イップ・マン 葉問
ブルース・リーの師匠で詠春拳の達人イップ・マンの半生を描いたカンフーアクション。日本公開は本作が先だが、正確には『イップ・マン 序章』の続編にあたる。主演に『エンプレス―運命の戦い―』のドニー・イェン。共演のサモ・ハン・キンポーはアクション監督も務めている。監督はウィルソン・イップ。最近あまり観られない正統派カンフーアクションシーンは特に必見。 >>公式サイト
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かのブルース・リーの師匠の映画をやるらしい。これだけの予備知識しか持たずに、それでもカンフー映画好きとしては観ておきたいと行ってきました。古きよきゴールデン・ハーベスト時代の雰囲気を漂わせるオープニングからタイトルに…『イップ・マン2』そっかー2なんだ~…え?何でいきなり2?そう、実は本作は『イップ・マン 序章』の続編という扱いなのです。本編終了後には序章の予告編映像が公開され、観客動員が5000人を越えたら公開すると発表されていました。日本人俳優・池内博之もメインで出演しているのにどうして公開されないのだろう?予告編から観ると、どうも戦争中の日本軍の残虐さが描かれているようで、それが理由なのか…?
まあ序章に関してはそのぐらいにして、本作。前作からの人間関係が多々登場し、突然「こんな所で再会するとは!」的な出逢いのシーンがあるものの当然何が何だか解りません。従ってこれは「あぁ、前作で知り合ってるのね」と受け止めてサラッと流して観るようにするが吉。しかし結論から言うと、そんな解らない部分を差し引いても、カンフー映画好きとしては堪らなく燃えました。もちろん時代の流れなのか、本作でもワイヤーは使われています。しかしアクション監督をサモ・ハン・キンポーが務めていることもあって、戦いのシチュエーションや立ち回りの流れが昔ジャッキー・チェンの映画やユン・ピョウの映画で観たあの動きに近いんですね。
イップ・マン役のドニー・イェンや、ホン師傅役のサモ・ハン・キンポーが見せてくれるカンフーアクションは、昔から体に染み付いたものなんでしょう。2人が狭い丸テーブル上で戦うシーンは前半最大の見所で、子供の頃に見て大興奮したあのカンフーの動きそのものでした。イップ・マンは詠春拳の達人で、ブルース・リーは彼から学んだ詠春拳をベースに截拳道を生み出したと言われていますが、右手を縦にして前に伸ばす構え、そしてその右手でかかって来いと挑発するリーの有名な仕草はここから来ているのだろうなと納得です。さて、ストーリーの流れは続編なだけあって、序盤がちょっと解りにくいかもしれません。どうやら諸所の理由で広東省佛山から香港に出てきたらしい。
そこでビルの屋上に詠春拳の武館を開きます。ウォン(ホァン・シャオミン)を筆頭に少ないながらも弟子がついたところで、香港武術会を取り仕切るホン師傅の弟子たちと争いになり、結果武館を開くために先に書いたようなホン師傅との闘いになるという流れ。ちなみにこの対決の前に、他の流派の師傅との対決もあるのですが、それはイップ・マンが圧勝しています。それを見た他の師傅たちのコミカルなセリフや仕草もカンフー映画の楽しさの一つ。更に本作では、武術だけではなく香港を支配していたイギリス人に対する不満、軋轢なんかも描いています。イップ・マンとホン師傅は武館経営に関しては相容れない考え方でも、中国人vsイギリス人という立場では当然同胞になる訳。
そんなある日、ボクシング大会が開催され、そのリング上での演武をみたチャンピオン・ツイスターがそれを公衆の面前でコケにします。怒ったホン師傅はツイスターに挑戦。序盤は良い所も見せるものの、パワー・体力的で圧倒するチャンピオンはホン師傅を殴り殺してしまうのでした。ホン師傅の志を受け、中国武術の誇りのためにチャンピオンに挑戦するイップ・マン。って、何だかこんな流れをどこかで観た様な…。思い当たったのが『ロッキー4』。もちろん詳細は全く違いますが、ドラゴにリング上で殴り殺されたアポロの仇をロッキーがとるという形は本作の流れと全く一致していて、それ故にイップ・マンvsツイスター戦はまた燃える燃える!
