大韓民国1%/대한민국1%
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素朴な魅力のイ・アイさんデビュー作 |
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何というか映画としてのクオリティは普通に観られるギリギリのところでしょう。重い作品を観たくない時に家でボーっとカウチポテトしながらDVDで観るにはピッタリかもしれません。何しろ日本と違って臨戦態勢にある韓国軍の精鋭・海兵隊のさらに1%しか入隊できないという海兵隊特殊捜査隊に可愛らしい女性兵士が配属されたというありえない設定。ハナから居ずまいを正して観るようなもんでもないです。主人公イ・ユミを演じるイ・アイは19歳の時から日本に留学し、現在は日本大学芸術学部で演技の勉強をしているそうで、もちろん日本語も完璧。今回が初主演ですが、数々の新人賞を獲り今後が期待される女優です。際立った美人でもないですが、素朴な可愛らしさが荒くれ海兵隊員のなかに入ると特に野に咲くたんぽぽのような存在感を放っていました。


一応これも設定上で、ユミは海兵隊の訓練課程を1位で通過したことになっています。しかし入隊できたのはマスコミに海兵隊は女性差別だと叩かれたから。簡単に言えばマスコミ向けエクスキューズと言う訳。しかも彼女の上官であるカン・チョルイン中士(ソン・ビョンホ)には「お前はだまって俺の言うことに従っているだけでいい!」なんていわれる始末。当然ながら仲間の隊員からも「所詮女だろ」目線。特に面白いのはワン・ジョンパル下士(イム・ウォンヒ)。ちなみにどこかで観たと思ったら『食客』の敵役だった人じゃないですか。失礼ながらこの人、真面目な時でもどこと無く顔がコメディしてる…。今回も一生懸命ユミの前でイイカッコして彼女を振り向かせようとするのだけれど、ことごとく失敗に終わるのでした。とにかく彼女に近づく時の手つきが嫌らしくて面白い。


大体訓練中じゃないとはいえ、ホットパンツで太ももも露に、しかもわざわざ見せ付けるように開脚してストレッチしてたらそりゃ男なら誰でもガン見しますって。まして女はユミしかいないんですから。パンツのお尻に下着の線が見えたり、胸の膨らみをアップにしたりと何だか『パンツの穴』か『毎度お騒がせします』かといったやけに古臭い演出だけれど、何となく健全なHを感じて懐かしくも嬉しかったり。(笑)さて、話の本題はユミがカン中士率いる第三小隊のお荷物である第3チームのチーム長に任命されてから。彼女の頑張りはチームを活性化し、訓練でも一位をとったりするのです。この辺りで、カン中士の素性とユミの関係が想像できるシーンが挿入されたりしますが、その事実自体は物語の流れに直接は関係してきません。


ユミの元にまとまっていく第3チームを苦々しい顔で見ているのがワン下士。まあ、単に男として相手にされなかったことの逆恨みが発端だったりしますが、同時に同じチーム長の立場として女に率いるチームに負けたくないという部分も強かったのは否めません。気持ちは解る。そしてなんだかんだと嫌がらせをするのだけれど、一般社会と違って軍隊の中だけに、本人はちょっとした嫌がらせのつもりでも事態はこれが結構洒落にならなかったりします。結局実弾訓練の時に弾装を紛失したカドでユミは営倉入り、第3チームは解散に…。この辺までの流れはテンポ良くポンポンと見せてくれるので解りやすくはあるものの、もうちょっと絡む人間の心情に迫って欲しかった気もします。カン中士は、ワン下士は、チームメンバーは何を考えていたのか…。


ユミにフォーカスして、ユミが辛い想いを飲み込んでいるのは解るのですが、そこで周りを巻き込めば後に第3チームが原隊復帰する時の感動もより大きくなったと思うのです。そして話は終盤へ。師団級訓練に参加した第3チームとワン下士のチームはボートの故障で帰隊途中に嵐に巻き込まれ、何と北朝鮮の領土に流れ着いてしまいます。訓練中実弾は持っていないところに北朝鮮の兵士が現れ…。結局のところラストではユミとカン中士との関係性が肝になってきます。しかし先に書いた通り見える話の展開はそこにはなく、更にその関係性も簡単に想像できてしまう範囲を超えるものではありません。だからせっかくラストでカン中士が死ぬ間際に
ユミに真実を語るシーンがやけにアッサリとしているように感じるのです。
批判的に書きましたが、イ・アイという日本人にとって身近な女優が出て来たことは嬉しいことですし、深く突っ込まずにボーっと見る分には楽しめる作品だと思います。
個人的おススメ度3.0
今日の一言:イ・アイの可愛らしさに★0.5かな
総合評価:59点
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