テンペスト/The Tempest
2011年に執筆400年を迎えるシィクスピアの同名戯曲をベースに映画化。弟の裏切り国を追われた女王の復讐物語だ。主演はオスカー女優ヘレン・ミレン。監督をジュリー・テイモアが務める。2010年アカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされただけあって、特徴的な衣装デザインが印象に残る。 >>公式サイト
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『テンペスト』とは「嵐」の意味。ナポリ王アロンゾー(デイヴィッド・ストラザーン)、ミラノ大公アントーニオ(クリス・クーパー)らを乗せた船が嵐に出遭い沈没、王たちは孤島に漂着するもそこは、12年前にアントーニオの姉で前ミラノ大公のプロスペラが(ヘレン・ミレン)追放された島だった…。当然ながら元のシェイクスピアの作品は知りません。作品そのものが全くの初耳です。その上でまず思ったのは、別にこの作品を映画にする必要があるだろうかということ。主人公を男性から女性に変えただけで基本的にシェイクスピアの戯曲である以上、物語に対してどうこう言うつもりはないのですが、観ているとあまりにもあからさまに舞台そのものなのです。
ヘレン・ミレンはじめ、ベテランの実力派が揃った俳優陣のひたすら芝居がかった演技は、恐らく「テンペスト」をオフ・ブロードウェイで演出した経験があるというジュリー・テイモア監督の演出なのでしょう。他にも、シーンの変わり目が、舞台のシーンの変わり目と同じで、登場人物が変わる度に舞台だったら背景も変わって次のシーンに入ってゆくのだろうなと想像できるのです。それが悪いとは全く思わないですが、せっかく生身ではない映像の良さを活かし切っていないように感じました。例えばパラレルに進行している物語を映像編集を駆使して1つに融合するのではなく、順番に見せていったり…。結果的に映像化された利点は、要請や魔法のグラフィックがCGになったことぐらい。
さて、そもそもこの嵐はプロスペラが妖精エアリエル(ベン・ウィショー)を行使し引き起こしたもので、全ては彼女の復讐計画の一部だったのです。一行はエアリエルによって3つのグループに分かれて漂着させられます。それはナポリ王アロンゾー、アントーニオ、王弟セバスチャン(アラン・カミング)、老顧問官ゴンザーロー(トム・コンティ)の4人、道化師トリンキュロー(ラッセル・ブランド)と酒蔵係ステファノー(アルフレッド・モリナ)の2人、そして王子のファーディナンド(リーヴ・カーニー)の3組。ザックリ言えばプロスペラはミランダとファーディナンドを結びつけ次期王の義理の母として復権を目論むと言うわけ。この辺案外生臭い話なんですね。
2人が出会った瞬間恋に落ちるのは何だか妙にワザとらしくて腑に落ちないけれど、何気にこの時点で半分以上はプロスペラの目論見は成功しているように思えます。あとは残りの2組が島を放浪するなかで起こる物語を描き出しているのでした。王たちの組ではアントーニオやセバスチャンの王に対するどす黒い野望を描いたり、はたまたトリンキュローたちの組ではプロスペラの奴隷・キャリバン(ジャイモン・フンスー)が彼女を裏切って彼らと共に島を乗っ取ろうとする野望を描く、こうしてみてみると本作のメインテーマは“裏切り”ではないかと思えるほど。もっとも全ての裏切り行為は最終的にはプロスペラによって打ち砕かれることになるのですけど。
アカデミー賞の衣装デザイン賞にノミネートされただけあって、中世ヨーロッパの衣装は独特のセンスが光ります。それは古典なのだけれど、どこか現代風でもあるというような感じ。結局先に書いたCGで描き出された妖精も含め、映像表現そのものは素晴らしいので、後はもう個人の好みの範疇という気がします。予告編の段階では「LOTR」並みの壮大さを期待していたけれど、ファンタジーとしての期待をかけすぎるとちょっと拍子抜けするかもしれません。これを観て舞台が観たくなるかといえば……私の答えは否でした。
個人的おススメ度
2.5
今日の一言:映画としてはあんまり好みじゃないな…
総合評価:62点

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» 『テンペスト』 (2010) / アメリカ [Nice One!!]
原題: THE TEMPEST
監督・脚本: ジュリー・テイモア
原作: ウィリアム・シェイクスピア
出演: ヘレン・ミレン 、ラッセル・ブランド 、リーヴ・カーニー 、トム・コンティ 、クリス・クーパー
試写会場: スペースSF汐留
公式サイトはこちら。
お誘いをいた...... [続きを読む]
受信: 2011年6月14日 (火) 03時58分
» テンペスト [あーうぃ だにぇっと]
5月31日(火)@スペースFS汐留
会場は80%以上女性の観客で満員。
映画の内容は特に女性向けとも思えない。
残念ながらこの映画もあまりヒットしないのではないか?
