ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ/Nanny McPhee and the Big Bang
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英国発、もう一つの魔法使いの物語 |
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もちろん10年続いた超大作「ハリー・ポッター」には及ぶべくもないのだけれど、本作は本作でとてもほのぼのした英国発のファンタジー映画でした。むしろ小さい子供にはこちらの方が楽しいかもしれません。ちなみに“死の秘宝 PART1”に登場したリス・エヴァンスや、“死の秘宝 PART2”で大活躍したマクゴガナル先生ことマギー・スミスが本作に登場していたりも。他にも母親イザベルを『クレイジー・ハート』のマギー・ギレンホール、長男ノーマンを『リトル・ランボーズ』のエイサ・バターフィールドと何気に子役から大ベテランまで豪華な俳優陣が揃っているんで、観る方としては良く知った顔を見つけて物語にすぐ入り込めるのではないかと思います。


さて、前作『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』は未見ですが、脚本と主演の両方を務めるエマ・トンプソンの味があってちょっぴり厳しい魔法使いぶりは、幼い頃童話でよく観たそれを思い出させてくれるものでした。イザベルと3人の子供たちノーマン、メグシー(リル・ウッズ)、ビンセント(オスカー・スティア)が暮らす田舎の家に、ロンドンから従兄弟のシリル(エロス・ヴラホス)とセリア(ロージー・テイラー=リットソン)が疎開してくるのが物語の始まり。都会っ子のシリルたちと田舎っ子のノーマンたちは反りが合わずケンカを始めてしまうのですが、ほとほと困り果ててエリザベスの前に現れるのがナニー・マクフィーなのでした。無論ナニーは“子守”の意味。


ナニーは魔法使いではあるけれど、使う魔法が即物的というか、何某かの人間の欲を叶えるためではないのがホッとさせてくれます。例えばビンセントが「ゾウと寝たほうがましだい!」なんて駄々をこねると本当に子ゾウを呼び出して一緒に寝かせてしまうといったような、思わず観ていて笑ってしまうような魔法の使い方なんですね。更に好感が持てたのが、その魔法もやたらと使わないということ。彼女は子供たちに5つのレッスンを課し、あくまでも子供たちが自主的にそれをクリアするように見守るというスタンスなのでした。つまり一定の方向性を示してやって、それから逸れそうになるとちょこっと魔法を補助的に使うという感じ。最初はケンカばかりの子供たちも次第に打ち解けて行きます。


ところで実は本作はナニーのレッスンエピソードとは別に、叔父のフィル(リス・エヴァンス)がエリザベスたちの農場を借金の方に売り飛ばそうとする裏ストーリーが展開されていました。もちろん本当に嫌なヤツではなくてあくまでも困った叔父さんという感じなんですけど。タイトルになっている“空飛ぶ子ブタ”はそんな裏の流れと、子供たちのエピソードが交差した部分で登場します。シンクロをしたり、木に登ったり、もちろんナニーの魔法のなせる業なのですが。ただ如何せんこの子ブタたち、物語途中で売られていってしまうんで、サブタイトルにするのはちと違うような気がします。元々原題は『NANNY McPHEE RETURNS』ですし。まあタイトルから夢を持たせるという意味ではアリなのかな。


レッスン3まで順調にクリアした子供たち。お互いの気持ちを理解しあい、まるで本当の兄弟のように仲良くなった子供たち、そこに舞い込んで来たのが、ノーマンたちの父親が戦死したという電報。ここから物語はクライマックスに向かって一気に動き始めます。ショックで農場を売ろうとするエリザベス。普通に観ていれば裏があることはすぐ解りますが、そもそもここはサスペンスではなく、農場のピンチを子供たちが協力して救う姿に共感しながら一緒にワクワク先行きを見守るのが楽しい部分。ただ個人的にはこの後の爆弾騒動はちょっと無理がありすぎかなと感じました。もとより大人視点で見る作品ではないんで、子供たちが喜べるのであれば何をか言わんやですが…。ハリポタの後にはこの作品でほんのりするのもイイカモ?
個人的おススメ度3.0
今日の一言:ロージー・テイラー=リットソンが可愛い♪
総合評価:62点
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