カンフー・パンダ２／Kung Fu Panda 2

大ヒットしたコメディアニメ『カンフーパンダ』の第２弾。前作で“伝説の龍の戦士”となったポーの前に今度は中国制覇を目論む孔雀のシェン大老が立ちはだかる。熾烈な戦いを通じてポーの生い立ちの秘密が明らかになってゆくのだった。声優にはジャック・ブラックをはじめお馴染みの面々にゲイリー・オールドマンらが加わる。監督はジェニファー・ユー・ネルソン。
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心の内に笑いが（笑）

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前作も非常に面白く大好きな作品だっただけに期待度ＭＡＸで鑑賞。その期待を裏切らない素晴らしい出来にとても満足している。但し日本語吹替え版での鑑賞だ。個人的には吹替え版の声優も非常に魅力的で何ら問題を感じないのだが、何といっても字幕版の声優が驚異的だ。ジャック・ブラック、アンジェリーナ・ジョリー、ダスティン・ホフマン、ジャッキー・チェン、セス・ローゲン…（中略）…ミシェル・ヨー、ジャン＝クロード・バン・ダム…（後略）…っと実写で出演したらキャストのギャラだけで天文学的な額になりそうなほどの豪華な面子である。このハリウッドスター大集合とも言えるほどの声を聞かないのはもったいないだろう。子供連れの場合はこの限りではないが…。

前作で“伝説の龍の戦士”となったパンダのポー。今回はこのポーとタイガー・モンキー・ヘビ・ツル・カマキリら“マスター・ファイブ”がカンフーの危機を救う旅に出るというお話だ。さらにこの旅はポーの出生の秘密を明らかにする旅でもあった。事の発端は世界征服を狙うクジャクのシェン大老が、大砲を作り出したことでカンフーを凌ぐ力を手に入れたことにある。このシェン大老とポーの関わりが彼の出生の秘密に関わるのだけれど、基本的には子供向けのアニメーションだけに事はそんなに複雑な話ではない。というか誰でも序盤に察しが付く。要するにシェン大老がポーの両親を殺し、母に逃がされたポーがガチョウのピンさんに拾われて育てられたということだ。

それにしても相変わらず笑いあり涙ありアクションありと映画を楽しむための要素が満遍なく散りばめられていることに感心する。そもそも実はピンさんの子じゃないって、パンダがガチョウの子なワケがないのを大げさに語らせてしまうのに爆笑してしまった。このシーンで描かれるポーの赤ちゃんパンダ時代がこれがメチャクチャ可愛い！映画を観ながら思わず顔がニマニマしてしまうほどの可愛らしさなのだ。マスター・ファイブも含めて魅力的なキャラクター揃いなのが本作の特徴だが、主人公としての魅力とパンダとしての魅力を兼ね備えたポーはある意味万国共通の魅力をもったキャラクターではないだろうか。彼らはシェン大老が占領したお城に忍び込むことに成功する。

城にいる大勢のオオカミたちと闘うシーンは、アニメならではのコミカルな動きや派手な動きを交えたアクションに興奮すること請け合いだ。おまけに今回は人力車？によるカーチェイスまで見せてくれる。シェン大老との闘いの合間に幼い頃のトラウマが甦り動きが鈍るポー。そんなポーに対して苛立ちを隠せないタイガー。その隙を突かれてポーは大砲で吹っ飛ばされてしまう。ちなみに大砲といってもいわゆるそれとは違い、イメージ的には打上げ花火を大砲のように使った感じだった。これはいわゆる殺戮兵器として殺伐としたイメージを作品に与えない配慮としては上手い工夫だと思う。吹っ飛ばされたポーは占いおばばに助けられ、自らの出生の秘密を完全に思い出すのである。

これがまた殆ど想像していた通りの内容だったにも拘らず、思わず感動してウルウルしてしまった。「重要なのは過去じゃない、今だ」真実と向き合い復活を遂げるポーが実に頼もしいと同時に、この後の反撃に期待度が一気に高まる。マスター・ファイブはシェン大老に捕まり、いよいよ世界征服船団が出発しようと言う時に、忽然と現れるポー。いよいよ決戦の時だ！……っと思ったらいきなりボケがはいる外し技。これがあるからこの作品が大好きなのだ。もちろん結果に関しては言うまでもない。シーフー老師の教え「心の内に平和を」を実践した奥義を会得したポーの前に敵などいるはずがないのだ。最後にどうやらポーの父親が生きていることが解る。これは３への伏線なのだろう。

各国で大ヒットしているだけに続編は間違いないと思う。今から次はポーが何をしてくれるのか楽しみで仕方がない。

８月１９日（金）公開

個人的おススメ度4.0
今日の一言：前作を観てからの方が楽しいよ！
総合評価：82点

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