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2011年1月24日 (月)

第二回下北沢映画祭グランプリ・準グランプリ作品上映会

Simokita

昨年の秋口に行われた第2回下北沢映画祭。そこでグランプリと準グランプリを獲得した作品と、それぞれの監督の新作上映会が行われたので参加してきました。場所は当然下北沢。当ブログのお目当ては当然ながら片岡翔監督の新作『ゲルニカ』。ピカソの絵の名前を冠したこの作品、一体どんな作品なのでしょうか。
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普通にお金を取れる作品たち

昨年の秋口に行われた第2回下北沢映画祭。そこでグランプリと準グランプリを獲得した作品と、それぞれの監督の新作上映会が行われたので参加してきました。場所は当然下北沢。グランプリ、準グランプリ作品に関しては、エントリー「第2回下北沢映画祭」を参照して頂くとして、今回は新作に関してレビューしてみたいと思います。当ブログのお目当ては当然ながら片岡翔監督の新作『ゲルニカ』。ピカソの絵の名前を冠したこの作品、一体どんな作品なのでしょうか。

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『ゲルニカ』 
監督:片岡翔
2010年/21分0秒/カラー
札幌国際短編映画祭2010 第5回記念特別賞

世界に終りをみた少女と、少女に世界をみた少年。悲劇は忘れてはいけないのか。忘れるべきなのか。

実に片岡監督らしい作品。どこかファンタジックであり映像のクオリティや音楽、衣装、小道具に到るまで細かい部分に拘り抜いて丁寧に作り上げていました。出演者に関しても、『くらげくん』が子供らしい自然な繊細さが良かったのに対して、今回は川村悠椰、前田聖来という所謂プロ子役がキッチリと演じる良さを感じます。ちなみに川村君は『愛のむきだし』にも出演しているそう。実は物語そのものは悲劇。しかし、何が起こったのかは詳細には語られません。あくまで推測するのみ。銀塩カメラを手にしてパチパチ撮りながら少年と会話する少女。それは何だか遠い昔の出来事のようであり、夢の中の出来事のようでもあります。しかし同じカメラが今度は少年の手にある時、私たちは厳しい現実を突きつけられるのです。2人を結ぶカメラに撮影されている写真は一体どんなものなのだろう…。哀しみの中で希望を見出せるラストですが、そこまでの流れに小石を投げ込むような感じのオチがまた片岡監督らしいと思いました。

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『オーケストラ』
監督:奥田昌輝・大川原亮・小川雄太郎
2008年/6分30秒/カラー
飛騨国際メルヘンアニメ映像祭2008 第7回メルヘンアニメ・コンテスト 優秀作品賞
BACA-JA2008 佳作
第10回TBS Digicon6 奨励賞

シンプルな線によって描かれたオーケストラが、メタモルフォーゼすることにより奏でる音と映像のハーモニー。

『くちゃお』もそうでしたが、この監督のアニメーションは非常に完成度が高いです。普通にこのままテレビ放送しても耐えられてしまうでしょう。今回はクラッシック音楽の調べに乗せて線画のアニメーションが様々に変化していくさまを楽しむという作品。コンセプト的には珍しいものではありませんが、上手いものだと感心させられます。ベルリン映画祭に出品することが決まった監督に私がどうこう言うのもなんですが、しいて言うならまだ修士生という若さなのに、若者らしい勢いだとか荒々しさが感じられないのが気になります。余りにも完成しすぎているというか。作品の中に遊びがないんです。だから観終わって「すげぇなぁ」とは思いますが、「面白かった~」とは思わない。ま、とはいえ誰が見ても「すげぇなぁ」と思わせるレベルの自主制作映画なんか普通ありませんけど…。

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『TUESDAY GIRL』
監督:今泉力哉
2011年/44分00秒/カラー

結婚を間近に控えた関口と高木。リストラされたことを彼女・田代に言えないでいる木村。木村はいきなり田代から「別れたい」と告げられる。ある日、関口は元彼女・青木に結婚することを告げに行く。

この上映会当日にギリギリ仕上がったという文字通り出来立てほやほやの新作。今泉監督は現在公開中の『たまの映画』で既に商業映画デビューを飾っています。そういう意味では他の2人の半歩先を行っているといった感じ。『最低』でもそうだったように、この人の作品は絶妙な間合いの会話劇が面白い。何しろテンポが良いだけに、44分というもはやショートとはいえない長さながらもあっという間。今回も会場は大うけでした。なにしろ登場人物が等身大で身近なだけに、観客がみんな話しに参加してしまうようなノリを醸し出しているんです。それだけで終わるのではなく、オチで必ずブラックなインパクトを与えてくれるのがミソ。本作では人間は何でも正直であればそれで良いのか、それで人を傷つけていることだってあるんじゃないかということをコミカルに見せてくれました。

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