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2011年9月28日 (水)

カンパニー・メン/The Company Men

Photo リーマン・ショックを引き金とした不況でリストラされたエリートビジネスマンたちのその後を描いた社会派ドラマ。主演に『ザ・タウン』のベン・アフレック。共演に『リメンバー・ミー』のクリス・クーパー、『ネスト』のケヴィン・コスナー、『告発のとき』のトミー・リー・ジョーンズとオスカーを受賞した豪華な面々が揃う。監督は『いとしい人』の製作総指揮を務めたジョン・ウェルズ。
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もはや対岸の火事では済まされない!?

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リーマン・ショックの影響でリストラされたエリートビジネスマンを描いたドラマだ。これはサラリーマンなら誰しも身につまされる話だと思う。もっともストーリー以上にメインとなる4人の俳優が凄い。何と4人ともアカデミー賞受賞経験者なのだ。脚本賞のベン・アフレックは最近では『ザ・タウン』が、助演男優賞のクリス・クーパーはロバート・パティンソン主演の秀作『リメンバー・ミー』が記憶に新しい。更に監督賞授賞経験者で言わずと知れたケヴィン・コスナーに、助演男優賞授賞のトミー・リー・ジョーンズは今や缶コーヒーのCMでお馴染みだ。これだけの俳優が揃っていて期待するなという方が無理な相談と言うものだが、それを裏切らない良作だった。

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じつはこの4人がエリートなのかと思いきやそうではない。主人公ボビー(ベン・アフレック)はボストンの大企業GTXの販売部長を務めており、4人の中では37歳と1番若い。ジーン(トミー・リー・ジョーンズ)は同じ会社の造船部門担当で取締役副社長、フィル(クリス・クーパー)はジーンの部下の重役だ。しかしケヴィン・コスナー扮するジャックはボビーの妻マギー(ローズマリー・デウィット)の兄で大工だった。つまり4人の中で1人だけブルーカラーというワケである。それにしてもアメリカのエリートホワイトカラーというのは実にセレブな生活を送っていたのだなとちょっと呆れた。途中でボビーは年収13万ドルと言っているが日本円にして1000万円弱だ。

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朝からゴルフに興じ、ポルシェで通勤ときたら、1時間以上も満員電車に揺られて通勤する日本のサラリーマンとしては、常識の範囲外である。正直こんな連中がリストラされてもザマァミロってなもんだったりする(苦笑)もっともある日会社に行ったら突然クビというアメリカのドライさ加減は中々日本ではお目にかかれないだろう。かくしてボビーは就職支援センターに通うことになるのだが、同じセンターにいた人に対して「2,3日で再就職は決まるから」と超上から目線。ここからボビーの苦難は始まるのだが、それは簡単に言えば見栄とプライドに邪魔されて現実の自分を見つめられないからだ。ボビーから遅れて重役のフィル、果てはリストラに反対したことで副社長のジーンまで解雇になる。

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解雇とは言え会社の創業者の一員であるジーンは自社株も持っているし、資産も多いだけあって別にどうということはない。従って彼は別の意味で自分のサラリーマン人生を振り返り苦悩することになるのだが、最終的にはキーマン的存在だった。一方完全に行き詰ったボビーは渋々ながらもジャックの元で大工仕事を始めるのだった。この段になっても個人的には彼に全く感情移入できないのだが、彼を献身的に支えるマギーの姿に心打たれた。再就職が決まらずイラつく彼を叱咤激励する彼女の存在は、この重い物語の中で唯一清々しい気持ちを振りまいてくれる。はっきり言うとボビーには勿体無い奥さんだ…。お陰で徐々にではあるが、ボビーは自分が大切なものを手にしていることに気付いてゆくのだ。

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考えてみるにボビーは恵まれすぎだろう。妻子の存在、そして義兄の存在、さらには解雇後も相談に乗ってくれるジーンの存在。これは図らずも我が身に置き換えて観てしまう人は多いはずだ。悲惨だったのはフィルだ。還暦間近という再就職には絶望的な年齢、工員からの叩き上げという潰しの利かない職歴、そして一番の不幸は、彼が彼を励まして親身になってくれる人の存在に気がつかなかった、或いはその言葉に耳を貸さなかったことだ。結局彼は自らその命を断つことになる。本作は中堅世代から定年間近の世代まで、観る人によってその受け取り方が異なるかもしれない。ただ一つ言えるのはこうした物語がフィクションでは、対岸の火事では済まされない、現実に身に降りかかるかもしれない時代を私たちは生きているということだ。その意味では実にリアリティを伴った作品だと思う。

