エクソシズム/La posesión de Emma Evans
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| 恐怖は無いが話で引き込むオカルト映画 |
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タイトルの『エクソシズム』は“悪魔祓いの儀式”のこと。ちなみにエクソシズムを執り行う神父のことを“エクソシスト”と呼びます。つい最近ではアンソニー・ホプキンスの『ザ・ライト』が記憶に新しいですね。ポスター画像では少女が椅子に括り付けられ白目をむいているんですがこれはブラフ。物語本線には直接関わらない過去の回想の一シーンでしかありません。いずれにしてもホラーと呼ばれる作品でこれほど怖さを感じなかったのは初めてかも…。エクソシストと悪魔の闘いを描きながら一向にラチがあかず、「本当に悪魔は祓えるの?」と疑問が頭をよぎり始める頃に意外な事実が判明する。つまり本作はオカルト的恐怖でなく人間の怖さ、哀しさを感じさせる物語に仕上がっていました。

15歳の少女エマ(ソフィ・ヴァヴァスール)の体にある日突然異変が現れ、それが徐々に酷くなってゆく…。両親は精神的なものだと精神科医に係らせるも一向に症状は改善せず、エマの苦しみは誰にも理解してもらえないのでした。っとまあ序盤から中盤にかけてはエクソシストモノとしてはオーソドックスな作りです。多少違うのはエマの叔父クリス(スティーヴン・ビリントン)は神父で過去に悪魔祓いが原因で少女を死に追いやってしまった経験を持つというところ。ちなみにポスター画像はこの時死んだ少女の姿です。様々な危害が家族に及ぶに到って、クリスにエマの悪魔祓いを依頼することになるのですが、こういうときのエクソシストは本当に頼りがいのある唯一の救いに見えるのがミソ。

しかも演じているスティーヴン・ビリントンの力強い顔立ちが、クリスの経験に裏打ちされた自信と相まって、その言葉に人を安心させる説得力を与えているのです。ところが、いざ悪魔祓いの儀式を始めたものの意外だったのは、悪魔を追い出すまでエンドレスで儀式が続くのではなく、まるでお稽古事の如く「今日はここまで」みたいになってしまうこと。まあ何となく「1日で終わる訳ないしな…」と自分を納得させて観ていましたが、良く考えたらそんなバカな話があるはずありません。第一祓われようとしている悪魔が、エクソシスト側のスケジュールに乗っ取って祓われてくれる訳がない。結局、こうした余計な時間を与えることで、最初に弟が死ぬハメになります。

この件に限らず、せっかくクリスがエマに「大切な人に危害を与えてしまう可能性があるから2人きりにならないように」と注意をしているのにも関わらずそれを無視してドツボにはまるんで少々イラッっと来たり。ただ弟の死にショックを受けたエマがこの後母にした告白は、なるほどだからこんなに苦しんでいたのかと納得できる内容でした。それは即ち自らが望んで悪魔を召還する儀式をしてしまったということ。思春期の少女を普通の高校に通わせず、無理矢理ホームスクールと称して家に閉じ込めた結果の起こした悲劇ではあるのですが、実はこの話には裏がありました。即ち悪魔召還の方法など、通常は素人が知っているものではないということ…。

やけにチンタラと進んで行く悪魔祓いの儀式、普通の少女が知るはずのない悪魔召還の方法、そしてエマの儀式の様子を撮影したビデオテープの内容…。全てが指し示すのはある一人の人間の存在に他なりません。そう(クリスは悪魔の存在を証明し、自分をインチキ呼ばわりした世間を見返すためにわざとエマに悪魔を召還させた取り憑かれるように仕向けたのです。)要するに、全ては仕組まれた罠だったということ。浅はかな罠を悪魔見透かされ、挙句に蔑みの目で最低呼ばわりされる神父…。己の虚栄心のために一つの家族を崩壊させることも平気で出来てしまう人間の汚さが哀しいのでした。本来なら気持ち悪いハズの黒目だけの悪魔の視線がむしろ人間味を感じてしまった程に…。
個人的おススメ度
3.5
今日の一言:これは結構拾い物の作品よ?
総合評価:72点
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