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2011年6月23日 (木)

東京公園

Photo 小路幸也原作の同名小説を映画化。とあるカメラマン志望の青年が、都内の様々な公園を散歩する人妻を隠し撮りするようにその夫から依頼される。それがきっかけで青年の周囲にいるにいる女性たちとの関わり方に変化が生じるのだった…。主演は『君に届け』の三浦春馬。共演に榮倉奈々、小西真奈美、井川遥といった美人女優が出演している。監督は久々の長編となる青山真治。
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光司の成長がもたらす化学反応は…

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不思議な温かさ、穏やかさに包まれた作品でした。それは主演の三浦春馬の透明感のある姿だけでなく、彼を取り巻く3人の女性、榮倉奈々、小西真奈美、井川遥がそれぞれ持っている女優としての魅力によるものと言えるような気がします。主人公の光司(三浦春馬)は幼い頃に亡くなったカメラマンの母(井川遥)の影響でカメラマンを志望していました。公園で家族写真を撮ることライフワークにしている彼でしたが、ある日公園で娘を連れた女性(井川遥)を見かけます。何かに惹かれるように遠くから彼女の写真を撮る光司。ところが、その様子を歯科医の初島(高橋洋)に見つかってしまい、無断で撮影していることを咎められることに…。

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ところが、後日初島はその母娘を尾行して写真を撮るように依頼するのです…。まあこの時点で誰でもこの母娘が初島の妻子であることは解るでしょうが、そもそも何故そんなことを?観ている我々と同じ想いを抱きながらも、光司は半ば無理矢理その依頼を引き受けさせられます。依頼を受けて尾行するという役目は今ひとつ気乗りしない彼ですが、元々その母娘に何か惹かれるものを感じていただけに、これはある面渡りに船。この後彼の部屋に、亡き母のセルフポートレートのパネルが飾ってあるのを観た時、なるほど光司は自分の母親の面影を追っていたのだと解ります。もっとも劇中では本人は幼なじみの富永(榮倉奈々)に指摘されるまで気付かなかったようですが…。

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この母娘が東京中の公園を散歩してまわり、それを光司が尾行しているというのがタイトル『東京公園』の理由でしょう。ただ本作の場合はこの尾行する行為そのものが重要というより、この仕事?をきっかけとして幼なじみの富永(榮倉奈々)や義理の姉・美咲(小西真奈美)との距離感が変わってゆくところにあります。そもそも光司はこの2人の女性の気持ちに鈍感なだけでなく、自分の気持ちにも鈍感。そんな彼が徐々に変化を見せると、それに触発されて2人の女性にも化学変化が起こってゆきます。ただ個人的には尾行している女性が自分の母の若かりし頃にソックリだと気付かないというのはちょっとどうかと思いますが…。第一目が合ったこともあるぐらいなのですから。

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富永は光司の親友ヒロ(染谷将太)の恋人でした。でしたというのはヒロが既に亡くなってしまっているから。恋人の死を受け入れられない彼女が明るく振舞っているのをそのまま受け取ってしまう光司はとてもどかしい…。流石にヒロがゾンビで戻ってきても驚かないようにゾンビ映画ばかり観ていたという話はちょっと笑ってしまったのだけれど、それは富永の明るい性格上に宿る深い哀しみを上手く表現した結果のようにも思えました。榮倉奈々の印象自体が富永の元々のキャラクターと重なるように見えるため、今回の彼女は無理のない演技が出来ていたように思います。一方で三咲は光司のはなしを聞き、自分の心の中に大切に、そして理性で封じ込めてきた光司への愛情を徐々に抑えられなくなって行きます。

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光司が富永のアドバイスで三咲に対する自分の中の想いに気付いてからがこの作品のクライマックス。三咲の家で彼女を撮影する光司。彼に撮られるためにわざわざメイクする三咲の気持ちが、単に写真に撮られるからだけでないことは当然です。そして三浦春馬が照れまくったと評判のキスシーン。一切のセリフはないけれど、こんなに想いのこもったキスシーンも中々ありません。こういう時、普段キスする文化がない日本人だからこそ、その重みを一つの行為の中に観ることが出来ます。全体として緩やかな空気感のなかに、人の想いの移り変わりや係わり合いが込められた素敵な作品でした。

個人的おススメ度3.0
今日の一言:さすがは元祖癒し系・井川遥
総合評価:67点

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» 東京公園〜永遠の中のアンモナイト [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。 小路幸也原作、青山真治監督、三浦春馬、井川遥、榮倉奈々、小西真奈美、高橋洋、染谷将太、長野里美、小林隆、宇梶剛士、島田雅彦。カメラマン志望の学生、光司(三 ... [続きを読む]

受信: 2011年6月23日 (木) 09時54分

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受信: 2011年6月23日 (木) 11時36分

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受信: 2011年6月23日 (木) 13時06分

» 東京公園 [象のロケット]
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受信: 2011年6月23日 (木) 19時22分

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受信: 2011年6月23日 (木) 23時51分

» 東京公園 [とりあえず、コメントです]
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受信: 2011年6月25日 (土) 06時02分

» 東京公園 [だらだら無気力ブログ]
人気作家・小路幸也の同名青春小説を「EUREKA ユリイカ」「サッド  ヴァケイション」の青山真治監督が映画化。 ひょんなことから、都内のさまざまな公園を散歩する人妻を隠し撮りする ことになったカメラマン志望の青年が周囲の人々と織りなす切なくも あたたか…... [続きを読む]

受信: 2011年6月26日 (日) 00時44分

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2011/10/22  Movie heart beat vol.1185 ++++++++++++++++++++++++++++  青山真治監督脚本。三浦春馬、榮倉奈々、小西真奈美出演。  プロのカメラマン ... [続きを読む]

受信: 2011年10月22日 (土) 23時47分

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受信: 2011年10月23日 (日) 22時38分

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受信: 2011年12月25日 (日) 21時59分

» 『東京公園』『インモータルズ -神々の戦い-』『friends もののけ島のナキ』『50/50 フィフテ ィ・フィフティ』 ベスト・オブ・ベスト アワード2011 [映画のブログ]
 ムービープラスとユナイテッド・シネマとau one 映画 が共同で実施しているベスト・オブ・ベスト アワード2011。  その4部門に投票したので、内容を紹介する。  投票に当たっては、例によって当ブログ...... [続きを読む]

受信: 2012年1月 4日 (水) 18時57分

» 東京公園 [食はすべての源なり。]
東京公園 ★★★★☆(★4つ) 家族写真を撮るカメラマン志望の青年と、彼を取り巻く立場の違う3人の女性との関係を映し出す。 ひとりは亡くなった親友(染谷将太)の元カノ(榮倉奈々)。 ひとりは血の繋がらない姉(小西真奈美) ひとりは記憶の中の誰かに似ていた(井川遥) 賛否両論の評価に映画館まで足を運べなかったけど、かなり楽しみにしていた作品です。 好きだな~、こういう世界観。 日常の人間... [続きを読む]

受信: 2012年2月 7日 (火) 00時05分

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