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2011年2月 3日 (木)

ワラライフ!!

Photo お笑い芸人のキム兄こと木村祐一監督が『ニセ札』に続く2作品目として送り出した作品。監督自身の思い出を織り交ぜながら、結婚を控えた主人公の人生を振り返るハートフルストーリーだ。主演はお笑いコンビ“しずる”の村上純。共演に『ボックス!』の香椎由宇、『必死剣 鳥刺し』の吉川晃司、『さんかく』の田畑智子、高岡蒼甫、鈴木杏樹といった若手とベテランの実力派が揃う。
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素朴で懐かしくて心地良い

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「ワラライフ」は「What a wonderful life」の略で、木村祐一監督の造語なんだそうな。劇中で主人公の古川修一(村上純)が言うには「小さな喜びにすぎないが、大きな幸せを感じた瞬間に(英語圏の人が)思わず叫んでしまう言葉」らしい。実際にそんな風に叫ぶのかどうかは知らないけれど、いずれにしてもノスタルジックで心地の良い1時間半でした。古川はもうすぐ結婚を控えた平凡なサラリーマン。物語は実家の引越しを手伝いに行くことになった彼が、ふと思い出す子供の頃の記憶を回想し、合間合間で現在の彼の状況も織り込みながら進んで行きます。木村監督の実体験も含まれているそうですが、実はこの作品ではそこに特にエキセントリックなことは起こりません。

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クライマックスでテンションが上がるということもなく、終始一貫して淡々と流れてゆきます。悪く言えば、結局単に人の思い出話なだけなので何も感じない人、退屈な人は多々出てくるのではないでしょうか。人には当然それぞれの成長してきた想い出があり、置かれた環境は千差万別。即ち、木村監督の想いになじめる人だけが「あ、これ私好きだ。」と思えればよい、正にワラライフな作品なんだと思います。木村監督は前作『ニセ札』も観ていますが、あの時はキム兄らしさが出ていない作品だと感じました。本作で感じたこの雰囲気、これが監督らしさと捉えてよいのかな。雰囲気を言葉にするのはとても難しいのですが、しいて言うならば、平凡の中にある個性とでもいうか…。

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登場するのは基本的に古川の家族とその恋人・綾城まり(香椎由宇)。彼らは一般的な家庭なのだけれど、どこかユニークで変わってるのです。中でも私が好きなのは父・肇(吉川晃司)、靴の修理職人で曲がったことが大嫌いなオヤジです。家の中では腹巻にステテコという“てやんでい”な格好だけれども、乗っている車はスカイライン2000GT-R。昔は相当やんちゃしてたのだろうことを思わせます。吉川晃司の腹巻&ステテコは妙なアンバランス感を醸し出しつつ、やんちゃな感じは元々彼が持っているイメージのままというのがいい。母・慶子(鈴木杏樹)はそんな肇と子供たちが大好き。鈴木杏樹は久しぶりに観たけれど、昔から変わらず素敵な笑顔で、彼女の演じた母親も好感が持てました。

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まりに向かって堂々と「修一は愛情たっぷりに育てたから。」なんて言えてしまうお母さん、自分の子育てを自慢できる母親は見ていて気持ちよいものです。しかし、そんな母親でも、女性誌の夜の生活アンケートに答えてあったり、引き出しに恐らく肇が撮ったのであろうちょっとセクシーな写真が入っていたりするところに“女”を感じました。いずれも修一が発見するのですが、男の子が自分の母親が母であり女であることを意識する微妙な瞬間を上手く切り取っています。本作の真骨頂は実はこういう小さな情景の積み重ねにあるのだと思います。例えば、姉・和恵(田畑智子)が父親から電話は3分以内と決められているために、話す内容を箇条書きにしているところもその一つ。

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家族旅行に出かけて車に酔ってしまったり、弟と家の前の道路でキャッチボールをして近所の家にボールが入ってしまったり、転んで擦りむいた膝小僧にお母さんが赤チンを塗ってくれたり…。その一つ一つが修一の大切な思い出であると同時に、それと似たような経験を観ている者の中にも思い起こさせてくれます。引越しの手伝いに来て、夕食を囲む修一と両親。もう大人として相手をしてくれているけれど、でもやっぱり親にとっては子供は子供。立派に育て上げた親としての満足感や、変わらぬ愛情が静かに心に染みる瞬間です。何がどうという程のものでもない「ワラライフ」を感じながら見た本作、唯一残念なのはラストの映像。趣旨はわかるけれど、ちょっとふざけ過ぎちゃったかな…。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:修一はどこでまりみたいな美人を…
総合評価:63点

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受信: 2011年2月 4日 (金) 23時24分

» ワラライフ!! [ゴリラも寄り道]
<<ストーリー>> 東京で一人暮らしをする古川修一(村上純)は、恋人・綾城まり(香椎由宇)との 結婚を控えて二人で暮らす部屋を探している。同時期に修一の両親も引っ越しを予定していたが、 引っ越...... [続きを読む]

受信: 2011年2月 5日 (土) 00時26分

» 『ワラライフ!!』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「ワラライフ!!」□監督・脚本 木村祐一 □脚本 井土紀州□キャスト 村上 純、香椎由宇、鈴木杏樹、吉川晃司、高岡蒼甫、田畑智子■鑑賞日 1月30日(日)■劇場 TOHOシネマズ川崎■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)<感想>  なんてことのない映画だけれど、なんとなくハートウォーミング。  少し懐かしい昭和の匂いと、何気ない生活の匂いが混在し、 振り返ると、幼少の頃からの出会いや別れ、家族とのふれ合いや想い出、 そういったものを柔らか... [続きを読む]

受信: 2011年2月 5日 (土) 08時42分

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受信: 2011年2月11日 (金) 21時53分

» ワラライフ!! []
明日が今日より幸せになる。 強い父、忘れっぽい母、ませてる姉、泣き虫の弟。 頼れる彼女と、ある日偶然再会した幼馴染。 笑いや涙がこぼれた日常。 明るくにぎやかな家族。 いろんなことがあるけれど、 そこにある小さな喜びに気付けば、 それ... [続きを読む]

受信: 2011年2月16日 (水) 22時53分

» ワラライフ!! [だらだら無気力ブログ]
芸人、構成作家、料理人、俳優と多彩な分野で才能を発揮し、『ニセ札』で 長編監督デビューを果たした“キム兄”こと木村祐一の監督第2作。 誰にでもある日常の何げない幸せを、木村監督ならではの笑いと自身の 思い出を織り交ぜて描く。 実家の引っ越しを機にさまざまな…... [続きを読む]

受信: 2011年4月10日 (日) 17時42分

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