デス・レース2
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バカバカしいけれどマリオカートがハードになったかのようなゲームっぽさが実に楽しかった前作。本作は名前的には“2”ですが、時期的にはデス・レースの由来が明らかになる物語で『デス・レース ビギンズ』といったところです。更に言うと、前作の主人公ジェンセン(ジェイソン・ステイサム)は、レース中に殺されてしまった帝王“フランケンシュタイン”の代役として連れてこられ活躍しましたが、今回はその“フランケンシュタイン”が生まれる『フランケンシュタイン ビギンズ』でもありました。前作監督の:ポール・W.S.アンダーソンは今回プロデュースに回りましたが、テイストそのものは残っていると思います。ただし、脚本と俳優がどうもいま一つ…。
押しも押されぬ一流アクションスターのジェイソン・ステイサムと比べたら可哀想ではありますが、主演のルーク・ゴスにあまりにも魅力がない。最近では『ヘルボーイ・ゴールデン・アーミー』や『TEKKEN -鉄拳-』にも出ていたらしいけれどかなりの脇役でまるで記憶に残らない程度の存在感。どう見てもケンカに強いとは思えない体つきと、だからと言って女性を虜にするような色気も感じられないとあっては、何とも共感して応援しづらい主人公としか言いようがありません。むしろ彼の演じるカールのメカニックになるゴールドバーグ役のダニー・トレホや、彼を殺そうとする犯罪組織のボス・マーカス役のショーン・ビーンの方が遥かに存在感がありました。
そもそも民間刑務所ターミナル・アイランドは最初から「デス・レース」をやっていたわけではなく、最初は古代パンクラチオンならぬ「デス・マッチ」を行っていたのですね。カールは銀行強盗に失敗して逮捕されそこに送り込まれ、否応なく「デス・マッチ」に駆り出されるのですが、丁度そのタイミングで「デス・マッチ」の視聴率がガタ落ちになり始めます。そこで起死回生の一手が「デス・レース」というワケ。一応この「デス・マッチ」時代にいわゆる“遺恨”というやつを作っておいて、それを「デス・レース」に持ち越すというよく言えば手堅い、悪く言えばなんの捻りもない脚本。まあそれは良いとしても、仮にも「デス・レース」をタイトルに謳っているのに既にここまでで52分経過…。
全体尺の半分以上本題に入らないというのはいかがなものか。正直言って最初から52分目までは早送りしても良いぐらいです。さて、どういう理由か解らないけれど選ばれた18人のうち、早い者勝ちで9台の車を奪い合いいよいよ「デス・レース」開始。ただし先に触れたとおり主人公カールを含めて2組4名の遺恨対決がある以上もう最初から残り5人には死亡フラグ立ってるわけですが(笑)ちなみに4人のうちの1人はロビン・ショウ演じる14K、彼だけは前作にも登場したメンバーです。ということは逆に言えば彼は絶対に死なないことも決定しちゃってるという話も…。お約束の“剣マーク”と“盾マーク”を踏むとそれぞれ攻撃用と防御用のシステムが起動するのはもちろん同じ。
カールが素晴らしいドラテクの持ち主なのは認めます。普通のカーチェイスならもう大満足なんでしょうが、本作はそれじゃ満足できない。武器や防具の使い方も前作の方が大胆かつ思い切りの良い使い方で、今回はどうもチマチマ。ただ唯一驚いたのは、カールのフォード・マスタングに熱追尾ミサイルが見事に命中、彼が火達磨になって死んでしまうこと。実はこの死には理由があって、フランケンシュタインとして鉄マスクを被って登場するための必然性が込められていました。それは一言で言えば「死ぬことで命を守る」ということ。これに関しては成程と感心したのでした。それにしてもここまでもったいぶって作り上げたキャラクターにも関わらず、前作頭では既に死んでいるのだからなんとも皮肉です。前作を観てからでないと全く乗れないのは間違いないです。
個人的おススメ度2.5
今日の一言:間違いなくパワーダウンしてる…
総合評価:57点
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