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2011年1月17日 (月)

オボエテイル

Photo_2 製作会社の倒産により紛失していたフィルムが見つかったことで上映に漕ぎ着けた作品。人気ミステリー作家・高橋克彦の「緋い記憶」、「遠い記憶」、「前世の記憶」を3人の監督、久保朝洋、芳田秀明、明石知幸が映像化したオムニバスムービーだ。香川照之、村上淳、麻生祐未、吉田日出子ほか錚々たる俳優が出演していることに驚かされる。
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幻のご当地オムニバス映画遂に公開

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何とまあ驚かされるのが、製作会社の管理体制の杜撰さ。倒産のドサクサで上映用35せいさくミリフィルムを紛失。映画そのものは2005年には完成しており、映画祭に出品までしたもののお蔵入り寸前だったそうな。それを明石監督を中心とした本作の3人の監督の尽力で公開に漕ぎ着けたという訳。そもそもご当地オムニバスだと馬鹿にするなかれ!出演者の顔ぶれときたら、「え?こんなに有名な人たちが沢山出てるの?!」と驚くはず。人気ミステリー作家・高橋克彦の3本の原作を映画化したミステリーオムニバス、順番に紹介していきます。

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第1話 遠い記憶
監督・脚本:芳田秀明
出演 村上淳・麻生祐未・浅井江理名・鈴木颯人(子役)・吉田日出子

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いきなり作家の倉本(村上淳)がまわしているビデオの映像からはじまるこの作品。何だかミヒャエル・ハネケの『隠された記憶』を連想させました。そしてそれはあながちはずれではなく、この作品に続く残り2本にも共通しているのは、自らにとって都合の悪い記憶、思い出したくない記憶、封印した記憶を取り戻すという部分。倉本は生まれ故郷盛岡をテレビの取材で訪ねることになり、そこで出会ったスナックのママ・相沢(麻生祐未)との出会いから、忘れていた子供の頃の記憶を取り戻すのでした。倉本の母・明子(吉田日出子)はボケが始っているかのような怪しい役、何か謎に包まれたその存在感が何とも観ている者の不安をかき立てます。倉本の子供の時の記憶、相沢との関係、夢の中に出てくる母親の悲しそうな顔。全ての点が繋がり線になり記憶を取り戻した時、切ない気持ちと共にぞっとする気持ちが湧き上がってきます。

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第2話 前世の記憶
監督 明石知幸
脚本 久保朝洋
出演 中村美玲・葛山信吾・結城しのぶ・島かおり・篠井英介

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主人公の藤山修子(中村美玲)はタイトル通り前世の記憶を持った女性。最初はなにやら自分が苛められている記憶なのだけれど、その時の自分は一人の少年でした。かつての自分に導かれるかのように当時の記憶を辿り、そして明らかになるとんでもない真実…。正直言って3作品の中でこれが一番辛い。いかんせん主演・中村美玲の大根役者っぷりが強烈過ぎる。余りにもわざとらしいその演技は、今時そうは見かけない変な昼メロみたいで、彼女がしゃべればしゃべるほど引いていく自分がいました。加えて葛山信吾。この人は相手によって良くも悪くもなる役者だと思う。今回は中村美玲に引きずられて、安っぽい昼メロの二重奏になってしまっているし。特に意外性を感じるストーリーでもなく、今まで散々出尽くした前世の記憶を持った人間と言う設定自体からしてつまらないと思う。

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第3話 緋い記憶
監督・脚本 久保朝洋
出演 香川照之・光石研・柄本時生・渡辺真起子・螢雪次郎

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3作品の中で最も豪華な出演者。香川照之・光石研・柄本時生・渡辺真起子・螢雪次郎と揃ったら短編オムニバスでなくても立派に1本撮れるでしょうに。東京でデザイン事務所を経営する山野良彦(香川照之)の元に、学生時代の友人(光石研)が訪れる。彼が持ってきた住宅地図を見返すうちにその昔自分が足繁く通った家があったはずの場所が空き地になっていることに気付くのでした。学生時代の山野(柄本時生)はそこに住む少女を好きになり、よく遊びに行っていたのです。このエピソードの面白い点は、辛い記憶を楽しかった記憶で塗りつぶし、いつしか嘘が本当に取って代わられるというところ。ある意味自分の中でもう一人の自分を作り出し、いつしか別人としての人生を送っているのです。それが、ひょんな拍子に本当の自分に戻ってしまう…。三作品のなかでは最もミステリアスでオカルトチックなお話でした。

本作は全編を岩手県盛岡市を舞台にしたご当地映画です。昨今『おにいちゃんのハナビ』(新潟県)、『桜田門外の変』(茨城県)、『さよなら夏休み』(岐阜県)、『RISE UP ライズアップ』(石川県)、『君が踊る、夏』(高知県)と多くのご当地映画を当ブログでも紹介してきましたがその走りともなる作品で、しかもミステリー仕立てというところがユニーク。ともあれ無事公開されてスタッフ・キャストの皆さんもホッとされていることでしょう。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:今の時点で同じもの作るのは大変そう…
総合評価:72点

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『オボエテイル』予告編

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