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2011年5月 6日 (金)

アバター(2011)

2011_3 携帯電話のネットコミュニティで利用される自らの分身アバターに嵌ってしまい、そのアバターの価値観が全てを支配する女子高生たちを描いたサスペンスストーリーだ。『リアル鬼ごっこ』の山田悠介の同名の小説が原作。主演に『告白』の橋本愛、共演に『怪談新耳袋 怪奇』の坂田梨香子、「GANTZ」シリーズの水沢奈子らフレッシュな女優が揃う。監督は和田篤司。
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解ります、道子の気持ち

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ハッキリ言って山田悠介の『リアル鬼ごっこ』シリーズが好きだというだけでの鑑賞でしたが、これが中々面白かった。『アバター』といえば誰しもジェームズ・キャメロン監督の作品を思い浮かべると思いますが、少なくとも本来日本でイメージされるアバターは本作のように携帯電話やPC上からネット上の仮想空間に自分の分身として存在するキャラクターのことを指します。テーマの設定や、物語上に漂う現実とファンタジーの狭間を描いたテイストはまさに山田悠介の世界でした。主人公・阿武隈川道子(橋本愛)は10歳の時に事故が原因で母子家庭に。高2の誕生日に母親から携帯電話をプレゼントされたことが全ての発端でした。即ち彼女の通う女子高ではSNSサイト“モバQ”でアバター用のレアアイテムをどれだけ持っているかが全ての価値観の基準だったのです。

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簡単に言えば学園を仕切る阿波野妙子(坂田梨香子)はレアアイテムをいくつも所持し、自分のアバターをオシャレに飾っているから女王として君臨していられるのでした。ハイそこのあなた!何てバカげた話だと思わないように(苦笑)実はこの価値観、私には非常に良く解ります。実際にオンラインRPGやモ○ゲーなどの世界では、レアアイテムは時に強さの象徴であり、ステイタスで、その為にいい大人がン十万もの大金を支払ってアイテムを手に入れたりしているのです。道子は最初は妙子によって強制的に“モバQ”に入会させられますが、徐々にその世界にはまって行きます。大きな転機だったのは彼女が1000万人という会員の中から5人にしか当たらないレアアイテムが当選してしまったこと。何とそれが全校生徒に知れ渡り、彼女は一気に人気者になるのでした。

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そう、これも私には同じ経験があります。極レアなアイテムを持っていると周囲からは羨望の眼差しが注がれ、「見せて!」とか「すげぇ~」なんて声をだけでなく「どうせ金で手に入れたんだろ」なんてやっかみの声すら気分が良くなってしまうものなのです。ところが、それで満足しているなら良かったのだけれど、ここからが本番。道子は同じく妙子に苛められていた西園寺真琴(水沢奈子)の誘いで、年に一度開催されるアバQ最大のイベント“ベストドレッサーコンテスト”に優賞し、学園の女王になろうとするのでした。ここから先の道子たちはどんどん常軌を逸して行きます。出会い系でサラリーマンを釣ってスタンガンで気絶させてお金を奪うあたりはもう完全に犯罪。最初はそうして奪った4万円でコンビニでウェブマネーを買いますが、姉妹には100万円の束で買う始末。

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ちなみにウェブマネーは基本的に1度に最大1万円までしか購入できませし、そもそも店員ではなく自分で機械を操作して購入するもんですが…。まさか実際にはこうしたバーチャルなレアアイテムの為に売春行為をしている女子高生などいないとは思いますが、極端に深みにはまってゆく姿は実態を知っているだけに恐ろしく感じました。止められないんです、ホントに。それでもまだこの辺までならば現実にもありそうですが、ここから先はいよいよ山田悠介の世界。見事ベストドレッサーを獲得した道子はアバターサークルを設立、何と実際に自らの顔をアバターに合わせて整形してしまいます。余談ですが整形手術の医者が温水洋一と言うのが洒落が効いていて笑えました。逆らうものには容赦ないサークルのメンバーはみなレアアイテムでもあるガスマスクを現実にも被っていました。

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その姿はまるで『リアル鬼ごっこ』のオニの女子高生版のようにも見えます。道子が密かに好きだった山之内均(佐野和真)の裏切り、そして担任教師・溝口弘(加藤虎ノ介)の脅し、その裏に妙子の存在を嗅ぎ取った道子は恐ろしく周到な計画で妙子を追い込み半殺しに、溝口に到っては殺害までしてしまうのでした。ただ単にアバターがらみでここまでやったらやり過ぎで道子に対する反感も湧こうというものなのだけれど、実はその裏に道子の父の死が絡んでくるからややこしい。結果として妙子に凄惨極まる仕返しをしても、何故か道子の側に立っている自分がいました。ただし、最終的に道子は妙子を殺します。それどころか盟友の真琴までも殺します。全てはレアアイテムの為に。そこに到っては、もはや人としての心を失っている少女が残されているだけでした。

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ところがオチはそこではありません。一体どう納めるのか…。盛者必衰、歴史は繰り返す、成程そう来るかといったオチなのだけれど、1番驚いたのは、既に壊れてしまった少女の心はもう元には戻らないと言うこと。これはある意味非常に怖いです。ところで観終わってから調べると、意外に以前観ていた女優さんたちだったことに気付きました。道子役の橋本愛は『告白』で修哉に殺される少女・美月役の子、そして妙子役の坂田梨香子は『怪談新耳袋 怪奇』で何かに取り付かれてしまう少女、更に真琴役の水沢奈子は現在も公開中の『GANTZ: PERFECT ANSWER』で黒服星人の女子高生役。なるほど、それぞれ徐々にキャリアアップしていって、やがては大作でメインどころを演じるようになってもらいたいものです。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:結局現金がものをいうんだよね…
総合評価:62点

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