ただ、一応英語ではチャイニーズ・ボクシングとか言ってましたが、これは完全に異種格闘技戦。案の定チャンピオンがピンチになると途中から蹴りは禁止などと言い出す始末。とはいえイップ・マンが負ける訳無いのは当然ですね。技が力を凌駕するのが武術の真髄。解っちゃいても勝った時の喜びと来たら!最後にイップ・マンの元に生意気な少年がやって来て詠春拳を教えるように言いますが、イップ・マンは「大人になったらまた来なさい」と笑いながら答えます。そして「名前は?」の問いに少年は「李小龍」と答え、お馴染みのハナの横を親指でこする仕草を見せるのでした。このエピソードは当然脚色でしょうが、それでもファン心理をくすぐる楽しい演出がいかにも香港カンフー映画らしいラスとだったと思います。
イップ・マン 序章
個人的おススメ度
4.0
今日の一言:バオを着て後ろ手を組む姿がたまらん!
総合評価:79点

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» イップ・マン 葉問 [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。原題:葉問2、英題:IP MAN 2。ウィルソン・イップ監督、ドニー・イェン、サモ・ハン・キンポー、ホァン・シャオミン、池内博之。ブルース・リーの師匠として知られる中国 ... [続きを読む]
受信: 2011年1月25日 (火) 20時46分
» イップ・マン 葉問 [小泉寝具 ☆ Cosmic Thing]
香港
アクション&格闘技&伝記
監督:ウィルソン・イップ
出演:ドニー・イェン
サモ・ハン・キンポー
ホァン・シャオミン
リン・ホン
【物語 ... [続きを読む]
受信: 2011年1月26日 (水) 14時36分
» イップ・マン 葉問 [象のロケット]
1949年。 イギリス植民地の香港に、広東省佛山から妻子を連れて移住した中国武術・詠春拳の達人イップ・マンは、同郷の編集長リャンの好意で新聞社の屋上に武館を開く。 様々な門派がしのぎを削る香港武術界のドンは洪拳の達人ホン。 彼の弟子たちとイップの弟子たちがもめごとを起こし、イップの武館は閉鎖に追い込まれてしまう…。 武術アクション。... [続きを読む]
受信: 2011年1月26日 (水) 22時33分
» 常に謙虚であれ〜『イップ・マン 葉問』 [真紅のthinkingdays]
葉問2
IP MAN 2
1950年。佛山から香港に逃れてきたイップ・マン(ドニー・イェン)は、詠春拳
の達人。ビルの屋上に武館を開いて弟子を待つ彼の元に、ウォン(ホァン・シャ
オミン)と名...... [続きを読む]
受信: 2011年1月27日 (木) 21時31分
» *『イップ・マン 葉問』* ※ネタバレ有 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2010年:香港映画、ウィルソン・イップ監督、サモ・ハン・キンポーアクション監督&出演、ドニー・イェン、ホァン・シャオミン出演。 [続きを読む]
受信: 2011年1月29日 (土) 14時08分
» イップ・マン 葉問 葉問2 [まてぃの徒然映画+雑記]
ドニー・イェン甄子丹主演、実在のカンフーマスターで、ブルース・リー李小龍の師匠でもあるイップマン葉問を描いたアクション作品、爽快な気分で楽しめます。登場人物に前作からの... [続きを読む]
受信: 2011年1月29日 (土) 23時12分
» イップ・マン 葉問 [ダイターンクラッシュ!!]
2011年1月29日(土) 21:05~ 109シネマズ川崎8 料金:1200円(レイトショー料金) パンフレット:未確認 『イップ・マン 葉問』公式サイト 久しぶりに燃えた。萌えじゃなく燃えだ。 ブルース・リーの師匠イップ・マンの半生。 原題は葉問2。シリーズ二作目だ。一作目は日本人が敵役のようだ。本作がヒットしたら、一作目の公開が行われるらしい。 その本作は、敵役が白色人種で、絵に描いたような傲慢なWASPだ。特筆すべく酷いのは、所長とボクシング・チャンピオン。良くもこんな役を受けたなと... [続きを読む]
受信: 2011年1月30日 (日) 06時13分
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カンフー映画に詳しくない私でもこの名前は知っているドニー・イェンとサモ・ハン・キンポーの映画ということで観てみようかなと思ったのですが、どういうお話なのかとちょっと予 ... [続きを読む]
受信: 2011年1月30日 (日) 22時34分
» イップ・マン 葉問 [Art-Millー2]
あのブルース・リーの師匠ならば、さぞ凄い達人であり、清廉潔白な人格者であろうということで、期待して観た一作。久しぶりに本格的香港カンフーの世界観に浸った。期待以上のこれぞカンフー!