TOHOシネマズシャンテで来週公開になるが、わりと早く打ち切りになると予想。... [続きを読む]
受信: 2011年6月14日 (火) 05時12分
» 『テンペスト』('11初鑑賞81・劇場) [みはいる・BのB]
☆☆☆-- (10段階評価で 6)
6月11日(土) シネ・リーブル神戸 シネマ1にて 16:20の回を鑑賞。 [続きを読む]
受信: 2011年6月14日 (火) 21時07分
» テンペスト [映画、言いたい放題!]
舞台俳優の仕事をしているので
シェイクスピアのメジャーな作品は一通り読んでいるのですが、
実はあまり好きではないです。(爆)
でもヘレン・ミレンが
元々男で設定されているプロスペローを演るというのは
興味あります。
試写会に招待して頂いたので行くことにしました。... [続きを読む]
受信: 2011年6月15日 (水) 14時14分
» テンペスト [象のロケット]
ナポリ王アロンゾーは、娘の婚礼からの帰途、海上で突然の大嵐(テンペスト)に遭い、息子ファーディナンド、弟セバスチャン、ミラノ大公アントーニオらとともに、絶海の孤島へとたどり着く。 そこは、12年前に彼らが追放したミラノ女大公プロスペラが一人娘ミランダと暮らす島。 魔術の腕を極め妖精を駆使するプロスペラは、復讐のため嵐を起こしたのだった…。 ファンタジー。... [続きを読む]
受信: 2011年6月15日 (水) 22時15分
» *『テンペスト』* ※ネタバレ有 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2010年:アメリカ映画、ジュリー・テイモア監督&脚本、ウィリアム・シェイクスピア原作、サンディ・パウエル衣裳、ヘレン・ミレン、トム・コンティ、デヴィッド・ストラザーン、ジャイモン・フンスー、アルフレッド・モリナ、ベン・ウィショー、ラッセル・ブランド、フェ...... [続きを読む]
受信: 2011年6月15日 (水) 23時50分
» テンペスト/ヘレン・ミレン、ラッセル・ブランド [カノンな日々]
シェイクスピアの作品は英語教材も含めて有名なのはいくつか読んだことありますけど、この作品については全く知りませんでした。シェイクスピア最後の同名戯曲をミュージカル『ラ ... [続きを読む]
受信: 2011年6月16日 (木) 23時07分
» テンペスト [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評]
テンペスト シェイクスピア全集 〔36〕 白水Uブックス文豪シェイクスピアの最後の戯曲を、主人公を女性に変えて大胆に演出したファンタジー活劇。アヴァンギャルドな衣装が見所だ。 ... [続きを読む]
受信: 2011年6月17日 (金) 08時21分
» テンペスト [映画の話でコーヒーブレイク]
日比谷シャンテでしか見れないと思っていた「テンペスト」。
ららぽーと横浜のTOHOシネマズ上映中ではないですか!?
電車で行くと遠いのですが、車で行けば以外に近いことに気づき早速行ってきました。
原作がシェイクスピアであることは知っていましたが、本を読んだこ...... [続きを読む]
受信: 2011年6月19日 (日) 15時06分
» テンペスト [小泉寝具 ☆ Cosmic Thing]
アメリカ
ドラマ
監督:ジュリー・テイモア
出演:ヘレン・ミレン
ラッセル・ブランド
リーヴ・カーニー
トム・コンティ
【物語 ... [続きを読む]
受信: 2011年6月20日 (月) 15時36分
» テンペスト [風に吹かれて]
赦し公式サイト http://www.tfc-movie.net/tempestシェイクスピア作品の映画化監督: ジュリー・テイモア 「タイタス」 「フリーダ」 「アクロス・ザ・ユニバース」ナポリ王 [続きを読む]
受信: 2011年6月27日 (月) 14時39分
» 「テンペスト」 [或る日の出来事]
やっぱり、ジュリー・テイモア監督だな。このヘンな味覚は。 [続きを読む]
受信: 2011年7月 1日 (金) 22時53分
» 映像でシェイクスピアを [笑う学生の生活]
24日のことですが、映画「テンペスト」を鑑賞しました。
シェイクスピア最後の作品である本作
いやー かなり好きでしたね
好みは分かれそうですが
シェイクスピアであり、舞台監督出身のジュリー・テイモアということで
舞台色を強く感じました
まぁ そこが好みでも...... [続きを読む]
受信: 2011年7月 3日 (日) 15時47分
» テンペスト [『映画評価”お前、僕に釣られてみる?”』七海見理オフィシャルブログ Powered by Ameba]
私に抱かれて、世界よ眠れ。
世界史上最も偉大な劇作家W.シェイクスピアのラスト・メッセージ!
