シャッフル2 エクスチェンジ
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たとえDVDでも観なければ良かったと後悔。『シャッフル』ですらその奇抜なアイディアと女優サンドラ・ブロックの2点しか見所がない作品だと余り評価していないけれど、本作はそんなレベルでは語れないほど酷い作品でした。というか、そもそも前作『シャッフル』は7つの曜日がバラバラに入れ替わってしまう正しくシャッフル状態だったのだけれど、この作品はある兄弟の人格が入れ替わってしまうというだけ。それも入れ替わった状態で兄弟が登場するならともかく、弟の方しか出てこないのだかからシャッフルの意味が無い。そもそも事故で人格が入れ替わる話など今更珍しくもなんともない話なのだから、そこをどれだけ見せてくれるのかが監督の腕の見せ所だと思うのだけれど…。
女性弁護士のジェス(サラ・ミシェル・ゲラー)とライアン(マイケル・ランデス)はアツアツな夫婦。しかし弟ローマン(リー・ペイス)が保護観察で家にやってきたことからおかしくなる。後でわかるのだけれど、ローマンの方が先にジェスと知り合っていたらしく、早い話が弟は兄貴の女房に惚れていたというワケ。で、ある霧深い日にこの兄弟が運転する車が事故で衝突、意識不明の重態に陥るのだけれど、ローマンだけが奇跡的な回復を遂げるのです。で、このローマンの人格がライアンになっていたというお話。最初は信じていないジェスだけれど、ライアンと自分しか知らないはずの事実を知っていたことで、ローマンを夫だと信じるのでした。そもそもこの設定が根本的に弱い。
大体それでセックス→妊娠とは、幾らなんでも拙速というものでしょう。仮に本当に人格がライアンだったとしても体はローマンなんです、なんのためらいもなく抱かれるジェスの気持ちが解らない。既にこの時点でオチは読めるのだけれど、最初のうちはこの状態にライアンがどう絡んでくるのかに注目していました。例えば彼が起きたら本当にローマンの人格になっているだとか、或いは彼が起きたらローマンが本物に戻るだとか。ところが最初に書いた通り彼は延々ベッドで意識不明のまま登場せず。ただ時々発作を起す時に登場するのですが、そんな時は必ずローマンともシンクロして、彼も胸を押さえてうずくまるなんて姿が見られます。双子なら聞いたこともありますが、何でただの兄弟が?
一応この兄弟、設定上はとても仲が良いらしい。確かにジェスがローマンを嫌った時に、それを庇うライアンというシーンはあるけれど、たかだかそんなシーンだけで2人の肉体状況をシンクロさせてしまうのは明らかにやりすぎ。結局最終的に彼女はローマンがライアンに成りすましていただけという証拠を掴みます。正体がバレたローマンは彼女を組み伏せるのだけれど、そこでライアンに発作が。意識はなくても妻を守る夫の愛とでも言いたいのでしょう、それに乗じて反撃したジェスはライアンを殺します。1番意味不明なのはこの後。そもそも夫に成り済まされていたと解った時点で、お腹の子供に対する葛藤が何もないというのはどういうことなのか。レイプされて妊娠したのと同じなのに。
しかも未だ意識不明のライアンの枕元で、あなたが戻ってきた時には私が側にいる云々のセリフは、彼女が服役することを意味しているのか?まあ今となってはどちらでも良いのだけれど。いずれにしろ、こんなにも登場人物に感情移入できない作品も珍しいと思います。いや強いて言うならローマンの恋人ケイシーか。ローマンの事を本当に愛し、彼にライアンの人格など乗り移っていないことを見抜いていた彼女はそれ故に愛するローマンに殺されることになるのだから。ハッキリしていることは、こんな作品はお金を取って見せるレベルにないということ。レンタルでも。
シャッフル |
個人的おススメ度1.0
今日の一言:あっという間にワースト塗り替え…
総合評価:30点
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