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2011年3月13日 (日)

勇気ある追跡

Photo 名優ジョン・ウェインがアカデミー賞主演男優賞を獲得した1969年公開の西部劇だ。父親を殺された少女に雇われた主人公が、テキサス・レンジャーと共に犯人を追う姿を描いている。共演にキム・ダービー、グレン・キャンベルそして後のオスカー俳優ロバート・デュヴァルや先頃なくなったデニス・ホッパーも出演。間もなく公開する『トゥルー・グリット』のオリジナル作品でもある。
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見応えあり説得力あるオリジナル版

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さすがは西部劇の超人気スターのジョン・ウェインがオスカーを獲得した作品でした。間もなく公開の『トゥルー・グリット』のオリジナル作品と言うことで鑑賞したのですが、リメイクで感じていた物語の展開の軽さだったり、余りの展開の速さに浸りきれなかった満足感がこの作品にはありました。ストーリーだけなら文句なくオリジナルが面白いです。リメイクを先に観ている以上どうしても比較しながら観てしまいがちなので、今回はそんな視点から書いてみます。細かいストーリーはあらすじ、リメイク版は『トゥルー・グリット』をご参照ください。さて、やはりなんといってもこの作品は主人公コグバーンを演じるジョン・ウェインの際立つ存在感と格好良さに尽きます。その次にマティを演じるキム・ダービーもこれまた実にイイ。オリジナルではマティはショートヘアなんですね。

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リメイクのヘンリーよりも弱冠大人びた感はありますが、ジョンとの会話劇はその絶妙なセリフの掛け合いに思わず聞き入ってしまいます。オリジナルを観て一つハッキリしたのは、ラビーフ(グレン・キャンベル)は確かに重要なポジションの人物なのだけれども、この作品はやはりコグバーンとマティのものなのだということ。この2人のやり取りで話は進んでゆくし、それで充分に面白いのです。しかしリメイクではラビーフ役がマット・デイモンということもあって逆に足かせになっていたように思えました。観ている方も、マットの存在感の重さにどうしてもひっぱられてしまうと思うのです。例えばオリジナルではコグバーンとラビーフはケンカはしますけれど、それで別れてしまったりはしません。むしろそのケンカが3人のキャラクターの対照性を際立たせています。

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いずれにしろ、オリジナルより短い時間で、フィーチャーする人間が多くなれば、個別のエピは軽くなり、どうしてもさっさと話を進めざるを得ません。もう一つ解ったのが、本作では物語の細部を端折らずにキチンと描いてくれているため、後でそれぞれのキャラクターが取る言動について勝手に想像をしなくても納得できるということ。犯人・チェイニーとはどんなヤツで、どんな風に父を殺したのか、父親の大事にしていた金貨の持つ意味、マティが理知的で交渉上手な理由といったことを短い時間だけれど、追跡劇に出る前にキチッと見せておいてくれるのです。キッチリと描かれた無理のない追跡劇の中に核となるエピソード、例えばマティが馬で川を渡ったり、コグバーンが悪人ネッド(ロバート・デュヴァル)たちにライフルと拳銃の両手もちで突っ込んでいったりが織り込まれている―。

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言い換えれば脚本上での緩急のつけ方が実に上手いと言えます。あくまで物語に重きを置いた昔ながらの手法はやはり見応えがありました。もちろんリメイク版での演出や映像はその有名シーンを強調した撮り方で、どちらかと言うとインパクト重視の今風のやりかたですが、それはそれでアリだとは思いますが。…っと、本作とリメイクをストーリーのあり方として見比べてみると、同じ原作でも監督による、また時代による描き方の差が良く出ていて面白いと思います。しかし変わらないのはコグバーン役の名演技ぶりでしょうか。ジョン・ウェインもリメイク版のジェフ・ブリッジスも双方62歳。本人のキャラクターの差こそありますが、渋いジェフ・コグバーンなのか、陽気なジョン・コグバーンなのかこれは好みによるでしょう。

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しかし、ライフルをクルッと回し手綱を口にくわえ、おもむろに拳銃を引き抜きネッドたちに突撃していくシーンの痺れるかっこよさは、個人的にはジョン・ウェインに軍配を上げたいところ。そして、マティ役のキム・ダービーは西部劇の舞台におよそ似つかわしくないショートカットに、どこまでも気品漂うお嬢様振りが実にアンバランスの妙です。リメイク版のヘンリーの方が、幼さは残るけれどどちらかといえば西部劇のイメージに近いでしょう。だから余計にキムが父親の形見のコルト・ラグーンをぶっ放したりするシーンや、最後のチェイニーとの対峙の場面で先の読めない(実際にはもちろん結末を知ってますけども。)緊張感を感じられるのです。こうして比べてみるとコーエン兄弟演出のリメイクに比べると、随分ご陽気で明るく楽しい西部劇でした。実際笑えるシーンが結構多いですし。

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secretただ本作ではしラストでラビーフは死んでしまいます。リメイク版では死なずに代わりに蛇に噛まれたマティが腕を失ったのは、流石にマットは殺せないので、代わりにってことなんでしょうか?(苦笑)secret是非両方観て比較してみるとそれぞれの作品がより楽しめると思います。最後に、ジョン・ウェイン以外で私が知っていた2人の俳優について。ロバート・デュバルは見た瞬間解るほどそのまま。しかしデニス・ホッパーは全く解りませんでした。この時ホッパーは33歳。本作と同じ年に『イージー・ライダー』が公開されていますがそっちは何となくイメージできるのですが…。

good 『トゥルー・グリット』(リメイク版)

個人的おススメ度4.0
今日の一言:アイパッチが逆なのは何故?
総合評価:82点

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