個人的おススメ度3.5
今日の一言:コレがまた地味目な公開模様なんだな…
総合評価:74点

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» カンパニー・メン [Memoirs_of_dai]
エリート転落再生物語 【Story】 ボストンに本社を構える総合企業GTX社の販売部長として必死に働いてきたボビー(ベン・アフレック)は、ある日突然リストラを宣告される…。 評価 ★★☆☆☆(2.6P) ...... [続きを読む]

受信: 2011年9月28日 (水) 01時03分

» カンパニー・メン [象のロケット]
ボストンに本社を構える総合企業GTX社のエリート社員、37歳のボビーは突然リストラを宣告される。 重役のジーンはCEO(最高経営責任者)に苦言を呈するが、再び大規模なリストラ策が断行され、重役フィルまでが対象となってしまう。 一方、解雇手当の支給が終わっても再就職が見つからないボビーは、妻の兄に頭を下げ建築現場で働かせてもらうことになったのだが…。 社会派ヒューマンドラマ。... [続きを読む]

受信: 2011年9月28日 (水) 02時14分

» カンパニー・メン [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。原題:THE COMPANY MEN。ジョン・ウェルズ監督、ベン・アフレック、トミー・リー・ジョーンズ、クリス・クーパー、ケヴィン・コスナー、ローズマリー・デヴィッド。ボスト ... [続きを読む]

受信: 2011年9月28日 (水) 13時59分

» カンパニー・メン [とりあえず、コメントです]
不況によってリストラされたビジネスマンたちの姿を描いたヒューマンドラマです。 “アカデミー賞俳優4人の競演”と聞いて、どんな作品だろうかと気になっていました。 職を失った男たちの厳しい現状と、その中で迷いながらも希望を持つ姿が印象に残る物語でした。 ... [続きを読む]

受信: 2011年9月30日 (金) 08時41分

» カンパニー・メン [心のままに映画の風景]
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受信: 2011年9月30日 (金) 17時57分

» カンパニー・メン [風に吹かれて]
男は強がりで見栄っ張り頑張れサラリーマン公式サイト http://companymen-movie.comボビー(ベン・アフレック)は、総合企業GTXの販売部長。年収12万ドルで、愛車はポルシェ、趣味 [続きを読む]

受信: 2011年10月 2日 (日) 15時17分

» カンパニー・メン/ベン・アフレック [カノンな日々]
主演はベン・アフレック、クリス・クーパー、ケヴィン・コスナー、トミー・リー・ジョーンズの4人ということでいいんでしょうか?こんなにも豪華な俳優たちが揃う作品なのですから ... [続きを読む]

受信: 2011年10月 2日 (日) 21時49分

» カンパニー・メン/はたらくひとたち [映画感想 * FRAGILE]
カンパニー・メンThe Company Men/監督:ジョン・ウェルズ/2010年/アメリカ トミー・リー・ジョーンズがひたすら困ります。クリス・クーパーもひたすら困ります。とにかく、おじいちゃんが、困っていて、ちょうかわいい! おじいちゃん、かわいいですよね。おじいちゃんが困ったり、ご飯を食べたり、わがままを言ったり、悩んだりしているようすを見るのがすごく好きです。映画に出てくるおじいちゃんがかわいすぎて、おじいちゃん映画ブログを立ち上げました。ゆっくりやっていくつもりですので、よろしくお... [続きを読む]

受信: 2011年10月 3日 (月) 13時09分

» おじいちゃんが困りまくる「カンパニー・メン」/トミー・リー・ジョーンズ、クリス・クーパー [おじいちゃん映画 - 映画に出てくるおじいちゃんが好き]
おじいちゃん映画ブログは旧作メインで書こうと思っていたけれど、「カンパニー・メン」のおじいちゃんっぷりがたまらなさすぎて、メインの感想ブログ(映画感想 * FRAGILE)のほうに感想を書いたものの、もう、わたしわからない。わたし、この映画が、ほんとうに、映画としてよくできていたのかどうか、わからない。とにかく、おじいちゃんが、かわいかった。 「クビになっちゃった…」 そして困りまくるトミー・リー・ジョーンズ。 わたし、この人は特に好きな俳優ではないのだけれど、この困り顔、なんだこ... [続きを読む]

受信: 2011年10月 3日 (月) 13時09分

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『カンパニー・メン』---THE COMPANY MEN---2010年(アメリカ )監督:ジョン・ウェルズ 出演:ベン・アフレック 、クリス・クーパー、ケヴィン・コスナー 、マリア・ベロ 、ローズマリー・デウィット 、クレイグ・T・ネルソン 、トミー・リー・ジョーンズ ...... [続きを読む]

受信: 2011年10月 8日 (土) 15時46分

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 THE COMPANY MEN  地元ボストンの大企業、GTXの販売部長として働くボビー・ウォーカー(ベン・ アフレック)は、リーマン・ショックのあおりでリストラ宣告されてしまう。妻と子ど も二...... [続きを読む]

