スティング/THE STING
1973年のアカデミー賞で作品賞を初め7部門を授賞、3部門でノミネートされた傑作クライムエンタテインメントだ。1936年のシカゴを舞台に、マフィアのボスを引っ掛けようと一世一代の大博打を打つ2人の男を描いている。主演はロバート・レッドフォードとポール・ニューマン、共演にロバート・ショウといった名優が揃う。監督は本作でオスカーを授賞したジョージ・ロイ・ヒル。 |
騙し騙され、あ~楽しい!! |
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この後のクライムエンタテイメント作品に大きな影響を与えることになった傑作といわれる作品。いやはやお見事な脚本は37年前という歳月を全く感じさせない痛快さでした。観ていて途中でハッと思ったのが、「オーシャンズ」シリーズ。スティーヴン・ソダーバーグ監督は当然この作品をオマージュしたんでしょうね。ジョージ・クルーニー(当時41歳)とブラッド・ピット(当時38歳)の役はそのままポール・ニューマン(当時48歳)とロバート・レッドフォード(当時37歳)に当てはまります。というか若い頃のロバート・レッドフォードがこれほどブラピに似ているとは思いもよらず。(怪しいヒゲ面のブラピとは似てませんが…。)ともあれ、オープニングで流れるあまりにも有名な「ジ・エンターテイナー」で一気に気持ちを持っていかれるのでした。
ちなみに本作未見の方は一切予備知識なく観たほうが絶対に楽しめる作品なので、ここから先は読まないことをおススメします。どうしても多少はネタバレしますから。さて、きっかけはフッカー(ロバート・レッドフォード)たち3人組の詐欺師が、とある男から大金を騙し取ったことでした。何とその金がNYの大物ギャングのボス・ロネガン(ロバート・ショウ)への上納金だったからさあ大変!仲間の一人ルーサー(ロバート・アール・ジョーンズ)は組織に無残に殺され、フッカーは組織が放った殺し屋と町のスナイダー刑事(チャールズ・ダーニング)に追われることになります。しかし!ルーサーを殺された復讐を目論むフッカーは伝説の大物詐欺師ゴンドルフ(ポール・ニューマン)を尋ね、こうして2人を中心にした大プロジェクトがスタートするのでした。
それにしても本作で面白いのは、観ている側が二面的に楽しめるところです。ロネガンをあの手この手で信用させていく過程、即ちその時私たちはゴンドルフやフッカーたちと共に彼らを騙すプロジェクトに参加しているんですね。つまり言葉は良くないですが“人を騙す面白さ”がそこにはあります。しかも客観的な視点も持ち合わせている以上、作戦がバレやしないかヒヤヒヤするといった緊張感まで味わえてしまう訳です。特にロネガンに接近するために、彼の好きな賭けポーカーにゴンドルフが参加するシークエンス。あまりにもロネガンを挑発するゴンドルフの態度には、いくらなんでもやり過ぎじゃ?と作戦だと解っているのにドキドキもの。それにしても「カモを相手にする時にはジンを飲むんだ。」というポール・ニューマンの何とカッコいいことか!
作品を通じて言える事だけれど、涼しげで気品すら漂わせるポールには大人の男の魅力が、ラフなヘアスタイルでイケイケなロバートには若い男の色気がそれぞれあって、やはり返す返すもこのコンビは最高だと思うのでした。個人的にはポール派ですが…。ちなみに劇中で2人が見せてくれるスーツ姿やソフト帽、トレンチコートの着こなしはもうため息が出るほどハリウッドスター。つくづく日本人には無理だよなぁと思ってしまう…。さて、騙す楽しみの他にもう一つ私たちが楽しめるのが、“騙される爽快感”。はい、これはもう最初に書いた通り、脚本が見事としか言いようがありません。例えばゴンドルフはFBIに目をつけられているのですが、途中でそのFBIが登場します。果たして彼らはホンモノのFBIなのか?
どちらとも取れる微妙な言動、フッカーにとって目の上のコブであるスナイダー刑事を怒鳴りつけたり、はたまたフッカーにはゴンドルフ逮捕に協力要請をしたり…。しかも、このような曖昧なシーンもある一方で、完全に盲点で騙されてしまったところもあります。そしてそれら全てが伝説の詐欺師ゴンドルフに帰結するとわかったときのこの爽快感。「うわ~やられたぁ~!」ってなもんです。とにかく細かく細かく仕掛けを散りばめられているせいで、ご都合主義的な部分がないんですね。計算されつくしたラストには恐らく誰もが「え?!」と思うでしょう。「スティング(Sting)」はそのままだと“騙す”という意味。しかし劇中では「The Sting “とどめの一撃”」 という紙芝居のような絵が挿入されます。うん、どっちも納得。
個人的おススメ度4.5
今日の一言:『明日に向かって撃て』も観なきゃ…
総合評価:91点
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『スティング/THE STING』予告編
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