大鹿村騒動記
俳優・原田芳雄の遺作。公開初日に舞台挨拶に出席したもののそれから僅か3日後に帰らぬ人となってしまった。長野県の大鹿村に300年以上伝わる「大鹿歌舞伎」。その後援を日後に控えたあるひ、駆け落ちした妻が帰ってきた…。共演に大楠道代、岸部一徳、松たか子、佐藤浩市、三國連太郎ら日本映画界を代表するスターが揃う。監督は『どついたるねん』、『行きずりの街』 の阪本順治。>>公式サイト
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スケジュールが合わず、平日に鑑賞しようと思っていた矢先に主演の原田芳雄さんの訃報が飛び込んできた。11日舞台挨拶には出席されたものの声が出ず、石橋蓮司さんにメッセージを読んでもらっている様子はテレビで観ていたが、よもやそこから僅か数日で逝かれてしまうとは…。最後の主演作品を心に刻むべく丸の内TOEIに足を運ぶことに。平日最終回故に観客の入りは恐らく半分にも満たない程度。しかし本編終了と共に拍手が巻き起こった。もちろん私も心を込めて拍手した。みんな俳優・原田芳雄との別れを惜しんでいたのだろうな。基本的にはコメディ作品で、ラストシーンも本来なら笑って終わるところなのが、スクリーン一杯に大写しになる原田さんの顔が思わず涙で霞んでしまった。
長野県大鹿村に300年以上伝わる「大鹿歌舞伎」。この公演を5日後に控えたある日、親友の治(岸部一徳)とともに18年前に駆け落ちした妻・貴子(大楠道代)が戻ってきた。彼女は脳の病で記憶を失いつつあり、彼女が手に負えなくなった治は善(原田芳雄)に彼女を返しに来たのだ。物語はそんな一風変わった状況から、公演終了後までの出来事をコミカルにかつ人情たっぷりに描いてゆく。それにしてもよくもまあこれだけの俳優を集めたものだと思うほどに豪華なキャスティング。村人として佐藤浩市、松たか子、瑛太、石橋蓮司、三國連太郎、冨浦智嗣、小倉一郎、でんでん、小野武彦、加藤虎ノ介ときっと顔を見たら誰でも知っている俳優ばかり。
物語のメインストリームは善、貴子、治、雷音(冨浦智嗣)の4人を主体に進んでゆくのだが、前半はこれが本当に声をだして笑えるほど面白い。単純に小ネタで笑わせるのではなく、名優たちがその芝居で笑わせてくれるのだ。個人的にツボだったのは貴子の父・義一(三國連太郎)と善、治の3人での掛け合い。会話を書いても意味が無いので書かないが、義一の至極真面目な問いかけと、善の渋い受け答え、そして治のボケという3つの会話のタイミングが絶妙過ぎる。計算ではなくてあくまで自然体でそれぞれの人となりを表現しているのだ。ここだけではなく、そんなシーンが随所にあり、正に俳優の演技に引きこまれるとはこういうことなのだと体感できる。
さて、コミカルなシークエンスが一段落すると、今まで善との記憶を失っていた貴子が突如として正気に戻るのだった。自らの駆け落ちを悔やみ、善に対して申し訳ない気持ちで一杯の貴子に、彼は公演で演じるように言う。元々歌舞伎での共演がきっかけで結婚したこの2人、小さな村ゆえに2人の間の事情は全村民が知っているのだが、だから余計に村人たちも温かく彼女を芝居へと迎え入れるのだ。その人間味がとにかく嬉しい。演じているベテラン俳優たちの人となりが溢れ出して来る様な演技に思わず魅入ってしまった。実は後半は殆どがこの歌舞伎公演の様子となる。相変わらずコミカルな要素を交えつつも、まるで善と貴子の2人のためにあるかのような舞台に見える。
演目は『六千両後日文章』というらしいけれど、私には具体的な内容は今ひとつ解らなかった。しかし貴子が舞台の袖から自分の事を「許してくれなくてもいいのよ」と語るのに合わせるかのように、善が演じる景清が「仇も恨みも、是まで、是まで」という決め台詞を吐くのが実にいい。この歌舞伎にかける想いが人一倍の善、その彼が貴子に対する想いを心から愛する歌舞伎のセリフにのせて語る姿は彼女ならずとも心に響くものがあるだろう。エンドロールで流れる原田さん含め俳優たちのフリーズ映像、そこには生き生きとした原田さんがいた。まさか今日の訃報を予期した訳ではないだろうが、何だかいくつもの遺影を観ているような気になってしまった。返す返すも日本映画界は得難い俳優を失ってしまったのだと改めて痛感する。心からご冥福をお祈りします。
個人的おススメ度3.5(5.0) 今日の一言:原田さん、楽しかったです!