受信: 2011年10月21日 (金) 10時17分

» カンパニー・メン [ダイターンクラッシュ!!]
2011年10月25日(火) 20:50~ ヒューマントラストシネマ有楽町2 料金:1000円(Club-C会員料金) パンフレット:未確認 『カンパニー・メン』公式サイト ベン・アフレックのファンの方は読まないで下さい!! アホ面ベン・アフレックが、リストラされるエリート・サラリーマンだという。 リストラは判るけどエリートは無いだろうと思ったら、絵に描いたような偽エリートだった。面接で、「あなたは何が出来ますか。」「私は部長が出来ます。」と、答えるような。 と、根拠の無い自信の塊のベン・ア... [続きを読む]

受信: 2011年10月26日 (水) 01時42分

» リストラされて [笑う学生の生活]
12日のこと、映画「カンパニー・メン」を鑑賞しました。 リストラされた男たちの その後を描く 悲喜こもごもな人間ドラマ アメリカ映画で ここまでリストラがテーマとなった 映画も珍しいかと まさに、今 リーマンショックなどが 反映されてますね 再就職の厳しさ、今...... [続きを読む]

受信: 2011年10月29日 (土) 11時44分

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受信: 2011年11月10日 (木) 00時50分

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受信: 2011年12月 8日 (木) 10時20分

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受信: 2011年12月 9日 (金) 08時23分

» カンパニー・メン [キノ2]
★ネタバレ注意★  長引く不況に喘ぐ現代のアメリカを舞台に、リストラされた三人の男たちの再生の道のりを描く社会派ドラマです。ERなどのTVシリーズを手がけてきたジョン・ウェルズ監督の長編監督デビュー作である由。  ボストンのGTX社は、もともと造船から出発した製造業を担う骨太な企業だったが、今では医療などさまざまな分野に手広く進出していた。しかし、株化の下落による会社買収の危機に直面した創業社長のジェームズ・サリンジャー(クレイグ・T・ネルソン)は、サリー・ウィルコックス(マリア・ベ... [続きを読む]

受信: 2011年12月16日 (金) 18時30分

» カンパニー・メン [A Day In The Life]
DVDにて観賞 ずっと気になっていた映画、ようやく発売です。 解説 リーマン・ショック後の不景気により、会社をリストラされた エリート・ビジネスマンたちの悪戦苦闘を描いた社会派ドラマ。 リストラを機に自身の生き方を見つめ直す主人公にふんしたベン ・アフレ... [続きを読む]

受信: 2012年3月 2日 (金) 22時42分

» カンパニーメン [映画の話でコーヒーブレイク]
劇場公開を見逃した本作、DVDで鑑賞しました。 ちょっと苦手なベン・アフレック主演に加え、 久しぶりのケヴィン・コスナー 日本のCMですっかり宇宙人なトミー・リー・ジョーンズ 怒らせたらキレそうなクリス・クーパー         らが出演する社会派ドラマ...... [続きを読む]

受信: 2012年3月12日 (月) 01時53分

» カンパニー・メン [いやいやえん]
ベン・アフレック、ケヴィン・コスナー、トミーリー・ジョーンズ、クリス・クーパー。 仕事を失った男達の再起の物語。主人公は社会情勢の変化で一瞬にして職を失う。実際に就職難で身につまされる所もあり、そこは親近感が沸いてしまったが、いつまでもエリート意識が抜けないボビーの姿には悲哀さを感じた。失業の現実を直視できないボビーはともかくもK・コスナー演じる義理の兄の「現場仕事」で働かせてもらう事になるのだけど…。 60歳間近のフィルには後がない。面接を受けに行けば自分よりも若い青年達がずらっと並ん... [続きを読む]

受信: 2012年3月18日 (日) 10時02分

» カンパニー・メン [新・映画鑑賞★日記・・・]
【THE COMPANY MEN】 2011/09/23公開 アメリカ 104分監督:ジョン・ウェルズ出演:ベン・アフレック、クリス・クーパー、ケヴィン・コスナー、マリア・ベロ、ローズマリー・デウィット、クレイグ・T・ネルソン、トミー・リー・ジョーンズ どんなときも、上を向こう突...... [続きを読む]

受信: 2012年3月30日 (金) 12時43分

» カンパニー・メン [映画 K'z films 2]
Data 原題 THE COMPANY MEN 監督 ジョン・ウェルズ 出演 ベン・アフレック  クリス・クーパー  ケヴィン・コスナー  マリア・ベロ  トミー・リー・ジョーンズ 公開 2011年 9月 [続きを読む]

受信: 2012年3月30日 (金) 15時22分

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