イップ・マン 葉問
原題:IP MAN 2
監督:ウィルソン・イップ
アクション監督:サモ・ハン・キンポー
音楽: 川井憲次
キャスト:
ドニー・イェン
サモ・ハン・キンポー
ホァン・シャオミン 他
2010/香港
オフィシャルサイト
謙虚、誇り、そして品格。
武道の精神を表した3つ... [続きを読む]
受信: 2011年1月31日 (月) 23時28分
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Tジョイ・京都にて鑑賞。ブルース・リ―の師匠だったという中国武術のldquo;詠春拳rdquo;の達人、イップ・マンの壮絶な人生を描いた作品。でもこれ、第2章だそうです。徐章があるらしいのですが、何故かこち...... [続きを読む]
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イップ・マン 葉問 347本目 2011-07
上映時間 1時間49分
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受信: 2011年2月23日 (水) 01時00分
» 映画「イップ・マン 葉問」ドニー・イェンの魂の映画に感動した! [soramove]
「イップ・マン 葉問」★★★★★
ドニー・イェン、サモ・ハン・キンポー、ホァン・シャオミン出演
ウィルソン・イップ監督、109分、2011年1月22日公開
2010,香港,フェイス・トゥ・フェイス
(原作:原題:葉問2 )
→ ★映画のブログ★
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カンフー好きなら映画館で見ないと損する、
是非大画面の劇場へ!
公式HP←公開劇場はココでチェック
「日中戦争後の1949年... [続きを読む]
受信: 2011年3月24日 (木) 00時08分
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受信: 2011年4月 1日 (金) 02時10分
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ブルース・リーの師匠・イップ・マンの人生を映画化となれば観ないわけにはいかない [続きを読む]
受信: 2011年5月 7日 (土) 20時09分
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葉問2/10年/香港/109分/伝記・格闘技アクション/劇場公開
監督:ウィルソン・イップ
アクション監督:サモ・ハン・キンポー
出演:ドニー・イェン、サモ・ハン・キンポー、ホァン・シャオミン
<ストーリー>
家族を連れて広東省から香港へ移住したイップ...... [続きを読む]
受信: 2011年6月 7日 (火) 23時05分
» イップ・マン 葉問 (葉問2) [Subterranean サブタレイニアン]
監督 ウィルソン・イップ 主演 ドニー・イェン 2010年 香港映画 109分 アクション 採点★★★ 創作の世界であれ現実の世界であれ、敵を外に設定し、皆でやんやと騒ぎたてる時期ってありますよねぇ。たぶん、大変な時期を一丸となって乗り越えようって意図や、ちょ…... [続きを読む]
受信: 2011年6月13日 (月) 16時05分
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イップ・マン 葉門 / 葉門 2
2010年 香港映画
監督:ウィルソン・イップ
製作:レイモンド・ウォン
脚本:エドモンド・ウォン
プロダクションデザイン:ケネス・マク
撮影:プーン・ハ...... [続きを読む]
受信: 2011年10月28日 (金) 11時07分
» イップ・マン 葉問 [いやいやえん]
ドニー・イェン、サモ・ハン・キンポー。
英国植民地の香港に家族を連れて移住したイップ・マン。待っていたのは、この地を仕切る武術師匠ホンとの激闘。この闘いがまた熱くてね~!円卓上で戦うのですが、ここも見... [続きを読む]
受信: 2011年11月20日 (日) 09時07分
» 映画評「イップ・マン 葉問」 [プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]]
☆☆★(5点/10点満点中)
2010年香港映画 監督ウィルスン・イップ
ネタバレあり [続きを読む]
受信: 2011年12月11日 (日) 11時18分
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