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» 大鹿村騒動記 [あーうぃ だにぇっと]
6月30日(木)@新宿明治安田生命ホール。
うちの妻が18時少し前に会場に到着したら、なんと一番乗りだったそうだ。
⇒マニアの集合なし(笑)
会場内は開映時間になってもかなりガ~ラガラ。
6割くらいしかはいっていなかった。
どうしたんだろ?他の会場も同じだったのだろうか?
ちなみにこの大鹿村の試写状はこの日の分を含め4枚も到来。
そのうち2枚はゴミ箱行きとなった。... [続きを読む]
受信: 2011年7月20日 (水) 05時35分
» 原田芳雄さん、死去 『大鹿村騒動記』が遺作に [ネット社会、その光と影を追うー]
野性的な魅力で映画やドラマで活躍した俳優の原田芳雄さんが19 [続きを読む]
受信: 2011年7月20日 (水) 06時41分
» 大鹿村騒動記 [佐藤秀の徒然幻視録]
名優原田芳雄の遺作になってしまった
公式サイト。阪本順治監督、原田芳雄、大楠道代、岸部一徳、松たか子、佐藤浩市、冨浦智嗣、瑛太、石橋蓮司、小倉一郎、でんでん、加藤虎ノ ... [続きを読む]
受信: 2011年7月20日 (水) 08時16分
» 大鹿村騒動記 [食はすべての源なり。]
大鹿村騒動記
★★★☆☆(★3つ)
忘れられないけど 思い出したくもない女が帰ってきた。
長野県の大鹿村で、300年の歴史がある「大鹿歌舞伎」の上映を数日後に控えたある日、18年前に親友と駆け落ちした女房が帰ってきた!ボケてカケオチしたことも忘れて!!
出演は、原田芳雄、大楠道代、岸部一徳、佐藤浩市、松たか子、冨浦智嗣、瑛太、小野武彦、三國連太郎 という豪華陣が固めます。
豪華な出演陣をおいても、贅沢な映画だと思いました。
キツイ言い方をすると(少なくとも若者に)今、この映画で興行収... [続きを読む]
受信: 2011年7月20日 (水) 09時17分
» 大鹿村騒動記 [とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver]
村から駆け落ちした二人が初老になって村に戻り村で落ち着くまでが描かれている。村歌舞伎の主人公景清(原田芳雄)は頼朝を討つことが不可能だとわかると両目をつぶすけど、痴呆になって戻ってきた貴子(大楠道代)たちの行く末をしっかりと見届ける。歌舞伎のあらすじと映... [続きを読む]
受信: 2011年7月20日 (水) 09時44分
» 試写会「大鹿村騒動記」 [ITニュース、ほか何でもあり。by KGR]
2011/6/15、文京シビックホール、小ホール。
ほぼ満員。
段差がきついため前席が気になるようなことはないが、
格納可能な階段席になっているので、やや揺れる。
ぱっと見そういう構造に見えないため、ちょっと怖い。
**
原田芳雄、大楠道代、岸部一徳、三國...... [続きを読む]
受信: 2011年7月20日 (水) 11時27分
» 大鹿村騒動記/原田芳雄、大楠道代、岸部一徳 [カノンな日々]
阪本順治監督と原田芳雄さんがタッグを組みさらに阪本組と言われる常連俳優たちが集っての長野県の山村に300年以上も伝わる「大鹿歌舞伎」をモチーフに描かれる群像喜劇です。予告 ... [続きを読む]
受信: 2011年7月20日 (水) 11時27分
» 映画 「大鹿村騒動記」 [ようこそMr.G]
映画 「大鹿村騒動記」 [続きを読む]
受信: 2011年7月20日 (水) 11時41分
» 【映画評】大鹿村騒動記 [未完の映画評]
江戸時代から続く村歌舞伎を守る山村を舞台にして軽妙に描かれる原田芳雄主演の人間喜劇。 [続きを読む]
受信: 2011年7月21日 (木) 02時23分
» 『大鹿村騒動記』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「大鹿村騒動記」 □監督 阪本順治□脚本 荒井晴彦、阪本順治□キャスト 原田芳雄、大楠道代、岸部一徳、佐藤浩市、松たか子、冨浦智嗣、瑛太、石橋蓮司、小倉一郎、でんでん、加藤虎ノ介、小野武彦、三國連太郎■鑑賞日 7月17日(土)■...... [続きを読む]
受信: 2011年7月21日 (木) 08時23分
» 原田芳雄追悼(『大鹿村騒動記』公開中に…) [ラムの大通り]
「今夜はしっとりといくからね…」
