ)が現れます。実は彼は仮出所中。ドイツの司法制度は良く知らないけれど、なんと就職先さえあれば毎日借り出所できるんだそう。

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そこでジノスはイリアスのために雇用証明書を作ってあげるのでした。しかし不思議です、門限が決まっていてその時間までに刑務所に帰り、翌日また刑務所からやってくる。だったら釈放でもいいじゃないかと思うんですが…。ちなみにイリアス役のモーリッツは『es[エス]』の主演を務めた俳優。その時より体格アップしてるような。このイリアスがまた実にいい加減なヤツ。店員のルチアを気に入り、彼女がダンス好きと知るやDJセットを仲間と盗み出してくるようなヤツなのでした。ところが!使い方もろくすっぽ解らないのに盗んできたDJセットを見よう見真似で使っているうちに、何故かそれに惹かれてソウルキッチンは大ブレイク。全く世の中解らないものです。

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物語的には盛り上がった音楽の如く軽快なテンポで進んでゆくだけに、この後の展開、例えば学生時代のジノスの友人ノイマンに店を乗っ取られたり、ナディーンに本格的に振られたりといった凹むような展開にも暗くなることはありません。というよりむしろ笑えてしまう…。特に椎間板ヘルニアで動けなくなったジノスをトルコの民間療法で治すシーンが最高。物語本線とは直接関係ないですが、何故かしっかり元気になってたりしましたし(苦笑)更に感心したのは、事前に張り巡らされた伏線、例えばイリアスが税務署を使ってしたジノスにした嫌がらせだとか、ソウルキッチンの土地を買い取った投資家がいつも口にするタブレットだとかが、結末に向かって意外な展開を導くと同時に笑いを誘うこと。

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最初に黒人の関わっている話かと思ったと書きましたが、物語には登場しないものの、劇中使われる音楽は紛れもなくソウルミュージック。さほど音楽に詳しくない私でもかなり気に入ってノレるぐらいですから、音楽好きは堪らないはずです。ファンキーな音楽に身を任せて楽しめる一作でした。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:媚薬ってあんなに効くの?
総合評価:72点

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