« 水曜日のエミリア/Love and Other Impossible Pursuits | トップページ | チョン・ウチ 時空道士/전우치 »

2011年7月 7日 (木)

鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星

Photo 『アンダルシア 女神の報復』の原作・真保裕一脚本で、荒川弘原作の同名コミック「鋼の錬金術師」を映画化。今回はその第2弾だ。監督は『交響詩篇エウレカセブン』の村田和也。刑務所から逃げ出した未知の錬成陣を両手に持つ男、そしてレジスタンスのリーダー格となる少女らとともにエドとアルは巨大な陰謀に巻き込まれ翻弄されてゆく。
>>公式サイト

アニメシリーズの一幕を切り取った作品

 あらすじ・作品情報へ 

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへみなさんの応援クリックに感謝デス

01

荒川弘原作の同名人気コミック「鋼の錬金術師」、通称ハガレンの映画2作品目。一応テレビシリーズや前作も観ているだけに、今回も期待度大と言う所でした。結論から言うと面白かったですが、映画前作程ではなく、テレビシリーズには及ばないと言ったところでしょうか。ちなみに劇場で11.5巻なるものを貰ったのですが、原作のほうは未読なんで個人的にはいま一つ価値が薄いというか…(苦笑)テレビシリーズからの流れは既に映画前作で完結しているので、今回は全くのオリジナル。アルが錬成陣なしで錬金術を使えたりする背景を見ると、時期的にはテレビ第1シリーズの中盤過ぎで、実はこんなことも起こってました的な話だと思われます。

02 03

そもそもエドがオートメイルで、アルが甲冑姿である理由や、彼らが生身の肉体を取り戻すために旅を続けていること、そしてそれには賢者の石が必要であることといったアニメシリーズ上の大きな要素の説明がないので、これはもう完全にファン向けの作品といえるでしょう。物語はアメストリスの中央刑務所が轟音と共に吹っ飛び、そこから逃げ出した囚人のメルビンと、アルたちが対峙する所から始まります。両手の掌に見知らぬ錬成陣を持つメルビンの攻撃力は恐ろしく強力で、天下のエルリック兄弟を持ってしても手に余るほど。っとまあ、今回の敵が非常に強いのは良いのだけれど、この時点でいま一つエルリック兄弟が話としては脇に追いやられてしまったようにも見えなくもないです。

04 05

それはメルビンが妹ジュリアが逮捕されたことを知っての行動だと言うことが解ると、余計にそう感じるのでした。つまり、本作の流れの中心はメルビンとジュリアの存在であって、エルリック兄弟はあくまで第三者的というか、話を転がして行くという役割だったように思えるのです。とはいえテーブルシティを舞台にした派手な錬金術合戦はいつもどおり見応えはあるんですけど。話の展開としては例によって賢者の石がらみ。テーブルシティに縦横無尽に張り巡らされている伝声管が錬成陣の形になっていて、そこに人間の血を流すことで錬成陣が完成するというアイディアはハガレンらしい壮大さで結構好みなのですが、そのために使われた人間の命がたったの2人というのはいかがなものか…。

06 07

ま、そういうところは流して観なきゃいけませんね。結局賢者の石は精製されるのですが、結局この石を使ってまで自らの希望を叶えるのか―ジュリアで言えば失われたミロスの復興を人の命を代償にしてまで行うのかという所が本作の肝の部分です。当然ながらエドもアルも賢者の石が通常どのように精製されるかは知っているし、だからこそ他に自らの体を取り戻す手段はないかと旅を続けている訳ですし。要するにジュリアはかつてきた道だということ。さて、実際のストーリーはもうちょっと入り組んでいて、ジュリアが復興を希望するミロスの背景であったり、彼女たちミロスの民が辿ってきた道であったり、更には兄メルビンにまつわる秘密であったりと言ったことも描かれています。

08 09

個人的に言うとエドの「誰がチビだ!」ネタは欲しかったかな…。あとマスタング大佐やウィンリー、ホークアイ、アームストロング少佐といったお馴染みのキャラクターがあからさまに顔見せのためだけに登場し、さしたる活躍もないままなのはとても残念。特にマスタング大佐はクライマックスの戦いの場面にいた上に炎の錬金術師。メルビンが氷を操っていただけにガチンコ対決もありかと思ったのですがさしたる見せ場もなく…。様々な歴史背景や、世界観の統一性といったものがしっかり組み立てられているのは相変わらず優れた点ですが、やはり物語が既に完結している以上、エルリック兄弟の想いも含めた全体の流れが前進することがないというのが辛い所でした。普通に面白かったですけどね。

個人的おススメ度3.0
今日の一言:部分部分でキャラ作画が雑じゃない?
総合評価:68点

にほんブログ村 映画ブログへ 人気ブログランキングへ
↑いつも応援して頂き感謝です!
今後ともポチッとご協力頂けると嬉しいです♪

|

« 水曜日のエミリア/Love and Other Impossible Pursuits | トップページ | チョン・ウチ 時空道士/전우치 »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星:

» 鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星へ [迷宮映画館]
なかなかきっちり、良く出来てたと思います。確かな練成・・・ [続きを読む]

受信: 2011年7月 7日 (木) 13時34分

» 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 [だらだら無気力ブログ]
「ホワイトアウト」などの小説家・真保裕一が脚本を手掛け、荒川弘原作の 大ヒットコミック「鋼の錬金術師」を映画化。 錬金術というタブーに見入られた兄弟の壮絶な運命の行く末ときずなを 映し出す。メガホンを取るのは、「コードギアス 反逆のルルーシュ」 「交響詩篇…... [続きを読む]

受信: 2011年7月 9日 (土) 01時40分

» 「鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星」 [大吉!]
<水曜日> (2011年7月6日・ユナイテッドシネマ・12時30分〜・120分) 「未知の錬金術を使う男、メルビン・ボイジャーを追ってアメストリスの西にあるクレタとの国境の町、テーブルシティへと向かったエドとアル。 そこで彼らを待っていたのは、1人の...... [続きを読む]

受信: 2011年7月 9日 (土) 22時27分

» 『鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』 [beatitude]
  アメストリスの首都セントラルにある中央刑務所。刑期終了を間近に控えたひとりの囚人が、この刑務所から脱獄を果たした。その男、メルビン・ボイジャー(声:森川智之)が操る強力な錬金術に興味を惹かれたエドワード・エルリック(朴ロ美)と弟のアルフォンス(釘宮...... [続きを読む]

受信: 2011年7月16日 (土) 01時51分

» 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星  監督/村田 和也 [西京極 紫の館]
【声の出演】  朴 ロ美  (エドワード・エルリック)  釘宮 理恵 (アルフォンス・エルリック)  坂本 真綾 (ジュリア・クライトン)  森川 智之 (メルビン・ボイジャー) 【ストーリー】 錬金術で禁忌とされる“人体錬成”を行った為に、その代償として身体...... [続きを読む]

受信: 2011年7月18日 (月) 08時01分

» 鋼の錬金術師〜嘆きの丘(ミロス)の聖なる星〜 [みすずりんりん放送局]
 『鋼の錬金術師〜嘆きの丘(ミロス)の聖なる星〜』を観た。  【ストーリー】 「鋼の錬金術師」のふたつ名を持つ国家錬金術師の少年、エドワード・エルリックとその弟アルフォンス。  ふたりは、ア...... [続きを読む]

受信: 2011年7月22日 (金) 00時06分

» 「鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星」 [みんなシネマいいのに!]
 2011年の夏のアニメ映画はジブリの「コクリコ坂から」が一番人気であることは、 [続きを読む]

受信: 2011年7月22日 (金) 00時08分

» 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 [メルブロ]
鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 365本目 2011-25 上映時間 1時間50分 監督 村田和也 出演 朴路美(エドワード・エルリック) 、 釘宮理恵(アルフォンス・エルリック ... [続きを読む]

受信: 2011年8月16日 (火) 23時27分

» 『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』をシネ・リーヴル池袋1で観て、錬金術師とは何ぞやふじき☆☆☆(ネタバレあり) [ふじき78の死屍累々映画日記]
五つ星評価で【☆☆☆アクションは面白いけど、設定説明とかが不親切】 ネタバレありです 映像効果と話はなかなか面白いが、 背景が分かりづらい。 ミロス、クレタ、アメス ... [続きを読む]

受信: 2011年9月 3日 (土) 19時05分

» 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 [『映画評価”お前、僕に釣られてみる?”』七海見理オフィシャルブログ Powered by Ameba]
守りたいものは、確かにここにある。 人は何かの犠牲なしに 何も得る事などできない。 2003年、2009年にアニメ化された荒川弘原作の人気コミック「鋼の錬金術師」の映画化。劇場版としては、2005年の劇場版 鋼の錬金... [続きを読む]

受信: 2011年9月 3日 (土) 23時37分

» 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 (感想236作目) [別館ヒガシ日記TB用]
7月29日 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 (感想236作目) アメブロが5月15日よりTB廃止する事が発表されましたので 5月15日以降に更新した記事では当ブログでTBを受付ます 当ブログにTB入らない場合は上記のブログ記事タイトルの方から 別館アメブロ記事の方へ是非ともコメント宜しく願い申し上げます... [続きを読む]

受信: 2012年7月29日 (日) 13時44分

» 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 (感想236作目) [スポーツ瓦版]
7月29日 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 (感想236作目) アメブロが5月15日よりTB廃止する事が発表されましたので 5月15日以降に更新した記事では当ブログ ... [続きを読む]

受信: 2012年7月29日 (日) 13時45分

« 水曜日のエミリア/Love and Other Impossible Pursuits | トップページ | チョン・ウチ 時空道士/전우치 »