SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2011
今年もこの季節がやってきました。当サイト一押しの片岡翔監督は新作『SiRoKuMa』で「ストップ!温暖化部門プログラム」に参戦です。一昨年も同じ部門に『28』で参加していますが、考えてみるともうあれから2年経つのか…とちょっと感慨深かったり。で、結論から言いますが、今回も間違いなく翔監督の作品が贔屓目なしに1番面白かった。というより、3年前より他の作品のレベルが下がっている気がします。みんな温暖化の部分に囚われすぎなんですよね。映画ですからそこは先ずどれだけ楽しく観られるのかが第一でしょうに。もちろん楽しくというのは単純に笑えるという意味ではありません。
で、全作品を紹介しようと思ったのですが、ほんの5日前に観たのにあんまり記憶に残ってない…。とりあえず全ての紹介はSSFF公式ページからどうぞ。ちなみにWEBサイトの作りとしてはダメダメです。横スクロールとかどう考えても作り手の自己満足でしかありません。これを制作したWEBデザイナーには猛省を求めます。というかプロの仕事じゃない。あ、WEBはどうでもいいですね(笑)
『SiRoKuMa』 シロクマ 監督:片岡翔 |
監督のコメディ映画は初めてみました。これはもう間違いなく面白い。主演の芹澤興人さんは第二回下北沢映画祭で準グランプリを獲った今泉力哉監督の『最低』の主演も務めていた個性派俳優です。とにかくこの人がそこにいるだけで面白い。今回は妊娠中の妻をもつ夫役。彼がお腹の中の子供と実に軽妙な会話劇を繰り広げてくれるのです。しかも子供は何故か関西弁(笑)いつも通り監督の拘りである細かい小道具も「ぷっ」とスパイスが効いたものや、「そりゃ○○やんけ!」と突っ込みを入れたくなるものとかが普通に登場します。一見ただのコメディなのだけれど、温暖化がもたらす一番の影響を受けるのは子供たちの未来だという意味で、ヒューマンドラマな部分を織り込みつつ上手い具合に警鐘を鳴らしているのが実に巧妙でした。
先に書いた通り『SiRoKuMa』以外はどんぐりの背比べで大した作品はありませんでした。そもそもドキュメンタリーが3本ありますが、この部門でドキュメンタリーというのは映画祭としてどんなもんなの?こういうメッセージ性のある部門でドキュメンタリー作品を持ってこられたらそのものズバリでしかないワケで。そんな中でもチョットだけ気になった作品が次の2つ。
『Heat Wave』 怒りの温度 監督:Mirel Bran |
田舎道で迷子になったドライバーが道端に座っている人々に道順を聞くのだけれど、その行き方で揉め始め大喧嘩になってしまう…。話としてはそれだけなのだけど、温暖化による気温の上昇と人間の感情がヒート・アップするところをかけているのが中々上手いと思ったのでした。
この作品、内容的には全然意味不明。正直映像からは何が言いたいのか解りませんでした。一応地球温暖化によって海水の水位が上昇し近代文明を飲み込んでしまうってことでよいのかな?キーボードやマウス、フロッピーディスクといったPC関連パーツ作り上げられた都市は現代文明そのもの。カーテンというかテーブルクロスというか、そういった布で波を表現していたりと、とにかく表現上の狂うが良くできていた作品でした。 とりあえず「地球温暖化部門」の作品は今週末6月24日(金)は原宿ラフォーレミュージアムで、6月26日(日)はみなとみらいのブリリアショートショーツシアターで上映されます。お近くの方は是非! |
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