« 男たちの挽歌(1986) | トップページ | 男たちの挽歌II »

2011年2月17日 (木)

ブレイキング・ポイント

Photo

DVDスルー作品。ミシガン州の小さな町を舞台に起こった拳銃乱射事件で生き残った人々のその後を描いた群像劇だ。出演は『アンダーワールド』ケイト・ベッキンセイル、『英国王のスピーチ』のガイ・ピアーズ、『レポゼッション・メン』フォレスト・ウィッテカー、『リリィ、はちみつ色の秘密』のダコタ・ファニングとジェニファー・ハドソンと言った豪華な面々。監督はローワン・ウッズ。
>>allcinema

結局何が言いたいのかサッパリ

 あらすじ・作品情報へ 

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへみなさんの応援クリックに感謝デス

01

なるほどDVDスルーも已む無しかなという作品でした。『アンダーワールド』のケイト・ベッキンセイル、『L.A.コンフィデンシャル』のガイ・ピアース、『レポゼッション・メン』のフォレスト・ウィッテカー、『リリィ、はちみつ色の秘密』のダコタ・ファニングとジェニファー・ハドソン、2人のオスカー俳優を含む錚々たる人気俳優が揃っている割には、余りにも脚本が辛い。流石に有名俳優がこれでもかと登場し、確かな演技を見せてくれるだけに何とか観る事ができましたし、ラストのダコタ・ファニングのシーンではちょっとばかり感動もしましたが、正に俳優頼み、俳優に助けられた作品です。舞台となっているのはミシガン州の小さな町。とあるレストランで2名が死亡・犯人は自殺するという拳銃乱射事件が起こります。

02 03

本作はその事件に密接に関わった4人の物語。5人の人気俳優が出演していて4人の物語?そう、もうこの時点で首を傾げてしまうのですが、何とジェニファー・ハドソンは完全な脇役、あまりにももったいない彼女の使い方には驚きです。アニー(ダコタ・ファニング)とジミー(ジョシュ・ハッチャーソン)は幼馴染で、アニーの父親と食事に来ていたところで事件に遭い、父を射殺されます。クレア(ケイト・ベッキンセイル)は店のウェイトレスでシングルマザー、チャーリー(フォレスト・ウィッテカー)は自動車教習所の経営者でがんに侵されており、犯人に撃たれてかすり傷を負います。ちなみにその娘役がジェニファー・ハドソン。ブルース(ガイ・ピアース)はERの医師で、店でコーヒーを買った際に入口で犯人とすれ違ったのでした。

04 05

それぞれが心に深い傷を負ったその後を描くのですが、これが見事なほどにバラバラ。多少なりとも繋がるのはクレアとブルースですが、殆どオムニバスにしたほうが良いのではないかと思うほどにパラレルに話は進んで行きます。アニーは突如として信仰にはしり、ジミーは自分の殻に閉じこもる。クレアは赤ん坊を出しにブルースに近寄ろうとし、そのブルースは自分の妻に新薬の実験をしてしまいます。そしてチャーリーは、生き残った幸運からかギャンブルにのめり込む…。それぞれが何かに縋りたかったのかもしれないですし、何かに集中することで自分の心の均衡を保とうとしたのかもしれません。それは解ります。しかし一つの作品として、結局最後まで全部話がパラレルというのはどういうことでしょうか。結局この4つの物語はそれぞれ全く別の場所で別の結末を迎えるのです。

06 07

一応その4つの物語を繋げる意味なのか、事件の現場で実際に起こったことが徐々に明らかにされてゆきます。それはアニーの回想だったり、ジミーの回想だったり、チャーリーの回想だったり。何か事件そのものに秘密がありそうな雰囲気を漂わせているだけに期待感は抱かせます。しかも思わせぶりに登場する刑事は、犯人の持っていた拳銃にチャーリーの指紋が残っていただとか、チャーリーがガンで余命いくばくも無いことを突き止めたりするのです。「すわ、もしかして犯人を射殺したのはチャーリー?」、「まさかアニーの父を殺したのはチャーリーか?」そんな想像が頭をよぎったのですが……別に何もありませんでした。(苦笑)考え過ぎ…。犯人はキッチリ2人を射殺し、チャーリーを撃ち、自殺しています。じゃあこの回想の意味は一体何なのか。

08 09

一応、拳銃についていた指紋の謎であったり、アニーが宗教にはしってしまった原因がそこには描かれていましたが、それだけならさも大層な秘密が隠されているかのようにもったいぶる必要性を感じません。さて、原題の『WINGED CREATURES』とは直訳すれば“羽の生えた生き物”、旧約聖書の中では4つの顔を持つ天使“ケルビム(ケルブの複数形)”を意味しています。4つの顔と一つの事件が起こした4つ側面(ストーリー)をかけているのでしょう。また“WINGED”には“翼を傷めた”という意味があり転じて“腕を傷めた”という意味もあるのだそうです。ラストでチャーリーが借金のかたに片腕をへし折られますが、それは正にタイトルを意識しているのでした。が、だから何なのだというのが正直な所。それともキリスト教徒にとっては何か深い意味合いを含んでいるのでしょうか。

10 11_2

アニーとジミーが事件の起こったレストランで本音で語るシーンこそちょっとうるっときたものの、結局の所この作品は俳優しか観るべき所がなかったです。個人的には相変わらず美しいケイト・ベッキンセイルの微妙なセクシーシーンや、ダコタ&フォレストの観ている人を引き込む演技だけが良かったというところです。

個人的おススメ度2.5
今日の一言:まあアメリカでも外したんでしょうね
総合評価:56点

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ
↑いつも応援して頂き感謝です!
今後ともポチッとご協力頂けると嬉しいです♪

|

« 男たちの挽歌(1986) | トップページ | 男たちの挽歌II »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ブレイキング・ポイント:

» ブレイキング・ポイント [晴れたらいいね〜]
今年も、あと1週間ないとラジオで聴いて、びっくりしたという呑気な私。みんなよい年を過ごされたんでしょうか?自分が「良い」と思えば良いのです。悪いと思えば悪いだけだと思う ... [続きを読む]

受信: 2011年2月20日 (日) 18時03分

« 男たちの挽歌(1986) | トップページ | 男たちの挽歌II »