英国の劇作家・ウィリアム・シェイクスピアの最後の戯曲「テンペスト」をアレンジし映画化。
ナポリ王アロンゾ... [続きを読む]
受信: 2011年7月 5日 (火) 00時28分
» テンペスト [悠雅的生活]
嵐の中の難破船。孤島での復讐。美しい人間たち。 [続きを読む]
受信: 2011年7月13日 (水) 22時29分
» テンペスト [キノ2]
★ネタバレ注意★
シェイクスピアのテンペスト、ジュリー・テイモア監督バージョン。
キモは、本来男性であるミラノ大公プロスペロの役を、女性であるヘレン・ミレンが演じていることです。
とにかく衣装が見事であります。エッジィでかっこいい! ゴージャスでユニーク! エミなの? ワダエミなの? と見まごうテイストですが、衣装デザインはサンディ・パウエルとゆーひとで、2010年のアカデミー賞で衣装デザイン賞にノミネートされています。ヘレン・ミレンの衣装とか、そのままパーチーに着て行けそう... [続きを読む]
受信: 2011年7月26日 (火) 19時13分
» テンペスト [Diarydiary!]
《テンペスト》 2010年 アメリカ映画 - 原題 - THE TEMPEST [続きを読む]
受信: 2011年7月27日 (水) 21時21分
» 映画『テンペスト』を観て [kintyres Diary 新館]
11-41.テンペスト■原題:TheTempest■製作年・国:2010年、アメリカ■上映時間:110分■字幕翻訳:佐藤恵子■鑑賞日:7月1日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)■料金:1,000円
□監督・脚本・製作:ジュリー・テイモア□原作:ウィリアム・シェイクスピア□撮影監...... [続きを読む]
受信: 2011年8月 8日 (月) 23時22分
» テンペスト [だらだら無気力ブログ]
シェイクスピア最後の作品として知られ、2011年に執筆400周年を迎える 「テンペスト」を大胆な解釈を加えて実写化。 オフ・ブロードウェイで同戯曲の演出経験があるジュリー・テイモアが 監督を務め、肉親の陰謀で国を追われたミラノ王プロスペローを女王に 置き換え、古…... [続きを読む]
受信: 2011年8月27日 (土) 13時28分
» 嵐が来たりて船沈む ジュリー・テイモア 『テンペスト』 [SGA屋物語紹介所]
『タイタス』や『アクロス・ザ・ユニバース』など、独特の衣装センスで知られるジュリ [続きを読む]
受信: 2011年9月14日 (水) 15時38分
» テンペスト [映画とライトノベルな日常自販機]
恥ずかしながら本や舞台、映画などあらゆるメディアの中でシェイクスピアの作品に触れたのは初めてです。 原作ではプロスペラスは前ミラノ大公のプロスペローとなっていますが、これを女性に置き換える監督のアイデアは、復讐に燃える女性の強さ、娘と王子の恋愛を見守る母性、罪を赦す慈愛などをより明確に表現しているのではないかと思います。 冒頭の嵐に襲われる船のシーンと、プロスペラスの住まいのシーン以外は、すべて原野が舞台となっています。 映画ですから、多少手を入れたり視覚効果を加えたりはあるでしょうけど、CG... [続きを読む]
受信: 2011年9月25日 (日) 23時41分
» テンペスト [迷宮映画館]
ジュリー・テイモアならではのぞくぞくするタッチ! [続きを読む]
受信: 2011年10月 6日 (木) 13時57分
» テンペスト [C'est joli〜ここちいい毎日を〜]
テンペスト'10:米◆原題:THE TEMPEST◆監督:ジュリー・テイモア「アクロス・ザ・ユニバース」◆出演:ヘレン・ミレン、ラッセル・ブランド、リーヴ・カーニー、トム・コンティ、クリス ... [続きを読む]
受信: 2011年12月19日 (月) 17時07分
» テンペスト [C'est joli〜ここちいい毎日を〜]
テンペスト'10:米◆原題:THE TEMPEST◆監督:ジュリー・テイモア「アクロス・ザ・ユニバース」◆出演:ヘレン・ミレン、ラッセル・ブランド、リーヴ・カーニー、トム・コンティ、クリス ... [続きを読む]
受信: 2011年12月20日 (火) 13時46分
» テンペスト [新・映画鑑賞★日記・・・]
【THE TEMPEST】 2011/06/11公開 アメリカ 112分演出:ジュリー・テイモア出演:ヘレン・ミレン、ラッセル・ブランド、リーヴ・カーニー、トム・コンティ、クリス・クーパー、アラン・カミング、ジャイモン・フンスー、フェリシティ・ジョーンズ、アルフレッド・モリナ...... [続きを読む]
受信: 2012年4月13日 (金) 23時47分
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