学校をつくろう
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| 二世俳優てんこ盛り、若い想いが当時とだぶる |
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しかしまあ良くもここまで二世俳優を集めたものだと感心する程のキャスティング。主人公・相馬永胤を演じるのは三浦友和と山口百恵の次男・三浦貴大、その友人・駒井重格を演じているのは柄本明の次男・柄本時生、更に相馬と共に法律事務所を開く留学仲間・目賀田種太郎は役所広司の息子・橋本一郎。まだいます、相馬の妻・陸を演じるのが目黒祐樹の娘で松方弘樹の銘の近衛はな、相馬たちの留学仲間・鳩山和夫は橋爪功の息子・橋爪遼、親の七光りが本当にあるならばこれだけで既に何光り?っとまあ、余りに二世ばかりのせいか、ネット上では酷評されている本作ですが、私は観てみてそこまで酷い作品だとは思いません。辛うじて及第点は挙げられるレベルに仕上がっていると思います。

ちなみに原作があの志茂田景樹ですが、ご本人の格好とは違い(失礼!)本作は上山監督らしい実直で誠実な作りでした。さて、そもそも専修大学の130周年を記念して作られたこの作品は、その前身である専修学校を創立した日本法律会社の中心メンバーである4人の若者がアメリカ留学を通し、その志を成し遂げる姿を描いた物語です。4人とは相馬永胤、目賀田種太郎、駒井重格、田尻稲次郎(池上リョウ)。話は中心軸を相馬に置いた形で進みますが、序盤はひたすら相馬の話。戊辰戦争で活躍した彼が軍人になろうにも失敗し、西郷の勧めでアメリカ留学をするものの学費が無くて挫折、結局日本に戻ってきてしまいます。正直言ってこの序盤は退屈。

申し訳ないけれど彼程度の活躍は幕末のあのダイナミズムのなかでは大したものではないですし、留学中の苦労の話はそれほど珍しいものでもないですから。しかし、井伊家のおかげで再度留学、今度はコロンビア大学に在学する辺りから話が面白くなってきます。つまりそこで後の日本法律会社のメンバーたちとの出逢いが描かれるから。日本語なまりの英語でしゃべる彼らからはむしろ当時の日本人らしさが感じられ、日本の国を本当に憂える若者らしい強い想いが伝わってきました。当時は日本とアメリカの間には不平等条約が結ばれていた時代。それを撤廃するには早急に欧米列強と同じ法体系や法のシステムを整え、世界標準の経済知識を持たなくてはならないと言うのが彼らの共通認識です。

そのためには文字通り寝る間も惜しんで勉強に勤しむ彼ら。向学心とはこのことかとほとほと頭が下がると同時に、こういう志ある彼らが今の日本の礎を築いたのだと思うと非常に感慨深いものがあります。最初に二世だらけと書きましたが、確かに彼らの演技はまだ細かい部分で未熟な部分も多いです。しかし留学して一生懸命勉強している相馬たちの姿と、実際に演じながら成長していく若手役者たちの姿は、時代が違ったとしてもその姿勢において重なる部分が多いと思うのです。ただ残念だったのは、この日本法律会社を作ってから後はエピソードの過程をとばしてラストまで突っ走ってしまったこと。それは良いことも悪いことも両面で言えました。

例えば駒井と田尻が戊辰戦争のことで大喧嘩しても、次のシーンでは既に仲直りの手紙が送られていたり、帰国してからの相馬の結婚も突然決まって次のシーンではもう夫婦、専修学校を開校する予定の建物が仕えなくなっても、次のシーンでは別の場所が見つかる…。事実の起こりと結果の羅列だけでなく、その間を結ぶ彼ら自身の行動であったり、その時の想いをもっと深く観たかった。簡単に言えば、まるで歴史年表の映像版を観ているかのようなのです。もっとも、専修大学のための映画なのでそれで良いのかもしれませんが。世間一般では余り知られていない人物ですが、それでも明治維新を生き抜いた人々の伝記というのは実に面白いものです。
個人的おススメ度:
3.0
今日の一言:ついでなんで他の大学の創始者の伝記も…
総合評価:60点
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