-----そうか、原田芳雄が亡くなっちゃったんだよね。
「うん。実は『大鹿村騒動記』を観に行った時、
ある人から『これは、原田芳雄の最後の作品』と聞かされて、
えっ?と問い返したことが…。
その人の話によると、癌が再発したのだとか...... [続きを読む]
受信: 2011年7月21日 (木) 19時45分
» 「大鹿村騒動記」 [【映画がはねたら、都バスに乗って】]
長野の山の中で鹿料理店を開いている男のところへ、駆け落ちして逃げた女房と親友の男が帰ってくる。
ただ、それだけの話なのに、やたらおもしろい。
男は原田芳雄、女房と親友が大楠道代、岸部一徳。この食えないメンバーがからめば、話がおもしろくならないわけがない...... [続きを読む]
受信: 2011年7月21日 (木) 21時21分
» 大鹿村騒動記☆独り言 [黒猫のうたた寝]
2011年7月19日お昼過ぎ・・・原田芳雄さんの訃報Twitterのつぶやきでびっくりした。信じられないニュースに、嘘じゃないかとネット検索でも、それは本当に起こったことだった。ワイドショーで観た試写会での姿に、不安を感じたのは否めない。でも、本当になって欲しくなかっ... [続きを読む]
受信: 2011年7月21日 (木) 23時28分
» 大鹿村騒動記 [象のロケット]
雄大な南アルプスの麓にある長野県大鹿村。 そこでシカ料理店を営む初老の男・風祭善は、300年以上の歴史をもつ地元の村歌舞伎の花形役者。 公演を5日後に控えた折、18年前に駆け落ちした妻・貴子と幼なじみの治が村に帰ってきた! 認知症に似た脳障害で自分が駆け落ちしたことさえ忘れてしまっている貴子を「ごめん、どうしようもなくて…返す。」と詫びる治。 途方に暮れる善だったが…。 ヒューマンドラマ。... [続きを読む]
受信: 2011年7月22日 (金) 20時39分
» 大鹿村騒動記 [シネマDVD・映画情報館]
大鹿村騒動記
監督:阪本順治
出演:原田芳雄/大楠道代/岸部一徳/松たか子/佐藤浩市/冨浦智嗣/瑛太/石橋蓮司/小野武彦/小倉一郎/でんでん/加藤虎ノ介/三國連太郎
内容:江戸から数えて300余年。南アルプスの懐に抱かれた大鹿村では、途絶えることなく「村歌舞伎」の伝統が続いてきた。そこで主役を張ってきたのが、初老の食堂店主・風祭善だ。サングラスにテンガロンハットの無骨な男だが、いざ舞台に立てば観客の視線を一身に集める花形役者。しかし私生活では女房に逃げられ、18年間ひとり暮らしをしている。そん... [続きを読む]
受信: 2011年7月24日 (日) 14時58分
» 「大鹿村騒動記」 [お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法]
2011年・日本/配給:東映監督・企画:阪本順治脚本:荒井晴彦、阪本順治原案:延江浩 7月19日に亡くなった、原田芳雄の文字通り遺作。阪本順治監督のデビュー作「どついたるねん」(1989)以来、多くの... [続きを読む]
受信: 2011年7月25日 (月) 01時23分
» 阪本順治監督 「大鹿村騒動記」 [映画と読書とタバコは止めないぞ!と思ってましたが……禁煙しました。]
主演の原田芳雄さん、映画公開から三日目の突然の訃報に驚きました。
とても残念です。
遺作となってしまった「大鹿村騒動記」
今日(7月24日)やっと観てきました。
http://ohshika-movie.com/index.html
【あらすじ】
江戸から数えて300余年。南アルプスの懐...... [続きを読む]
受信: 2011年7月25日 (月) 09時08分
» 大鹿村騒動記 [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
美しき日本の山村で“芸能の原点”を守ってきた人々の姿を描く群像劇。監督は「行きずりの街」の阪本順治。出演は「ロストクライム 閃光」の原田芳雄、「人間失格」の大楠道代、 ... [続きを読む]
受信: 2011年7月25日 (月) 18時33分
» ■『大鹿村騒動記』■ ※ネタバレ有 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2011年:日本映画、阪本順治監督、原田芳雄、 大楠道代、岸部一徳、佐藤浩市、松たか子出演。 [続きを読む]
受信: 2011年7月26日 (火) 00時13分
