明日に向かって撃て!
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19世紀末の西部を舞台に、実在した2人組の強盗ブッチとサンダンスの逃避行を描いた西部劇。主人公のブッチをポール・ニューマン、サンダンスをロバート・レッドフォード、そしてヒロインのエッタをキャサリン・ロスが演じている。監督は後に『スティング』でアカデミー賞監督賞を受賞するジョージ・ロイ・ヒル。映画史に残るラストシーンは必見だ。 |
| 時代を超えた傑作の衝撃! |
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ジョージ・ロイ・ヒルとポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードの3人が最初に組んだ作品がこれ。当時のアカデミー賞では脚本賞・撮影賞・作曲賞・歌曲賞の4冠に加えて作品賞・監督賞・音響賞でもノミネートされています。とはいってもこの作品で言うならば歌曲賞の『雨にぬれても』が余りにも有名ですね。この4年後に再集結した3人が送り出したのが傑作『スティング』。どちらも甲乙つけがたいほど面白いのですが個人的には本作の方がちょっと好みです。いわゆるアメリカン・ニューシネマと呼ばれる一連の作品群でも初期の作品で当然ながらアンチヒーロー、バッドエンド。しかしながらそのバッドエンドの衝撃は余りに大きく、これが映画史に残るワンシーンだというのも至極当然だと思えます。

主人公ブッチ・キャシディポール・ニューマン)とサンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)は家畜泥棒と銀行強盗を家業とするアウトロー、仲間の一人ハーベイ・ローガン(テッド・キャシディ)の誘いに乗って列車強盗を試み大金をせしめます。列車強盗と一口に言ってもそこには殺伐とした雰囲気は無く、むしろブッチの口調は何だか楽しそう。金庫の入った貨車の扉を開けない経理係の男とのやり取りは妙にユニークで、しかも金庫の鍵を爆破するのにダイナマイトの量を増やし過ぎ、自分たちまで吹っ飛ばされる始末。つまりアウトローとはいえどうにも憎めない愉快な奴らというのが2人の印象なのです。当然ながらポールもロバートも相当にハンサムなれども全く嫌味がない。それこそ飲みに誘ったら「お前さんの驕りだぜ」とか言って付いてきてくれそうなぐらいで、早くも序盤から2人の人間的な魅力のとりこになってしまった感じでした。

列車強盗に成功し恋人エッタ(キャサリン・ロス)の元にしけこむサンダンス。翌朝、彼が寝ている間に当時としては未来の乗り物と言われた自転車に乗ってやってくるブッチ。B.J.トーマスが歌う「雨にぬれても」をBGMに、ブッチがエッタを自転車にのせて美しい自然の中を楽しげに走り回るシーンは幸せな明日を信じて疑わない若さの象徴であり、私の心だけでなく間違いなく映画史に残る名シーンです。帰ってきた2人を向かえるサンダンスがまた嫉妬するでもなく「欲しけりゃくれてやる」的な言葉を投げかけるのも、ブッチとの絆の強さが現れていて逆にカッコいい。ところが、楽しい?日々はここまで。往復で列車を襲われた鉄道会社の社長は堪忍袋の緒が切れたんでしょう、超一流のプロに彼らを追わせます。このシークエンスの演出がまた絶妙。延々と追ってくるのだけれど決して追手の顔は見せません。

すぐにも捕まえられる距離にいるわけではないけれど、立ち止まったらそこで終わり…最初は余裕の表情を浮かべていた2人にも次第に緊張感が漂い、疲労の色が濃くなっていくのです。正しく世の規範から外れてアウトローな生活を送ろうとも結局は彼ら自身を取巻く環境からは逃れられないという象徴的なシーンでした。崖に追い詰められ、ブッチが川に飛び込むように提案するも断固拒否するサンダンス。ここで彼の名言が飛び出します。「俺は泳げないんだ!」この緊張感の中でのこの台詞、ブッチの呆れたような諦めたような微妙な表情、がまた実にユニークで面白い。結局彼らは逃げ切り、ブッチの提案で3人で南米・ボリビアに渡ることに。新天地を求めて飛び立つ爽快感、期待感を表す演出はなんと全てをセピア色の静止画にするという大胆さ。これはオープニングでも使われていたのですが、現代に置いても十分に通用する斬新なものです。

結局ボリビアも相変わらず銀行強盗を続けるのだけれど、何時の間にやら今度はエッタまでもがしっかりお仲間に。彼女はスペイン語がペラペラ。しかし同様にスペイン語が話せると言っていたブッチが全く話せないという事実が判明し、サンダンスと共エッタからスペイン語のお勉強と相成ります。銀行強盗用のスペイン語を一生懸命覚える2人ですが、いざ本番になるとどうも食い違う。ブッチ「手を上げろ!」サンダンス「もう上げてる…」ブッチ「壁に張り付け!」サンダンス「もう張り付いてる!」っと、最初の銀行強盗シーンなどはめちゃくちゃコミカルな会話劇状態でもう大笑い。それにしてもこの作品、カッコいい台詞、コミカルな台詞を含めてキャラクターの台詞が実にキチンと考えられていて上手いのです。ところが!何とボリビアにまで例の追手の姿が!という訳で、こりゃヤバイとばかりに2人は真面目に働くことに決めるのでした。

しかし、自由奔放に暮らしてきた彼らのような人間が、今更地道に仕事をするなど無理な相談。これは本人が望むと望まざるとに関わらず、もはや運命としか言いようが無いのかもしれません。やることなすことが裏目裏目に出る彼ら、結局銀行強盗ではないものの山賊稼業に手を染めることに…そしてそれが彼らの首を絞める結果になるとはその時解るはずもなく。町にいる所を警察に襲われる2人。しかも何と軍隊まで出動してきては万事休す。しかしそれは彼らを客観視している私たちの視点です。それが証拠にブッチはここを逃げ切ったら次はオーストラリアに行こうとサンダンスに提案しているのですから。建物から飛び出た瞬間ストップモーションとなりバックには「撃てー!」の声と膨大な銃声。余りの衝撃に言葉も無く、しかしブッチとサンダンスは間違いなく明日に向かって撃っている…。世界中の人々がこのシーンに言葉を失ったのは当然でしょう。正に傑作。
個人的おススメ度
5.0
今日の一言:台詞がいいのよ台詞が!
総合評価:98点
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『明日に向かって撃て!』予告編
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