X-MEN：ファースト・ジェネレーション／X-Men: First Class

大人気の「X-MEN」シリーズ最新作。今回では若き日のプロフェッサーＸとマグニートーの出会いから別離、そしてX-MEN誕生の秘話に迫る。主演は『つぐない』のジェームズ・マカヴォイとマイケル・ファスベンダー。共演にケヴィン・ベーコン。『キック・アス』のマシュー・ヴォーンが監督を務めたほか、シリーズ１，２作目の監督ブライアン・シンガーも製作として復帰した。
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まさにＸ－ＭＥＮ誕生秘話！

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ヒュー・ジャックマンのはまり役で知られる大人気シリーズ『Ｘ－ＭＥＮ』の５作目。１，２，３と来て前作ではウルヴァリン誕生の秘話に迫ったけれど、今回はさらに時間を遡り、プロフェッサーＸとマグニートーの出会いからを描いた、正にＸ－ＭＥＮ誕生の秘密に迫る作品です。大ヒットした『キック・アス』のマシュー・ボーン監督を迎えると共に、１と２で監督を務めたＸ－ＭＥＮの生みの親ブライアン・シンガーも製作として復帰。冷戦時代のキューバ危機にミュータントたちが絡んでいたという壮大なスケールの話が展開します。プロフェッサーＸはパトリック・スチュワート、マグニートーはイアン・マッケランのイメージが強いので、今回それぞれを演じるジェームズ・マカヴォイとマイケル・ファスベンダーには弱冠の不安を抱いていたのだけれどそれは杞憂でした。

ただ見た目的にジェームズが童顔系なせいかマイケルと年が離れているようにも見えます。実際にはマイケルの方が２つだけ年上なだけなんですが。ジェームズは髪こそフサフサですが（笑）、見ているうちにチャールズ（後のプロフェッサーＸ）そのものになっていくんですね。能力を使う時のこめかみに指を当てたりする仕草はもとより、若かりし時から穏やかでかつ冷静沈着なその行動、しかしリーダーシップはしっかり発揮するという姿が、パトリックの姿と重なるのでした。彼は子供の頃にミスティークに出会い、以後２人は共に成長してきます。ミスティークと言えばマグニートーの側の仲間として有名ですが、最初はチャールズのことを好きだったとは…。やがて自分の本質をそのまま愛してくれるエリック（後のマグニートー）に惹かれて行くのですが。

っとまあ、シリーズを観ている中で気になる人間関係の一つがちゃんと描かれている辺りはファンにとっては嬉しいところですね。ちなみにミスティーク役は『あの日、欲望の大地で』で好演を見せてくれたジェニファー・ローレンス。２１歳になった彼女はちょっとポチャッとしたかな？一方のエリック、彼の気性の荒さや、人間不信の根源となっているのが今回の敵となるセバスチャン・ショウ（ケヴィン・ベーコン）の存在。簡単に言えば母親の仇であり、彼の力を引き出した張本人です。この根源的な部分は相当に根深く、チャールズとエリックが親友になりながらも、結局本質的な部分では相容れないのも、そのせいと言って良いぐらい。まあそうだとしてもエリックの磁力で金属を自在に操る能力はやっぱり凄い！しかも本作ではそれが味方についているだけに頼もしいの一語です。

クライマックスで見せてくれる潜水艦を持ち上げるシーンは余りにダイナミックで思わず手に汗握ります。シリーズを観ているとチャールズとエリックが手を組んだら無敵かと思うのだけれど、どうして中々ショウが強敵。エネルギーを自分の体に吸収し若さを保ち、そのエネルギーを自在に操れるというのが彼の能力で、それ故に本当ならじい様になっている年なのに若いままという…。ケヴィン的には実に都合の良い役だったりもします（笑）さて、最初にキューバ危機にミュータントたちが絡んでくると書きましたが、正確に言うとショウの組織するミュータント集団が、米ソを第三次世界大戦に引きずり込み共倒れにさせ、ミュータントが世界制服をするという計画。邪悪です。しかし邪悪なのがケヴィンには良く似合う。ベテランの怪演は本作に芯を一本通していました。

ちなみにショウの側にもテレパシーの使い手エマがいて、それが故に双方の武器を相殺しあってしまいます。どこかで観たと思ったら『アンノウン』でリーアムの妻役立ったジャニュアリー・ジョーンズでした。彼の作品の時も書きましたが美人です。鼻の下のホクロがセクシーです。話が逸れました。チャールズとエリックはそれぞれの思惑や理想を胸に秘めながらショウたちと戦うことに。それぞれのミュータントたちがそれぞれの能力を駆使して繰り広げる戦いは圧巻！口から超音波を発して文字通り口撃したり、それで空を飛んだり、エネルギーの塊をぶち当てて攻撃したり、竜巻を自在にあやつったり、煙のように消えて瞬間移動したり…。ここのミュータントが個性的な能力を発揮して戦うシーンこそＸ－ＭＥＮシリーズの一番の見所で、タダひたすら心が躍ります。

ただテレパシー能力で相手の動きを止めるというチャールズの力はどういう仕組みなんだろう…。どのみち超能力に理屈を求めても仕方ないですがちょっと知りたくもありました。ただこの戦いで皮肉だったのは、エリックとショウが同じように人類を敵と捉えていること。チャールズたちやショウたちをミサイルや艦砲射撃で殺そうとする米ソ両国。それはＸ－ＭＥＮシリーズの普遍的なテーマでもある人類のミュータントに対する侮蔑や恐怖や敵意の発露に他なりません。それらの弾丸全てをその能力で止めて反撃するエリックとそれを止めようとするチャールズ。２人の理想のぶつかり合いの結果がチャールズの車椅子という形だったとは…。本作では様々な事象が後の出来事に繋がってくるので、その繋がりを楽しむには前作までは観ておいた方が良いと思います。

個人的おススメ度4.0
今日の一言：途中サプライズがありますよ！
総合評価：82点

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