» 大鹿村騒動記 [迷宮映画館]
追悼!!それしかないです。 [続きを読む]
受信: 2011年7月26日 (火) 20時02分
» 「大鹿村騒動記」 さらば、アウトロー [ノラネコの呑んで観るシネマ]
2011年7月19日。
映画史に大きな足跡を残して、原田芳雄が逝った。
原田芳雄という俳優を知ったのは、何時だっただろう。
物心ついた頃には既に人気スターだったが、その存在感を強烈に意識したのは、多...... [続きを読む]
受信: 2011年7月28日 (木) 23時07分
» 千両役者の花道〜『大鹿村騒動記』 [真紅のthinkingdays]
南アルプスの麓の小さな村。鹿料理の店「ディア・イーター」を営む善(原田
芳雄)は、村に300年続く「大鹿歌舞伎」の花形役者。舞台本番を5日後に控
えたある日、18年前に村を去った親友・治(岸部一徳...... [続きを読む]
受信: 2011年7月30日 (土) 14時15分
» 人生すべからく喜劇。阪本順治監督『大鹿村騒動記』 [映画雑記・COLOR of CINEMA]
注・内容、台詞に触れています。「人生すべからく喜劇」とはこれが遺作となった原田芳雄さんの言葉。阪本順治監督『大鹿村騒動記』は90分間というタイトな時間に「楽しい映画的至福なる瞬間」が溢れた見事な喜劇。... [続きを読む]
受信: 2011年8月 3日 (水) 00時46分
» 大鹿村騒動記 [映画的・絵画的・音楽的]
『大鹿村騒動記』を丸の内TOEIで見てきました。
(1)映画『奇跡』についての記事に書きましたように、期待を込めて待っていた『大鹿村騒動記』が16日に公開されるとわかり、でもまあそうすぐに行かなくともとグズグズしていたところ、19日に主演の原田芳雄の訃報。それ...... [続きを読む]
受信: 2011年8月 6日 (土) 06時10分
» 大鹿村騒動記 [A Day In The Life]
名優 原田芳雄を追悼して、観てきました。
解説
長野県の山村に300年以上も伝わる「大鹿歌舞伎」をモチーフに、『亡国のイージス』
『顔』の阪本順治監督と原田芳雄がタッグを組んだ群像喜劇。
伝統の村歌舞伎が受け継がれてきた山村で食堂を営む男のもとに、18年前に駆け... [続きを読む]
受信: 2011年8月 6日 (土) 16時01分
» 大鹿村騒動記 [『映画評価”お前、僕に釣られてみる?”』七海見理オフィシャルブログ Powered by Ameba]
忘れられないけど思い出したくもない女が帰ってきた。
長野県下伊那郡大鹿村に伝承されている地芝居「大鹿歌舞伎」を題材に、公演を5日後に控えた村で起こる悲喜こもごもを描いた人情ドラマ。
南アルプスの麓にある大鹿... [続きを読む]
受信: 2011年9月 3日 (土) 23時25分
» 「大鹿村騒動記」 [みんなシネマいいのに!]
長野県の小さな村・大鹿村で、300年続いてきた村歌舞伎の公演を5日後に控えて、 [続きを読む]
受信: 2011年9月20日 (火) 06時47分
» 大鹿村騒動記 [だらだら無気力ブログ!]
出演陣が何気に豪華。 [続きを読む]
受信: 2011年11月 1日 (火) 00時05分
» 大鹿村騒動記 [C'est joli〜ここちいい毎日を〜]
大鹿村騒動記'11:日本◆監督:阪本順治「座頭市 THE LAST」◆出演:原田芳雄、大楠道代、岸部一徳、佐藤浩市、松たか子◆STORY◆長野県下伊那郡大鹿村―四方を山に囲まれたこ ... [続きを読む]
受信: 2011年11月 7日 (月) 17時10分
» 大鹿村騒動記 [ゴリラも寄り道]
大鹿村騒動記【DVD】(2012/01/21)原田芳雄商品詳細を見る内容(「キネマ旬報社」データベースより)
原田芳雄の遺作となった群像劇。村歌舞伎の伝統が守られている大鹿村。
シカ料理店の主人・風祭善は長年...... [続きを読む]
受信: 2012年3月13日 (火) 19時59分
» 大鹿村騒動記 【監督:阪本順治】 [自主映画制作工房Stud!o Yunfat 映評のページ]
引かず寄らず、つかず離れず、カメラは役者と微妙な距離をとって、丹念に芝居を写し、物語を紡ぐ。それだって立派な映画なんだ。映像だけが映画じゃない。 [続きを読む]
受信: 2012年4月10日 (火) 20時12分
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